リアリティショックとは 原因や対策を解説

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リアリティショックとは、理想と現実のあいだにあるギャップにショックを受けることで、ビジネスシーンにおいては新入社員の入社や昇進・異動などの後の環境変化によって生じます。

その原因は「情報不足」「組織風土とのミスマッチ」「職場のレベルとのズレ」など様々であり、「誠実なコミュニケーション」「メンター制度・1on1」「評価制度の透明化」などの対策が求められます。

今回はリアリティショックについて、原因や組織に生じる影響、対策などを解説していきます。

リアリティショックとは

リアリティショックとは、理想と現実のあいだにあるギャップにショックを受けることです。とくにビジネスシーンにおいては、新入社員の入社や昇進・異動などの後の環境変化によって生じます。

抱いていた理想や期待と、現実の職場環境や待遇とのあいだに大きな隔たりを感じ、将来への不安やモチベーションの低下につながってしまうわけです。

ポイントは「リアリティショックは新入社員だけに起こるものではない」という点です。管理職への昇進や育休からの復職など、ポジション・環境が大きく変化したすべての従業員が当事者になり得るのです。

リアリティショックが生じる原因

リアリティショックを発生させる主要な原因は、大きく4つに分類できます。それぞれ解説していきましょう。

情報不足

リアリティショックが起こる最大の原因は、情報不足です。例えば新入社員のリアリティショックであれば、業務内容や評価制度といった事前の情報収集が不十分である場合に起こります。

ただ、これは必ずしも個人の怠慢に原因があるとは限りません。往々にして組織側の情報発信にも問題があり、意図的に都合の悪いことを隠蔽している場合も少なくないからです。

とくに「面接ではクリエイティブな仕事を任せると言いつつ、実際はほとんどルーチンワーク」といった齟齬は、従業員側のモチベーションを大きく落とすことになります。

組織風土とのミスマッチ

個人の情報収集、企業側の情報発信だけでは防ぎきれないリアリティショックが、組織風土とのミスマッチです。同僚との相性や職場の雰囲気などは、実際に体感しなければわからない部分だからです。

とくに「フラットな職場だと思っていたのに、チーム内での協力体制は希薄」「全体的に挑戦的な組織だけれど、配属された課は保守的な雰囲気」といった状況だと孤立感を感じやすくなります。

なお、組織風土については「組織風土とは 構成要素や改革の手順を解説」で詳しく解説しています。

職場のレベルに関するズレ

転職や異動の際に生じるリアリティショックとして多いのが、職場のレベルに関するズレです。

「もっと高いレベルで切磋琢磨できると思っていたのに、期待外れだった」など、同僚や上司のスキルに対する期待が裏切られてしまうことで、リアリティショックを感じます。

また逆に「自分はもっとできると思っていたのに、周囲のレベルが高すぎてついていけない」といった劣等感でもリアリティショックを感じてしまう場合があります。

成果と評価のズレ

入社後、あるいは転属後しばらく経ったあとに生じるリアリティショックが「成果と評価のズレ」です。

「成果を上げても給与や待遇が評価されない」「同僚と比べて自分の働きが見落とされている」といったギャップは、組織全体への不信感に直結します。

リアリティショックによる悪影響

リアリティショックは個人の心理的な問題だけにとどまらず、組織全体にも影響を及ぼします。ここでは「生産性の低下」「メンタル不調」「早期離職」の問題について解説します。

生産性の低下

リアリティショックは社員のモチベーションを著しく低下させ、結果として組織全体の生産性の低下につながります。

問題は単に一人の生産性が損なわれるだけでなく、エンゲージメントが失われることで組織に対する不満が周囲の社員にも伝播し、チーム全体の士気が損なわれることにあります。

メンタルの不調

リアリティショックは、とくにメンタルの不調につながりやすい問題です。環境の変化によって心身ともに負担がかかるなかで理想と現実のギャップに直面することにより、心理的なショックはより大きくなるからです。

