新人が仕事でパンクする原因 パンクしやすい人の特徴と対策を解説
新人が仕事でパンクしてしまうのは、組織側と新人側の双方に原因があります。
組織側の原因としては「教育体制の問題」や「曖昧な指示系統」などが挙げられ、パンクしやすい新人には「完璧主義」や「報連相ができない」などの特徴があります。
今回は、新人が仕事でパンクしてしまう原因や、パンクしやすい新人の特徴、新人がパンクしないために取るべき対策などについて解説していきます。
新人が仕事でパンクしてしまう原因
新卒を受け入れている企業の課題として「毎年一人は仕事でパンクする新人がいる」という問題があります。その原因を「新人の忍耐力不足」と決めつけていると、いたずらに採用コストを増やし、組織の成長を停滞させてしまいます。
まずは、新人が仕事でパンクしてしまう組織側の原因について解説していきます。
教育体制の問題
新人が仕事でパンクしてしまう組織は、教育体制に問題を抱えています。
ほとんどの企業が新人の就業前に研修を設けていると思いますが、「マニュアルが整備されておらず、担当者によって内容にばらつきがある」「OJT担当者が多忙で十分な指導時間を確保できない」といった状況に陥っている企業は少なくありません。
実際、パーソル総合研究所の調査によれば「新人側のOJTの課題感」として、以下のような課題感に回答が集まっています。
・人によって指示や教える内容が異なっている
・教える、教わるための時間が取れない
・マニュアルや書類、業務ツールがそろっていない
同調査では「教える側のOJTの課題感」についても調べられていますが、上位の回答は上に挙げた課題感と共通しています。
参考:パーソル総合研究所「OJTに関する定量調査」
社内教育に問題があり、新人が必要なスキル・知識を習得できないまま就業すれば、当然ながら業務を上手く処理できずにパンクするリスクが高まります。
マネジメントスキルの不足
新人が仕事でパンクしてしまう直接的な原因として、上司のマネジメントスキルが不足していることが挙げられます。
「新人のスキルや経験にそぐわない業務を割り振る」「進捗管理が不十分なままタスクを与える」といったマネジメントの失敗は、新人に多大な負荷を与えることになります。とくに新卒社員は適切な業務量や業務の難易度を把握していませんから、与えられた仕事ができないと「自分の能力不足だ」と自信喪失につながってしまいます。
同時に、上司側も「新人の能力が足りない」と責任転嫁する場合も少なくないため、管理者側にマネジメントスキルの不足を自覚させることがポイントとなるでしょう。
曖昧な指示系統
新人をパンクさせる組織側の原因として、曖昧な指示系統も看過できない問題のひとつです。
とくに、複数の指示系統から仕事を割り振られる環境にあると、すぐに仕事量がパンクしてしまいます。前述のパーソル総合研究所の調査においても、教わる人が多いほど「人によって指示や教える内容が異なっている」という課題に直面しやすくなり、その状態を「OJT迷子」と表現しています。

仕事でパンクしやすい新人の特徴
新人が仕事でパンクしてしまうのは、組織側だけの責任ではありません。新人側の性格や能力によってもパンクのしやすさには違いがあります。
ここでは、仕事でパンクしやすい新人の特徴について解説していきます。
完璧主義
仕事でパンクしやすい新人の特徴としてまず挙げられるのが、完璧主義です。
本来なら1時間で終わる仕事であっても、完璧主義でミスを許せない性格だと人よりも2倍、3倍と時間をかけてしまいます。こうした仕事ぶりが積み重なっていくことで、体力と精神がすり減ってしまうわけです。
他にも完璧主義は、人からミスを指摘されることに強いストレスを感じたり、周囲に助けを求めることが負けだと思っていたりと、仕事を抱え込みやすい傾向があります。
一見すると責任感があって優秀に見える分、パンクするまで気付かれにくい厄介な性格ともいえるでしょう。
報連相ができない
報連相ができない新人は、仕事でパンクしがちです。「進捗状況を上手く報告できない」「業務の遅れがあっても相談しない」といった具合に、仕事やストレスを溜め込みやすくなるからです。
なお、報連相ができない理由は、「意見を聞くまでもない」と考える自信過剰型や、「言わなくてもわかるだろう」と考える自分本位型など、人それぞれ異なります。いわゆる「コミュ障」が原因とは限らないため、新人が報連相をしない場合はどのタイプに当てはまるかを見極める必要があります。
報連相については「報連相の重要性 やり方や定着させるための基本を解説」でも詳しく解説しています。
断れない性格
断れない性格は、仕事でパンクしやすい新人の特徴としてイメージしやすいと思います。
「手一杯だけど、期待してもらっているから」「本当はよくわかっていないけど断れない」といった遠慮しがちな性格が、キャパオーバーになっても仕事を抱え込む原因となります。
いわゆる「良い人」が陥りやすい問題なので、上司のマネジメントによるサポートが重要となるでしょう。

