後輩育成のポイントと必要なスキル

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入社から数年が経って中堅に差し掛かると、後輩の指導を任される機会が増えてきます。

後輩の育成にあたっては「質問しやすい人として振る舞う」「仕事の目的を伝える」「ポジティブフィードバックを心がける」などのポイントがあり、「コーチング」や「アサーティブコミュニケーション」などのスキルが求められます。

今回は後輩育成をテーマに、求められる心構えやポイント、後輩育成に必要なスキルなどについて解説していきます。

後輩育成を任せる意味・目的

会社のなかで中堅に差し掛かると、直属の部下を持つわけではないものの、後輩の指導を任される機会が増えてきます。

とくに近年はメンター制度を導入する企業が増えており、「入社3年目くらいから後輩の育成に携わっている」という方も多いのではないでしょうか。

こうした後輩育成を任せる取り組みは、組織側からすると「新人を安心させるために年齢の近い先輩をつける」という狙いだけでなく、先輩側にも後輩の育成を通じて「マネジメントの基礎を身につけてほしい」という意図があります。

後輩育成は新人・若手を同時に成長させる施策というわけです。

後輩を育成する際のポイントや心構え

後輩の育成に携わるにあたってのポイントや心構えについて解説していきます。

質問しやすい人として振る舞う

後輩育成に携わるのであれば、まずは後輩にとって「質問しやすい人」になれるよう振る舞いに気を配りましょう。

部活動やアルバイトなどで一度は「接しにくい先輩」と出会ったことがあると思いますが、こうした人に対して気軽に質問・相談はできませんよね。

ですから、後輩が迷ったときにすぐ質問できるような存在になれるよう心がけることが大切なのです。具体的には「忙しくても迷惑そうにしない」「自分の価値観を押しつけない」といった誠実な対応を徹底しましょう。

とくにZ世代には「多様性を重んじて自分の価値観を大切にする」という傾向があるため、一個人として尊重することがポイントとなります。

なお、Z世代の価値観と育成については「Z世代育成のポイントとは 各種調査をもとに解説」で詳しく解説しています。

最初は「やってみせる」

後輩育成の基本は、最初は「やってみせる」ことです。例えばOJTの指導でも、マニュアルだけではわかりにくいことが多々あるでしょう。そんなときは実際にやってみせて、合わせて要点などを伝えることが早道です。

なお、これは後輩のわかりやすさのためだけでなく、指導者側の能力面の不足を埋める工夫でもあります。若手・中堅の段階ではまだマネジメントに関する知識が乏しく、伝え方のスキルなども身についていないことがほとんどだからです。

ですから難しいことは考えず、まずはやってみせて教えることが確実で合理的というわけです。

仕事の目的・理由を伝える

後輩に仕事を任せたり、指示を出したりする際には、最初に仕事の目的・理由を伝えましょう。これは上司として正式に部下を持った際にも活きるポイントです。

例えば「日報を作成して」と指示するのであれば、日報は単なる一日の振り返りではなく「進捗確認とフィードバック」「失敗や改善点の言語化をすることで成長につながる」などの意味があることを伝えましょう。

これによって「指示されたからやる」という「やらされ感」が薄れ、業務の精度や成長効率が向上します。

なお、やらされ感については「やらされ感とは 原因や解消方法を解説」で詳しく解説しています。

ポジティブフィードバックを心がける

後輩育成のポイントとして、ポジティブフィードバックを心がけることが挙げられます。

そもそもフィードバックは、対象者の行動・成果について肯定的な意見を送る「ポジティブフィードバック」と、対象者の課題・改善点について指摘する「ネガティブフィードバック」に分けられます。

後輩へフィードバックを行う際はポジティブな表現で成功体験を与え、改善点があるときは「ここをこうするともっと良くなる」といった伝え方を心がけましょう。

もちろん、場合によっては後輩を叱ることも必要となるでしょうが、基本的にはその役回りは上司に任せましょう。「先輩」の立ち位置では越権行為になりかねないからです。

なお、フィードバックについては「ビジネスにおけるフィードバックとは 種類・方法・効果について解説」で詳しく解説しています。

報連相の重要性やタイミングを伝える

後輩育成では、報連相の重要性やタイミングを教えることもポイントのひとつです。

とくに新人のうちは全て自分でやろうとしたり、「こんなことで相談していいのか」と悩んだりして、トラブルを大きくしてしまう失敗を犯しがちです。ですから組織における報連相の重要性を伝え、「どのタイミングで報告すべきか」「どのような事態となったら相談すべきか」などを教えることが必要となるのです。

また近年では報連相をアップデートし、相談を確認に置き換えた「確連報(かくれんぼう)」も広まっています。問題が発生するたびに相談する癖がついてしまうと、指示待ち型になる恐れがあるからです。

