ハイパフォーマーとは 育成するメリットや分析方法を解説

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ハイパフォーマーとは、その企業のなかで極めて高い生産性を発揮している人材のことです。その特性としてコミュニケーション能力や行動力などが挙げられますが、組織の形態や職種によって異なる部分があるため、自社で定義を持つことが大切です。

今回はハイパフォーマーを育成するメリットや分析方法、退職を防ぐためのポイントなどを解説していきます。

ハイパフォーマーとは

ハイパフォーマーとは、その企業のなかで極めて高い生産性を発揮している人材のことです。ハイパフォーマーは業務の遂行に必要なスキルや知識を身につけ、経験も豊富な場合がほとんどですが、組織の風土とのマッチ度の高さから実力以上の生産性を発揮している場合もあります。

ハイパフォーマーの特性として「コミュニケーション能力」「行動力」「自己管理能力」などが挙げられますが、これらは一般論の共通点に過ぎず、組織の形態や職種によっても異なる部分があります。ハイパフォーマーの育成や採用を目指す際には「自社におけるハイパフォーマー像」を定義することが大切です。

また、ハイパフォーマーが多いほど組織全体の生産性が高まるため、ハイパフォーマーの行動や思考を分析し、コンピテンシーモデルとして設定して人材育成や採用活動に活用する事例も増えています。

ハイパフォーマーを分析・育成するメリット

ハイパフォーマーの分析や育成を推進していくことで、どのようなメリットが得られるのか解説していきます。

業績の向上

生産性の高いハイパフォーマーが増えれば、必然的に業績も向上していきます。生産年齢人口が減少する現代において、社員一人あたりの生産性を向上させなければ企業は生き残れません。ハイパフォーマーの分析・育成は、全ての組織に求められる取り組みといっても過言ではないでしょう。

社員のモチベーション向上

ハイパフォーマーが組織・チームにいることによって、相乗効果でメンバーのモチベーションも向上していくことが期待されます。

身近なところに成果を出し続けるハイパフォーマーがいれば、自然と周囲のメンバーも仕事ぶりを模倣し、行動習慣などが改善されていきます。また、ハイパフォーマーが困難な課題や業務についてブレイクスルーを起こすことによって、他のメンバーの志気が高まります。

ハイパフォーマーの働きぶりは自然と周囲を巻き込み、組織全体の意識改革につながっていくのです。

採用力の向上

組織内のハイパフォーマーの行動・思考の特性を分析して採用活動に活かすことで、採用力の向上につながります。

社内で活躍する社員の特徴や性格などをリストアップし、それらを満たす人材を獲得していくことで、ハイパフォーマーと同様の活躍が期待できるわけです。

とくに、採用市場ではさほど評価されない項目が社内のハイパフォーマーに共通する特徴だった場合は大きなチャンスです。採用成功率を高めつつ、自社での活躍の可能性が高い人材を獲得できるので、採用力が大きく向上するでしょう。

ハイパフォーマーの分析方法

「優秀な社員を分析する」といっても、具体的にどのような取り組みが必要になるのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。ここでは、ハイパフォーマーの分析方法について解説していきます。

ハイパフォーマーの定義を設定する

ハイパフォーマーを分析するためには、まず自社におけるハイパフォーマーの定義を設定する必要があります。

組織によっては、一般的に優秀とされる人材よりも、寡黙だが堅実な人材の方が貢献度が高いこともあるでしょう。逆に営業成績は優れているけれども、周囲からの評判は良くないといった人材も往々にして存在します。

組織によってハイパフォーマーの定義は異なるため、まずは自社にとって「優秀な社員」とはどのような人材なのかを明確にしていきましょう。

モデルとなる社員を選出する

ハイパフォーマーの定義が定まれば、社内の具体的な人物が浮かび上がってくるはずです。その人物をモデルとして選出し、行動特性や経歴などを分析していきます。

〈分析すべき項目〉

・行動特性

・経歴

・所有スキル

・キャリアプラン

とくに行動特性はできるだけ細かく、具体的に確認していきましょう。例えば「○○のトラブルが発生したとき、何を考えて、行動を取ったのか」といった具合に、性格や心理を掘り下げていくと効果的です。

また、聞き取りは本人だけでなく上司や同僚にも行うと、より多角的に分析を行うことができます。

データベースで共有する

ハイパフォーマーに関する分析結果は、人材育成や採用活動などに広く流用できます。データは人事部だけでなく、現場での育成にも活用できるようにクラウドなどで共有しておくと効果的です。

ハイパフォーマーの退職を防ぐ4つのポイント

生産性の高い人材は他社にとっても魅力的な存在であるため、常に流出のリスクがあります。ハイパフォーマーの分析と並行して、退職を防ぐための取り組みも推進していきましょう。

適正な評価

ハイパフォーマーの退職を防ぐための前提条件ともいえるのが、適正な評価です。自身が発揮している生産性に対して正当な対価が得られなければ、より良い評価を受けられる場所に移っていくのは自然といえるでしょう。

成果主義的な評価制度の導入や、複線型人事制度のようにキャリアの道筋を昇進だけに限定しないなど、給与やキャリアアップについて納得できる環境を整えることが大切です。

働きやすい環境を整える

近年になって評価制度以上に重要視されるようになってきたのが、働きやすい環境です。ハイパフォーマーは引く手数多ですから「働きにくい、自己実現ができない」と感じれば、より自由な働き方を実現できる企業へ移ってしまうでしょう。

リモートワークやフレックスタイム、副業の解禁など、働き方の選択肢は大きく広がっています。育児や介護といったライフステージの変化にも対応できるような環境であれば、ハイパフォーマーにも長く活躍してもらえるでしょう。

研修・自己啓発制度の充実

ハイパフォーマーは総じて高い向上心を持っているため、研修や自己啓発制度を充実させて、成長機会を提供することも大切です。さらに、これらの制度とキャリアパスをリンクさせれば、より効果的にエンゲージメントを高めることができるでしょう。

業務過多にさせない

生産性の高いハイパフォーマーには新人の指導や営業への同行など、つい本来の業務以外のことも頼みたくなってしまいます。しかしハイパフォーマーも普通の人間であり、キャパシティを超えた仕事を割り振られれば効率は落ち、ストレスも溜まります。

とくにハイパフォーマーに困難な業務を任せているときなどは、パフォーマンスを最大限発揮できるよう、他のメンバーが雑務を処理するといったチーム体制なども求められるでしょう。

データを正しく見極めてハイパフォーマーを見つけ出そう

社内のハイパフォーマーを見つけ出すために欠かせないのが、定量的に評価やデータを確認していく作業です。社内でのヒアリングなどを通じてハイパフォーマーを探そうとすると、個人の主観に左右され、本当に優秀な人材を見落としてしまいがちです。

ただ一方で、ビジネスパーソンのなかには数字やデータに対して苦手意識を持つ人が少なからず存在します。人事担当者が社内のデータを上手く集められなかったり、数字からイメージを膨らませる力が弱かったりすると、正しいハイパフォーマーの定義を設定できず、分析が進んでいきません。

こうしたデータの分析・収集などを弱点とする会社様におすすめしたいのが、弊社オルデナール・コンサルティングの「ビジネス数学研修」です。数字に対する苦手意識の克服から、実務で活きるデータの活用方法まで、実践的にデータリテラシーを育むことができます。

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