タイムマネジメントとは 方法や上手い人の特徴を解説
タイムマネジメントとは、日々の時間の使い方を改善することで、生産性の向上を目指すマネジメント手法です。
その方法としては「目標の明確化」「やることの優先順位付け」「行動の最適化」などが挙げられ、タイムマネジメントが上手い人は「集中できる環境を作っている」「最新の技術にアンテナを張る」「即断即決ができる」といった特徴を持っています。
今回は、タイムマネジメントとは何かを解説したうえで、その方法やタイムマネジメントが上手い人の特徴について解説していきます。
タイムマネジメントとは
タイムマネジメントとは、日々の時間の使い方を改善することで、生産性の向上を目指すマネジメント手法です。
時間が有限であることは言うまでもありませんが、働き方改革によってビジネスに当てられる時間はシビアに管理されるようになりました。そんな環境で成果を上げるには、より洗練された時間の使い方が求められるため、タイムマネジメントへの関心が高まっています。
タイムマネジメントの方法・やり方
タイムマネジメントのテーマは「いかに効率的に時間を使うか」であり、適切なアプローチや方法論が存在します。ここでは、そんなタイムマネジメントの方法・やり方について解説していきます。
目標の明確化
タイムマネジメントに取り組む際にまず行うべきなのが、目標の明確化です。
自分に与えられた役割や組織として解決すべき課題などを目標として掲げて、それは何を持ってゴールとなり、いつまでに達成すべきなのかを明確に定めましょう。これが後の工程で欠かせない指針となります。
やることの優先順位付け
「目標の明確化」が済んだら、タイムマネジメントの核心となる「やることの優先順位付け」を進めていきましょう。まずは自分が抱えているタスクを洗い出し、目標達成に向けた「重要度」と納期・締め切りなどの「緊急性」の尺度で評価してみるとよいでしょう。
それぞれのタスクを「重要度」と「緊急性」で評価していけば、自然と「重要度」と「緊急性」が共に高いものが最優先のタスクとして浮かび上がります。次に、重要度はさほど高くないが緊急性が高いタスクを処理する……という流れで優先順位を付けていけば、タイムマネジメントを実践できるはずです。
ただ、優先順位は「重要度」と「緊急性」だけで格付けできない場合もあります。例えば、新規営業のアポイント先を決める際は、緊急性に優劣がない場合が多く、重要度も「受注確度」などに置き換えて優先順位を決める必要があります。いずれにしても、評価基準を明確にして優先順位を定めることが大切です。
行動の最適化
「やることの優先順位付け」と並行して「行動の最適化」にも取り組みましょう。タイムマネジメントにおける行動の最適化とは、それぞれのタスクに対する「捨てる、まとめる、任せる」といった対応を指します。
例えば、成果の乏しいタスクは思い切って廃止（捨てる）してしまうことで、より重要度の高いタスクに注力しやすくなります。同様に、可能であるならアウトソーシング（任せる）を検討することも効果的です。
また、タスクをまとめることによって、効率的に時間を使うことも大切です。例えば「重要度の高い外回りのついでに、郵便局へ行くといった雑務を組み合わせる」などが挙げられます。
他にも仕事によっては他部署に根回しをしておくことで、その後の仕事がスムーズに進む場合が多々あります。事前調整や下準備は緊急度・重要度の尺度では評価しにくいですが、タイムマネジメントに欠かせない取り組みなので、タスクの順番についても検討するとよいでしょう。
スケジュールの組み立て
「行動の最適化」まで済んだら、具体的なスケジュールを組み立てていきます。ここでのポイントは「タスクの細分化」と「バッファ（余裕）を持たせること」です。
まずタスクの細分化ですが、例えば「アポイントを取る」というタスクがあった場合、実際にこれを実行するためには「事前リサーチ」や「メール文面の作成」といった作業が必要となります。こうした細分化を行っておかないと、後々のスケジュールのズレに直結してしまうので注意しましょう。
次に、バッファ（余裕）です。スケジュールに余裕を持たせることは効率的な時間の使い方に反するように思えますが、ビジネスシーンでは往々にして予期せぬトラブルや割り込みのタスクが舞い込んできます。不測の事態にも対応できるバッファを持たせておくことで、計画の破綻の防止につながります。
振り返り
最後に、必ず振り返りを行いましょう。具体的には、あらかじめタスク処理にかかる時間を想定しておき、実際に要した時間を比較します。想定した時間と実際の所要時間に乖離がある場合は、その原因を分析しましょう。
仮に「想定よりも関係各所の確認に時間がかかる」が原因だとしたら、「事前にアポイントを取って、確認の時間を確保しておいてもらう」といった対策を立てることで、次回以降の取り組みがより効率的になります。
逆に、想定よりも所用時間が短い場合は、その浮いた時間を別のタスクに割り振ることができます。このように振り返りは、タイムマネジメントを洗練させるために欠かせない取り組みとなります。
タイムマネジメントが上手い人の特徴
時間は誰しも平等に与えられるものですから、その使い方にも人によって優劣が出てきます。では、タイムマネジメントが上手い人にはどのような特徴があるのでしょうか。それぞれ解説していきます。
タイムマネジメントをスキル・知識と認識している
タイムマネジメントが上手い人に共通する特徴として、「タイムマネジメントをスキル・知識として認識していること」が挙げられます。
