やらされ感とは 原因や解消方法を解説

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やらされ感とは、仕事や勉強などを自分の意志ではなく、他者に強制されて行なっていると感じる状態です。

社員のあいだでやらされ感が生じる原因としては「目的がわからない」「裁量権がない」「評価が得られない」などが挙げられ、これが深刻化すると「生産性の低下」や「人間関係の希薄化」といった問題へつながっていきます。

今回は、やらされ感の原因や悪影響、解消に必要な取り組みなどについて解説していきます。

やらされ感とは

やらされ感とは、仕事や勉強などを自分の意志ではなく、他者に強制されて行なっていると感じる状態のことです。

自らの意志ではなく、他人に強制される行動には強いストレスを感じるものです。こうした状態では作業効率も上がりませんし、成長実感も得られません。

やらされ感が生じる原因としてはマネジメントや組織体制に問題がある場合が多く、組織はこれらの改善に努める必要があります。

やらされ感が生じる原因

社員のあいだでやらされ感が生じる原因については「目的がわからない」「裁量権がない」「評価が得られない」「ビジョン・目標と合致しない」などが挙げられます。それぞれ解説していきましょう。

目的がわからない

「仕事の目的が共有されない」「作業を行う意味がわからない」といった状態だと、やらされ感が高まります。取り組みの重要性や意義がわからないため、仕事を「ただのタスク」としか捉えられず、達成感が得られないからです。

裁量権がない

やらされ感が強まる原因として、裁量権がないことが挙げられます。例えば、業務の進め方が事細かに定められていると、主体的に行動する余地がなくなります。その結果として当事者意識が持てず、「私は指示されたとおりにやっただけ」と他人事になってしまうわけです。

評価が得られない

業務を遂行しても評価が得られない環境だと、やらされ感が高まりやすくなります。仕事を終えても達成感や成長実感が得られず、「自分は組織の駒でしかない」といった感覚に陥りやすくなるからです。

ビジョン・目標と合致しない

社員が持つビジョン・目標と、割り振られた仕事の方向性が合致しない場合、やらされ感を感じやすくなります。

指示される仕事がすべて適性に合っていて、楽しく取り組めるものではありません。しかし、ビジョン・目標と合致しない仕事ばかりだと「こんなことをやるために会社に入ったわけではない」といった思いが募っていき、やらされ感が強まります。これはとくに若手社員に生じやすい原因といえるでしょう。

やらされ感がもたらす悪影響

やらされ感は、個人・組織にどのような悪影響を及ぼすのかについて解説していきます。

モチベーションの低下

やらされ感がもたらす最大の問題は、モチベーションの低下です。そもそも人間は自律性が損なわれ、他者のコントロール下で行動することに対して強いストレスを感じる心理を持っています。

さらに、やらされ感が深刻化するとメンタルヘルスにも悪影響を及ぼし、休職・離職リスクを増加させるでしょう。

生産性の低下

やらされ感を感じる社員が増えることで、組織全体での生産性が低下していきます。これは単にモチベーションの低下によって作業効率が落ちるだけでなく、創意工夫やイノベーションの意識がなくなり、業務改善が生まれないことも関係しています。長期的には組織の競争力を落とす深刻な原因になるでしょう。

人間関係の希薄化

やらされ感が強まると、周囲とのコミュニケーションが疎かになる可能性が高まります。

仕事をしていても「会社が説明をしてくれないなら、こちらも話すことはない」「周りに相談するほど創意工夫の余地がない」といった状態となり、人間関係を構築する意義が失われてしまうわけです。

やらされ感の解消に必要な6つの取り組み

やらされ感を解消するためには、どのような取り組みが必要となるかについて解説していきます。

目的・意義の共有

やらされ感を解消するための第一歩は、目的・意義の共有です。リーダーや管理職には「なぜこの業務が必要なのか」「組織や事業にとってどのような意義があるか」などを説明することが求められます。

何のためにやっているのかわからない仕事ほど、やる気の出ないものはありません。一方通行で指示を出すのではなく、担当者にどのような役割を果たしてほしいかまで伝えることが大切です。

権限委譲(エンパワーメント)

組織内のやらされ感を解消するためには、権限委譲(エンパワーメント)を推進する必要があります。権限委譲とは、部下に対して業務の決定権の一部や責任などを委ねて、自律的な行動を促すマネジメントです。

