ビジネスにおけるデータ活用とは

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ビジネスにおけるデータ活用は、企業内外に存在する様々なデータを用いて、事業の発展や業務改善などに役立てる取り組みです。

データ活用によって売上の向上や業務の効率化、意思決定の迅速化といった様々なメリットが期待されるため、推進を進めている企業も多いことでしょう。

今回はビジネスにおけるデータ活用の概要や、確認すべきデータについて解説していきます。

ビジネスにおけるデータ活用

ビジネスにおけるデータ活用とは、企業内外に存在する様々なデータを用いて、事業の発展や業務改善などに役立てる取り組みのことです。

データ活用と聞くと、ビッグデータやDXといった高度な取り組みを想像しがちですが、大半のビジネスパーソンは日頃から無意識のうちにデータを活用して行動しています。例えば販売職で、売上トップの販売員と仕事に慣れていない新人を組ませて成長につなげることも、「売上」というデータを活用した改善策といえます。

社内データと社外データ

データ活用の対象は、大きく「社内データ」と「社外データ」に分けられます。

【主な社内データ】

・人事データ

・売上データ

・顧客データ

・業務データ

【主な外部データ】

・公的なオープンデータ

・SNSなどのweb上のデータ

・気象データ

・位置データ

上に挙げた例がすべてではなく、事業内容によってもデータ活用の対象は異なります。例えば、社内データとして「広告データ」が重要な分析対象となる企業も多いでしょう。

また、人事データのようにすべての企業にとって重要なデータがある一方で、気象データのように一部の企業にとっては活用の機会が少ないデータもあります。

データ活用とデータ分析の違い

ビジネスの場では、データ活用とデータ分析を混同して用いている人がいますが、厳密には意味の異なる言葉です。

データ分析とは、データを細かく見ていき、情報を抽出する作業のことです。この作業で抽出された情報が業務改善や新規事業などに活かさせるわけです。

つまりデータ分析は、大枠ではデータ活用のプロセスに含まれており、データ活用の一部と言い換えることができます。

データ活用の現状と課題

総務省「令和5年情報通信白書」によれば、日本企業のパーソナルデータの活用状況について、「活用できている」と回答した割合は52.8%と諸外国に比べて低い水準となっています。

パーソナルデータ以外のデータについても、「活用できている」と回答した割合は51.8%で、やはり諸外国に比べて低い水準です。

データの取り扱いや利活用における課題については、以下のような問題が挙げられています。

・データの収集、管理に係るコストの増大(28.2%)

・データの管理に伴うインシデントリスクや社会的責任の大きさ(25.6%)

・データを取り扱う(処理・分析等)人材の不足(23.9%)

とくに「データを取り扱う(処理・分析等)人材の不足」については、日本と中国で回答の割合が際立って高い課題となっています。米国とドイツでは最も回答の少ない課題だったことから考えても、「データ活用人材の不足」は日本全体が抱えている課題といえるでしょう。

参考:総務省「令和5年版情報通信白書」

データ活用によって得られるメリット

データ活用を推進することによって、具体的にどのようなメリットが得られるのか解説していきます。

売上の向上

データ活用によって成果につながりやすいのが、売上の向上です。とくに顧客データや広告データなどからリピートの割合や反応を探ることで顧客ニーズの把握につながり、売上向上へと結びつけることができます。

具体的な例として、通販サイトで見かけるようになった「おすすめ商品の表示」が挙げられます。顧客の購買履歴のデータを活用することで生み出された機能です。

ほかにも売上の向上には、景気の動向といったマクロなものから、SNSの反応といったミクロなものまで、様々なデータが関わってきます。

業務の効率化

データ活用の目的としてよく挙がるのが、業務の効率化です。各種データを確認していくことで、業務において障害となっている部分を発見できる可能性があります。

業務の効率化では、残業時間や働きがいなどの人事データだけでなく、顧客の行動特性や同業他社の事例などが業務改善のきっかけになることがあります。

例えば、特定の時間帯に顧客からの問い合わせが多いことがわかれば、対策を講じることで業務の効率化のみならず、売上向上につながることも期待できるでしょう。

意志決定の根拠になる

データは意志決定の際に強力な根拠となるため、結果として会社全体の判断力が上がり、スピード感を向上させることができます。

例えば2つの提案が上がってきた際、片方は明確なデータをもとに予想されたプランで、もう片方は担当者の推測にもとづいたプランだったら、誰もがすぐに「データをもとにしたプラン」を選ぶでしょう。

