指導力とは 指導力を構成する要素や向上のポイントを解説

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指導力とは、部下や教え子に知識・スキルや助言などを伝え、望ましい方向に成長させる力です。

指導力を構成する要素としては「コーチング・ティーチング」「傾聴力」「信頼する力」などが挙げられ、指導力を向上させるには「臆せずに厳しいことを伝える」「感情的にならない」などのポイントが挙げられます。

今回は指導力をテーマとして、指導力を構成する要素や向上させるためのポイント、向上することによるメリットなどを解説していきます。

指導力とは

指導力とは、部下や教え子に知識・スキルや助言などを伝え、望ましい方向に成長させる力です。

広くはリーダーシップの一部に含まれ、「メンバーの力を引き出す」「目標達成に導く」などの部下育成と密接に関わっており、管理職にとって欠かせないスキルといえるでしょう。

なお、部下の育成については「部下育成で大切なこと 指導との違いやコーチングの重要性を解説」でも詳しく解説しています。

指導力を向上させることによる効果・メリット

管理職・上司の指導力を向上させることは、単に部下の能力を向上させるだけでなく、部下の不満の解消やモチベーションアップにもつながります。

また、部下の働きぶりが良くなることで上司側の負担も軽くなり、マネジメント等のコア業務に専念しやすくなります。これにより、相乗的に組織の生産性が向上することが期待されます。

ほかにも適切な指導が実施されることで信頼関係が生まれ、心理的安全性が構築されてメンタルヘルス・離職率などの問題などにも寄与するでしょう。

指導力を構成する要素

指導力は複合的なスキルであり、何かひとつのスキルを取得すれば身につくものではありません。ここでは、指導力を構成する要素について解説していきます。

コーチング・ティーチング

指導力を構成する要素として代表的なのが、コーチングスキルとティーチングスキルです。

そもそもコーチングとは「答えは当人のなかにある」という原則から、答えを教えるのではなく、自らの力で答えを引き出せるようにサポートする手法です。対してティーチングは、自分の知識・スキル・経験などを相手に教える手法となります。

まだ対象者の基礎が整っていない場合で、正解がある課題やノウハウが確立された方法に取り組む際は、ティーチングで指導するほうが効率的です。逆に言えば、こうした場面でコーチングを使うのは遠回りになってしまいます。

一方で、失敗の原因や自分に欠けているスキルなど、考えることで答えが見つかる課題についてはコーチングによる指導が効果的で、自律性を高めることができます。逆にこうした場面でティーチングばかり行なっていると「指示待ち型」になってしまう恐れがあります。

このようにコーチングスキルとティーチングスキルを適切に使い分けることで、指導の成果は大きく左右されるのです。

傾聴力

指導力を身につけるために欠かせないのが傾聴力です。傾聴力とは、ただ相手の話を聞くだけでなく、相手の意図や感情までを含めて理解する力のことです。

部下に対して一方通行でスキルや自身の経験を伝えても、それは押しつけに過ぎません。部下の考えや置かれている状況を理解したうえでアドバイスを送ることで、部下も「この人の言うことは信用できる」と指導が心に響くのです。

傾聴力は部下との信頼関係を構築するうえでも欠かせないスキルといえるでしょう。

フィードバックスキル

指導力を大きく左右するスキルのひとつとして、フィードバックスキルが挙げられます。

ビジネスにおいてフィードバックとは「業務上の行動やその結果などについて、評価・改善点を伝えること」を意味しますが、実はその方法にいくつかの「型」があります。

例えば「サンドイッチ型」は、「ポジティブ→ネガティブ→ポジティブ」という構成でフィードバックを行う手法であり、ネガティブなフィードバックを行なっても対象者のモチベーションを保つ効果があります。

何かを伝えるにしても、その方法によって伝わり方・効果は大きく異なります。フィードバックの「型」を使いこなすことができれば、指導力は大きく向上するでしょう。

なお、ビジネスにおけるフィードバックについては「ビジネスにおけるフィードバックとは 種類・方法・効果について解説」で詳しく解説しています。

観察力

ここまで解説してきたスキルを支えるのが観察力です。日頃から部下のことをよく観察していないと、性格や能力、課題などが掴めず、適切な指導を行うことができないからです。