新人が仕事でパンクしないための対策
新人が仕事でパンクしないために、組織としてどのような対策が必要となるのかについて解説していきます。
業務の可視化
新人がパンクしないための構造的な対策として、業務の可視化が挙げられます。人の性格はそう簡単に変わるものではないため、パンクしやすい新人の性格を矯正するよりも、パンクしにくい体制を作るほうが早道です。
具体的には業務の棚卸しを進めていき、業務棚卸表の作成と業務量調査を行います。これによって社内あるいは部署内の業務について、内容や方法、作業時間などが可視化されます。これらの情報は新人に仕事を割り振る際の基準となり、業務過多を防ぐことができるでしょう。
なお、業務の棚卸しのやり方については「業務の棚卸しとは 4ステップに集約したやり方を解説」でも詳しく解説しています。
研修体制の整備
新人をパンクさせないためには、研修体制の整備が必須となります。とくに「教育体制の問題」で挙げた「人によって指示や教える内容が異なっている」「マニュアルや書類、業務ツールがそろっていない」などに陥らないよう、研修内容の見直しを進める必要があります。
ただ、これはマニュアルをがちがちに整えるという意味ではありません。ビジネスシーンの変化は著しく、マニュアル化してもすぐに陳腐化してしまう恐れがあるからです。また、なんでもかんでもマニュアル化すると、組織全体の適応力の低下を招く恐れもあります。
ですから今後の新人への研修で求められるのは、質問力や予測力といったビジネス基礎力を高める研修となるでしょう。
教える側が「学び合う」意識を持つ
新人をパンクさせないためには、教える側が「学び合う」意識を持ち、問題点の自覚や業務改善を促すことが大切です。
前述のパーソル総合研究所の調査によれば、教える側が「学び合い」のマインドセットを持つ場合、OJTを通じた自らの変化を強く実感するという結果が出ています。
「マネジメントスキルの不足」でも解説したとおり、新人のパンクは上司側の無自覚的な能力不足である場合も少なくありません。ですから上司側は新人を「矯正しよう」「職場に馴染ませよう」と指導するのではなく、ともに学び合う意識を持つことが求められます。
メンターによるケア
新人をパンクさせないようにケアする仕組みとして取り入れたいのが、メンター制度です。メンター制度とは、他部署の先輩社員が新人のサポート役を務めて、メンタルケアなどのアドバイスを行う取り組みです。
メンター制度の特徴は他部署の先輩社員という「斜めの関係」にあり、直属の上司や部署内では話しにくい悩みも相談しやすくなります。とくに断れない性格などの新人には、効果的な施策となるでしょう。
なお、メンター制度については「メンター制度とは 導入のメリットや進め方を解説」で詳しく解説しています。
新人のパンクを防ぐ「ビジネス数学」の思考法
パンクしやすい新人の特徴として挙げた「完璧主義」ですが、これは学校教育で培われた意識のままビジネスに取り組むことにも原因があります。
例えば売上データなどを扱う際、数学の問題を解くような考え方だと「数字は完璧に集計する」「データから正解を導きだす」といった意識で仕事に取り組んでしまいます。もちろん、業務内容によっては数字やデータを正確に処理すべき場面もありますが、ビジネスにおける課題には必ずしも正解があるとは限りませんよね。

このグラフは実際に弊社の研修で出題している課題で、企業別売上高のグラフから「読み取れる事実・仮説を10個以上を挙げる」というものです。当然ながらこの課題に「正解」はありませんが、数学のように答えを導き出そうとして、延々と存在しない正解を追い求めてしまう人は少なくありません。これが新人をパンクさせる「完璧主義」の正体なのです。
この課題の本来の狙いは、正解のない状況下で「現状把握」「仮説立案」「検証・実行」のプロセスを学び、数字やデータを根拠としたアクションの起こし方を学んでいくことにあります。
このように弊社の「ビジネス数学研修」は、学校数学とビジネス数学の違いから社会人としてのビジネス基礎力を高める内容となっており、新入社員研修や内定者研修の一環としてもご活用いただいております。
もちろん、弊社の研修は新入社員を対象にしたものだけではなく、「数字を活用した、誤解を生まないコミュニケーション」や「データを根拠とした意思決定」など、それぞれ階層にあったプログラムを「入門編」から「実践編」の4段階でご提供しております。
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