データは誰の目にも平等な事実であるため、納得感が高まります。データ活用は、社内外で提案を行う際にも強力な武器となるのです。

新規事業・戦略の発見

データを活用して顧客の行動や自社の弱点などを洗い出していくことで、新規事業案などのビジネスチャンスを見つけられる可能性があります。

既存の事業のなかでも、データから埋もれていた顧客のニーズを顕在化させて、サービスに付加価値をつけることができれば、ビジネスのチャンスも広がっていくでしょう。

0から新しい事業や戦略を考えるのは困難ですが、データという根拠に基づいて1から広げていく作業ならば、イノベーションも生まれやすくなります。またデータを根拠とすることで、リスクヘッジが容易になることも期待されます。

ビジネスで活用すべきデータの種類

データ活用といっても、具体的にどのようなデータを収集・分析すればよいのかと悩んでしまう方も多いでしょう。ビジネスにおいて有益となるデータの種類をご紹介していきます。

顧客データ

まず重要となるのは、顧客データです。顧客データは売上向上や施策の効果測定など、様々な用途で用いられます。

事業の対象が一般消費者なのか企業なのかによっても内容は異なりますが、購買者の属性や問い合わせ内容、リピート率といったデータを収集するとよいでしょう。また、クレームも重要な顧客データのひとつです。

人事データ

自社の社員の状況や行動が表れている人事データも、重要なデータ活用の対象です。

人事データは自社の現状把握や業務の効率化、エンゲージメントの向上など、組織運営にまつわるすべての事柄に関わってきます。

従業員満足度や同業他社と比べた際の給与水準、離職率など、収集・分析すべき対象は枚挙に暇がありません。そのため、事前にデータ活用によって、どのような課題を解決したいのか明確にしておくことが大切です。

なお、人事データについては「人事データ分析とは 分析の進め方や事例を解説」でも詳しく解説しています。

関連記事:人事データ分析とは 分析の進め方や事例を解説

各職種のデータ

社内の職種(事業)ごとにデータを蓄積・分析することで、それぞれの課題を洗い出すことができます。

営業職でいえば、訪問数や受注率など、営業プロセスの指標をひとつずつ分析していくことで、社員ごとの課題が見つかりやすくなります。訪問件数は多いのに商談数が伸びていなければ、リサーチ不足やロープレ不足などの課題が浮かび上がります。

このように、各職種ごとの各プロセスで定量化できるものはデータとして蓄積させておき、分析を行うことで課題を顕在化させることができるのです。

SNS上のデータ

誰しもがSNSを活用するようになった現在、SNS上のデータはマーケティングを行ううえで不可欠な要素となっています。とくに自社の商品・サービスの評判や消費者のニーズなどを探るためには、SNSは欠かせないツールとなっています。

日本国内ではTwitterとInstagramが中心となりますが、自社の事業によってはFacebookやTikTokを活用したほうがよい場合もあります。

まとめ

データ活用によって売上の向上や業務の効率化、意思決定の迅速化といった様々なメリットが得られます。

ただその一方で、社内外には多種多様なデータが存在するため、どのデータを活用すれば自社の目的達成につながるか見極める必要があります。まずはデータ活用で達成したい目的を明確にしたうえで、データの収集・分析を進めていきましょう。

同時にこの段階で課題となるのが、「データを取り扱う人材の不足」です。研修や新規採用によって担当者を確保する取り組みも重要になるでしょう。

「ビジネス数学研修」で社内にデータ活用を根付かせよう

いまやビジネスにおけるデータ活用は、あらゆる職種・役職に求められる取り組みとなっています。

ただその一方で、データを取り扱う人材はどの企業でも不足しています。これは「データサイエンティスト」や「DX人材」といった専門職の不足だけでなく、そもそも「数字を上手く扱える人材」が少ないことが根本的な問題なのです。

多くの企業は、ビッグデータやIoTのような専門的な取り組みを目指すより先に、「店舗別の売上一覧」から情報を読み解ける人材を増やすべきといえるでしょう。

しかし、世間の育成機関が提供する研修カリキュラムは専門職の育成を目指すものばかりで、身近な場面でのデータ活用について教えてくれるものがほとんどありません。

そんななかで弊社は「数字に苦手意識を持つビジネスパーソン」を対象として、実務で活きる「ビジネス数学研修」をご提供しております。

弊社の研修プログラムでは、数字やデータの扱い方を「入門編」から「実践編」の4段階で学んでいき、受講者のレベルに合わせてデータリテラシーを育んでいきます。

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