そのため、リアリティショックは休職や、以下で解説する早期離職などにつながりやすく、事業戦略や組織運営にも影響を与えます。

早期離職による経営的損失

リアリティショックの最も深刻な影響は、早期離職の増加です。せっかく採用した人員が早期に離職することで採用コスト・教育コストが水の泡となってしまいます。

また、離職者の口コミが広がることで採用市場での評判が悪くなり、将来的な採用活動にも悪影響を及ぼして人材の獲得が難しくなる恐れもあります。

なお、早期離職の悪影響については「早期離職の理由と必要な対策」で詳しく解説しています。

リアリティショックを防ぐための対策

リアリティショックを防ぐための対策は、大きく採用段階と入社直後の取り組みが鍵になります。

採用段階での誠実なコミュニケーション

リアリティショックの対策は、採用段階から始まります。とくに重要なのは、自社の良い面ばかりを伝えるのではなく、リアリティショックにつながりそうな点も共有する誠実なコミュニケーションです。

選考プロセスのなかで詳細な業務内容や組織が抱える課題を具体的に伝えることで、求職者も入社後の働き方をイメージしやすくなります。

インターンシップの導入

組織風土のミスマッチを防ぐために最も効果的なのは、インターンシップの導入です。

実際に職場のなかに入って業務を体験し、現場の社員とコミュニケーションを取れば、リアリティショックを感じることはほとんどなくなります。

また、インターン生から感想をもらうことで、自社の情報発信の問題点・改善点も掴みやすくなります。結果的に入社後のリアリティショックは、大幅に軽減するでしょう。

なお、インターンシップについては「企業側に必要なインターンシップの受け入れ準備」でも詳しく解説しています。

内定者フォローを見直す

インターンシップと同様、内定者フォローを見直すこともリアリティショックの防止に欠かせない取り組みです。

内定期間中から配属予定の部署と交流する機会を設けたり、業務に関連する基礎知識を学んでもらったりすることで、入社後のギャップを大きく軽減できるからです。

なお、内定者フォローについては「内定者フォローとは 実施の目的と内容の具体例」で詳しく解説しています。

メンター制度や1on1による心理的ケア

入社後の取り組みについては、まず抱えている不安や違和感を早期に汲み取るためのメンター制度や1on1ミーティングなどの仕組みを整備しましょう。

1on1では業務の難易度や進捗確認、キャリアプランとのマッチ度などをチェックし、小さなズレを放置せずに定期的に修正していくことで、リアリティショックが大きくなる前に軌道修正ができます。

メンター制度では、組織の暗黙のルールを伝えたり、直属の上司には言いにくい相談を汲み取ったりします。利害関係のない他部署の先輩社員とコミュニケーションを取ることで、孤立感を防ぐ狙いもあります。

なお、メンター制度については「メンター制度とは 導入のメリットや進め方を解説」で詳しく解説しています。

評価制度・キャリアパスの透明化

リアリティショックを防ぐための全社的な取り組みとして、評価制度・キャリアパスの透明化が挙げられます。

何をすれば評価され、どのようなスキルを磨けば自身の理想とするキャリアに近づけるのかを明確にすることで、リアリティショックを感じる余地がなくなります。

これらはリアリティショックに限らず、全社員の働く上での満足感・納得感に直結するものですから、常に見直し・改善を行なっていきましょう。

なお、キャリアパス制度については「キャリアパス制度とは メリットや導入の流れを解説」で詳しく解説しています。

リアリティショックを防ぐために必要な定量的な表現

リアリティショックを防ぐためには、誠実なコミュニケーションが必要だと解説しました。

ただ、リアリティショックは人の感じ方や受け止め方といった内面に関わる問題ですので、企業側がいくら誠実に自社のことを伝えたつもりでも、受け止め方は人によって差が出てしまいます。企業が「アットホームな職場」と言っても、求職者側は額面通りには受け取れないわけです。

そこで必要となるのが、定量的な表現です。人間関係の良さや働きやすさを伝えたいのであれば「アットホームな職場」ではなく、「業界離職率は20%だが、自社は離職率5%」といった定量的な表現を使うことで納得感が生まれます。

しかし、ビジネスパーソンのなかには、数字の活用に対して苦手意識を持つ方も少なくありません。とくに数字を扱うのが苦手な人ほど「正確な数字」にこだわり過ぎてしまい、データの収集に時間がかかったり、細かすぎるデータを提示したりといった失敗をしてしまいます。

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