なお、確連報については「報連相は時代遅れ? いま求められる確連報(かくれんぼう)とは」で詳しく解説しています。

後輩の状態を見極める

後輩の育成で最も重要なのは、後輩の状態を見極めることでしょう。

とくに新人時代は新しい環境への適応で気疲れしてしまったり、仕事が上手く処理できずに落ち込んでしまったりするものです。こうした変化に気づかずに放置していると、やがてパンクしてしまい早期離職につながる恐れがあります。

後輩の状態を見極めてサポートし、ときには上司に対して後輩の状況を報告するといったフォローも後輩育成のポイントとなるわけです。

なお、パンクしやすい新人の特徴やパンクしてしまう原因については「新人が仕事でパンクする原因 パンクしやすい人の特徴と対策を解説」で詳しく解説しています。

後輩育成に必要なスキル

先輩社員として後輩育成に携わる場合、本格的なマネジメントスキルよりも「フィードバックスキル」「コーチングスキル」「アサーティブコミュニケーション」などのスキルが求められます。それぞれ解説していきましょう。

フィードバックスキル

後輩育成に携わるにあたって必ず求められるのがフィードバックスキルです。

「ポジティブフィードバックを心がける」でも解説したとおり、フィードバックはただ評価や改善点を伝えればいいわけではありません。

伝え方によっても理解度や納得感に大きな差がつくため、しっかりとフィードバックに関するスキル・知識を身につけておく必要があるのです。

コーチングスキル

後輩育成に携わるのであれば、コーチングスキルも欠かせません。

コーチングとは、正解やスキルを直接教えるのではなく、対話や問いかけのなかで答えを本人の力で気づかせる人材育成手法です。自立性が育まれるだけでなく、自分の力で導き出した知識・スキルとなることから、能力として定着しやすいというメリットがあります。

ただ、コーチングは時間がかかり、未熟な新人のうちはいくら自分で考えても答えにたどり着けないというデメリットもあります。ですから、ときには知識やノウハウを直接伝える「ティーチング」と使い分ける必要があります。

コーチングとティーチングの使い所を見極める力を含めて、コーチングスキルといえるでしょう。

アサーティブコミュニケーション

後輩育成に携わるのであれば、アサーティブコミュニケーションを身につけておきたいところです。アサーティブコミュニケーションとは、相手の意見や感情を尊重しつつ、自身の主張を伝えるコミュニケーション手法です。

先ほどZ世代に対しては個を尊重することがポイントになると解説しましたが、後輩の個性や意見を尊重し過ぎて指摘ができなくなっては本末転倒です。

ですからアサーティブコミュニケーションの4つの柱である「誠実」「対等」「率直」「自己責任」を心がけ、意見の押しつけにならないような対話の方法を身につけることが求められるわけです。

なお、アサーティブコミュニケーションの実践方法については「アサーティブコミュニケーションとDESC法による実践」で詳しく解説しています。

「ビジネス数学」で後輩の意識改革を促そう

後輩育成のポイントとして最後にお伝えしたいのが「学校教育の考え方」からの脱却を促すことです。

ビジネスには明確な「正解」があるとは限りませんし、答えが1つとも限りません。ですから正解が存在する学校教育の考え方から抜け出せていないと、正解を追い求めて非効率な仕事の進め方をしてしまいます。

実際に「完璧主義すぎる新人」「いつまでも同じ仕事をしている後輩」などに手を焼いている方も多いのではないでしょうか。

そこでご活用いただきたいのが、弊社オルデナール・コンサルティングの「ビジネス数学」をもとにした「ビジネスシーンでの仕事の進め方」を学ぶ新人教育用プログラムです。

例えば、仕事で売上データなどを扱う際、数学の問題を解くような意識だと「データから正解を導きだそう!」と取り組んでしまいます。もちろん、業務内容によっては数字やデータを正確に処理すべき場面もありますが、前述のとおりビジネスシーンでは必ずしも正解があるとは限りません。

このグラフは実際に弊社の研修で出題している課題で、企業別売上高のグラフから「読み取れる事実・仮説を10個以上を挙げる」というものです。当然ながらこの課題に「正解」はありませんが、数学のように答えを導き出そうとして延々と正解を追い求めてしまう人は少なくありません。

この課題の本当の狙いは、正解のない状況下で「現状把握」「仮説立案」「検証・実行」のプロセスを学び、数字やデータを根拠としたアクションの起こし方を学んでいくことにあります。

このように弊社の「ビジネス数学研修」は、学校数学とビジネス数学の違いから社会人としての基礎を学ぶ内容となっており、新人研修や内定者研修の一環としてもご活用いただいております。

もちろん、弊社の研修は新人を対象にしたものだけでなく、「数字を活用した誤解のないコミュニケーション」や「データを根拠とした意思決定」など、それぞれ階層・ポジションにあったプログラムを「入門編」から「実践編」の4段階でご提供しております。 弊社の研修について、少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。「もっと詳しく知りたい!」と思っていただけましたら、お気軽に以下のリンクよりお問い合わせください。