時間にルーズな人のなかには「性格が原因なので仕方ない」と諦めている方も少なくないでしょう。しかし、ここまで説明したとおり、タイムマネジメントには「方法」があります。つまり、その方法を学び、実践できるかが大きな差となるのです。
例えば「行動の最適化」を行うにも、アウトソーシングの知識や根回しをするためのコミュニケーション能力などが必要となります。この事実に気付き、タイムマネジメントに必要なスキル・知識を磨いている人こそ「タイムマネジメントが上手い人」なのです。
集中できる環境を作っている
タイムマネジメントが上手い人は、集中できる環境を作ることに注力しています。
例えば、タイムマネジメントが上手い人がよく朝活を取り入れていますが、朝活は「脳がフレッシュな状態で、他の人に話しかけられることもない」という環境を作ることができるので、集中して作業に取り組めます。
また、現代人の時間管理の天敵であるスマホの扱い方も、集中できる環境作りの重要なテーマといえるでしょう。スマホは使途不明時間（意味や目的がはっきりしない無駄な時間）を作り出す原因となるため、スマホを遠ざける工夫もタイムマネジメントには欠かせません。
最新技術にアンテナを張る
タイムマネジメントが上手い人は、最新技術にアンテナを張っています。web会議ツールの登場によって「移動」を省略できたように、新たなツールはタイムマネジメントを劇的に改善する可能性を秘めています。
とくに近年は、生成AIの活用が最大の関心となっています。情報収集や資料作成、定型業務の自動化など、AIの活用によってタイムマネジメントにも大きく差がつくため、最新技術へのアンテナは広く張っておいたほうがよいでしょう。
即断即決ができる
タイムマネジメントが上手い人の多くは、即断即決ができます。熟考することは悪いことではありませんが、答えが出ない問題をだらだらと悩んでしまうのは、様々な遅れの原因となってしまいます。
性格に左右される部分は大きいですが、「自分のなかで確固たる評価基準を確立する」「複数の相談先を確保しておく」といった対策を講じることでも意志決定力を高めることができます。
自分の能力を理解している
タイムマネジメントが上手い人は、共通して自分の能力をよく理解しています。作業時間の想定がその典型で、想定時間と実際に要した時間の乖離が少ないほどスケジューリングも上手くなります。
これは「即断即決ができる」にも共通しており、自分が優柔不断だと理解していれば、事前に対策を講じやすくなります。向き・不向きを含めて、自分に対する客観的な評価が正確なほど、タイムマネジメントの正確性も増していくでしょう。
数字力でタイムマネジメントの優先順位付けが上手くなる
タイムマネジメントの核心である「やることの優先順位付け」ですが、感覚的に優先順位を付けていると失敗のリスクが高まります。人には確証バイアスで見られるように、聞き心地の良い情報ばかりを集めて、都合の悪いことを遠ざけてしまう傾向があるからです。
ですから優先順位を決める際は、定量的な評価指標を設けることが大切です。ただ、数字やデータを参考にすれば正確な優先順位が決められるかといえば、そう単純でもありません。
例えば、下の表は弊社の「ビジネス数学研修」で出題している課題で、「この5店舗のなかから優秀店をひとつ選び、報奨金を与えるとします。あなたはどの店舗を選びますか」というものです。
上の表から優秀店を選ぶ際には、以下のような評価基準が考えられます。
・売上が一番高い店舗
・従業員が効率的に働いている店舗
・店舗面積で効率的に売り上げている店舗
単純に「最も売上高の良い店舗」で選ぶと、従業員数や総床面積で劣っている店舗が不利になりそうですよね。とはいえ現実には、都心の一等地のように総床面積や従業員数で劣っていても高い売上を上げる店舗もあります。
このようにビジネスでは、数字やデータをもとに考えても明確な優劣が付けにくいシチュエーションが多々あるわけです。
いずれの方法を選ぶにしても、ここで注意すべきなのは「評価基準が変わると結果（選ぶ店舗）が変わる」ということです。「やることの優先順位付け」も同様で、何を基準にするかで格付けが変わってしまいます。
では、効果的な優先順位付けができるようになるためには、何を学べばいいのでしょうか。その答えが弊社の研修でお伝えしている「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力ーー数字力」です。
弊社の研修プログラムは、受講者のレベルに合わせて「入門編」から「実践編」の4段階をご用意しておりますので、「昔から数学やデータが苦手で……」といった数字に苦手意識を持つ方でも安心してステップアップしていくことができます。
なお、個人で「数字力を身につけたい！」という方には、弊社が運営するオンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」をおすすめしております。サロンでは時事ネタなどをテーマとして、楽しみながら数字やデータに触れてスキルアップできる環境が整っていますよ。
弊社の「ビジネス数学研修」や「社会人の数字力向上サロン」について、少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。「もっと詳しく知りたい！」と思っていただけましたら、お気軽に以下のリンクからお問い合わせください。