例えば、部下が何らかの課題に失敗した際、不足しているのがモチベーションなのか能力なのかを見極めないと、適切な指導を行うことができません。

「傾聴力」と合わせて、部下との信頼関係を構築するために欠かせない能力といえるでしょう。

信頼する力

指導力を構成する要素のなかでも「信頼する力」は、とくに身につけるのが難しい能力といえます。

部下を指導していると、部下を信頼して一任すべき場面が必ず訪れます。最終的には裁量権を与えて仕事を任せないと、部下の成長は頭打ちになってしまうでしょう。

これはとくに中堅社員や次世代リーダーを指導する際に重要であり、上司が責任を取る覚悟で権限委譲することが指導の大きな山場となります。

なお、権限委譲については「権限委譲とは 権限移譲との違いやメリット・注意点を解説」で詳しく解説しています。

指導力を向上させるためのポイント

最後に、指導力を向上させるための3つのポイントをお伝えしていきます。

臆せずに厳しいことを伝える

指導力を高めるための重要なポイントとして「臆せずに厳しいことを伝える」が挙げられます。

とくに近年は「新人(Z世代)はすぐに辞めてしまう」「ハラスメントにならないだろうか」といった警戒から、必要なネガティブ・フィードバックを送れない上司が増えています。

しかし、指導を受ける新人側では「何も言われずに成長できないほうがリスク」という考え方が広まっているのです。

実際にリクルートマネジメントソリューションズ「新入社員意識調査2026」によれば、上司に期待することとして「一人ひとりに対して丁寧に指導すること(50.1%)」がトップである一方、「言うべきことは言い、厳しく指導すること(24.0%)」が3年連続で上昇するという結果が出ています。

参考:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ「『新入社員意識調査2026』の分析結果を発表」

丁寧な指導や傾聴の姿勢が前提とはなりますが、ときには厳しい指導を行うことで本当の信頼関係が構築されるのです。

感情的にならない

これは指導力を高めるというより損なわないためのポイントですが、指導時には感情的にならず、平静でいることが大切です。

部下が想定とは異なる行動を取ったり、指導したことを全うできなかったりすると、つい感情的になってしまうこともあるでしょう。

しかし、そこで怒りのまま指導しても良いことはひとつもありません。なによりそうした状態は「傾聴」とはほど遠く、指導力が非常に低い状態といえます。

なかには感情的な指導を「臆せずに厳しいことを伝える」と混同している人もいますが、これは大きな間違いです。まずは「自分の伝え方や指導方法に問題があったかもしれない」と省みることで、結果的に自身の指導力も向上していくでしょう。

指示の出し方を学ぶ

指導力を高めるためにぜひ学んでおきたいのが「指示の出し方」です。指示の出し方が悪いと業務の遅延や失敗を招き、結果的にそのツケは指導者側に戻ってくるからです。

指示の出し方の具体的なポイントとしては「最初に目的・意図を伝える」「定量的な基準を示す」「一度にたくさんの指示を出さない」などが挙げられます。

なお、指示の出し方については「良い指示を出すための6つの条件 指示出しを学ぶ重要性とは」でも詳しく解説しています。

「数字力」を高めて公平で納得感のある指導を行おう

「指示の出し方を学ぶ」でも少し触れましたが、指導力を高めるためには定量的に事実ベースで指導することも大切です。

よくある指導の失敗例として「この会議の資料をいい感じにまとめておいて」といった曖昧な指示が挙げられますが、これの何がダメかというと、部下からすると何をもって「いい感じ」なのかがわからないからです。

同様に、部下への目標設定でもよく「お客様から信頼されるパートナーになろう」といった目標が掲げられますが、これだけだと何をもって「信頼された」と判定するのかがわかりませんよね。

ですから、納得感と公平性のある指導を行うためには定量的で事実ベースの基準を設ける必要があるわけですが、数字やデータを提示すれば必ず納得感が生まれるかといえば、そう単純な話でもありません。

例えば、下の表は弊社の「ビジネス数学研修」で出題している課題で「この5店舗のなかから優秀店をひとつ選び、報奨金を与えるとします。あなたはどの店舗を選びますか」というものです。

上の表から優秀店を選ぶ際には、以下のような評価基準が考えられます。

・売上が一番高い店舗

・従業員が効率的に働いている店舗

・店舗面積で効率的に売り上げている店舗

単純に「最も売上高の良い店舗」で選ぶと、従業員数や総床面積で劣っている店舗が不利になりそうですよね。とはいえ現実には、都心の一等地のように総床面積や従業員数で劣っていても高い売上を上げる店舗もあります。

いずれの方法を選ぶにしても、ここで注意すべきなのは「評価基準が変わると結果(選ぶ店舗)が変わる」ということです。このようにビジネスでは、数字やデータをもとに考えても明確な優劣が付けにくいシチュエーションがたびたび訪れます。

では、納得感のある基準や目標を設定できるようになるためには、何を学べばいいのでしょうか。その答えが弊社の研修でお伝えしている「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力ーー数字力」です。

弊社の研修プログラムは、受講者のレベルや役職に合わせて「入門編」から「実践編」の4段階をご用意しておりますので「昔から数学やデータが苦手で……」といった数字に苦手意識を持つ方でも安心してステップアップしていくことができます。 弊社の「ビジネス数学研修」について「もっと詳しく知りたい!」と思っていただけましたら、お気軽に以下のリンクからお問い合わせください。