これにより、社員は一定の裁量権を持って業務に就くことができ、やりがいや達成感を得やすくなります。上司には部下の能力の見極めや、失敗後の責任を取る覚悟などが求められますが、管理職としてのコア業務に専念しやすくなるというメリットもあるので積極的に推進すべきでしょう。

納得感のある目標設定

やらされ感の解消には、納得感のある目標設定が欠かせません。上司から一方的に目標を課されると義務感が強まり、どうしてもやらされ感を感じてしまうものです。

一方、上司とのあいだで話し合いが設けられるだけでも「自分も意志決定に参加した」という意識が芽生え、目標に対して主体的に行動することができます。事業目標などから個々のノルマが定められている場合でも、その目標に対して納得感を持てるようマネジメントすることがポイントとなります。

なお、ビジネスシーンにおける納得感については「ビジネスにおける納得感の意味とメリット」で詳しく解説しています。

キャリアパスと結びつける

やらされ感を解消するためには、社員各々のキャリアパスと業務を結びつけることも大切です。言い換えるなら、その仕事がキャリア形成にどのように役立つかを示すわけです。

例えば、日報はやらされ感を感じる業務としてよく挙げられますが、「振り返りの習慣を身につけることで、改善点や自分の強みが見つかりやすくなる」といったメリットを示すことで、取り組み方も変わります。

やらされ感は「こんなことをやっても意味がない」という徒労感とも深く結びついていますので、「自分に役立つ取り組みである」と実感させる必要があるわけです。

フィードバックで成長実感を与える

やらされ感の解消のためには、フィードバックによって成長実感を与えることも必要となります。フィードバックは「上司が見守っている」という実感を与え、モチベーションの向上にもつながります。

実際にリクルートが実施した調査によれば、フィードバック量が多い人ほど成長実感が高い傾向が明らかとなっています。

参考:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「新入社員が成長実感を得られる環境・仕事の性質」

とくに権限委譲を行なった際は、適切なタイミングでフィードバックを与えて軌道修正を図ることも重要となります。この点でもフィードバックは、やらされ感の解消に欠かせない取り組みといえるでしょう。

なお、成長実感については「成長実感の重要性 成長実感を得るために必要な取り組みとは」で詳しく解説しています。

物の見方を変える

自分のやらされ感を解消したいのであれば、意識的に物の見方を変えることが効果的です。

例えば、やらされ感が拭えない仕事も、会社やクライアントの立場から見てみることでやりがいを見つけられる場合があります。また時間軸を変えて、将来の目標から今の仕事がどのように役立つか捉え直してみるのもよいでしょう。

このように、様々な視点から物事を捉え直すことで、やらされ感を解消できる場合が多々あります。なお、物の見方の変え方については「物の見方とは 見方を変える7つの方法を解説」で詳しく解説しています。

安易な数値目標はやらされ感の原因に

やらされ感を感じさせる原因として、一方的な数値目標を課すことが挙げられます。数値目標には「進捗管理がしやすい」「公平な評価ができる」などのメリットがある一方、「イメージが湧きにくい」というデメリットがあるからです。

例えば「売上目標◯万円」という目標を一方的に提示すると、その目的や意義が伝わらないため「ノルマを押しつけられた」とやらされ感を感じやすくなります。

ですから数値目標を設定するのであれば、その金額で設定した根拠を伝えたり、目標をキャリアパスに結びつけたりすることが大切です。

実はこうした工夫は、弊社の「ビジネス数学研修」でお伝えしている「数字を用いたコミュニケーション」のひとつ。ビジネス数学というとテクニカルスキルを磨くものと思われがちですが、実は日々のビジネスシーンで役立つ実践的な能力を伸ばしていく研修なのです。

とくに定量的な目標設定や評価体制は「定性的な表現と比べてプレッシャーを感じる」「努力やプロセスを評価しにくい」など、やらされ感につながりやすい部分があります。数字に振り回されないよう、運用することが大切です。

なお、弊社の研修では全9種類のコンテンツをご用意しておりますので「数字やデータを根拠とした意思決定を学びたい」「統計スキルを実務に活かしたい」といった、それぞれのレベル・悩みに合ったプログラムをご提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。