良い指示を出すための6つの条件 指示出しを学ぶ重要性とは

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指示出しは業務における最初の一歩ですが、意外と「指示を出す」という機会は、部下を持つまで経験しないものです。そのため、良い指示の出し方を知らないまま、上司の立場に就いてしまう方は少なくありません。

上司が良い指示を出せれば、組織全体の生産性が向上するだけでなく、部下の成長効率も高まります。逆に指示の出し方が悪いと、業務の停滞や失敗を招き、その負担は上司自身に返ってきてしまいます。

今回は、指示の出し方を学ぶ重要性を確認したうえで、良い指示の出し方の条件について解説していきます。

指示の出し方を学ぶ重要性

指示の出し方を学ぶことにより、組織全体での生産性向上につながります。上司の指示の出し方が的確であれば、部下は未経験の業務であってもスムーズに進行できます。

上司・部下ともに余計なストレスを感じずに済むだけでなく、的確な指示出しはノウハウの継承や成功体験の獲得につながります。結果的に、部下の成長効率を高めることにもなるでしょう。

逆に指示の出し方が悪いままでいると、業務の停滞や失敗を招き、結果的に上司自身にその負担がのしかかってきます。負担が増えれば指示の出し方も雑になり、また停滞や失敗を招くという負のスパイラルに陥ってしまいます。

指示の出し方を学ぶ機会は少ない

指示出しを経験する機会は、部下を持つまであまりありません。部活動やサークルなどで中心的な立場にいた人なら経験しているはずですが、誰しもがそうした経験を持つわけではありません。

その一方で、多くの人は自身に指示出しの経験があると錯覚しがちです。誰しも「人に何かを頼む・お願いする」という経験があるため、自然に指示を出した経験があると思い込んでしまうのでしょう。

しかし、ビジネスにおける指示は、日常のお願いや頼みとは若干異なる部分があります。

例えば「自身と相手が対等な関係ではない」「相手への理解度が浅い」「相手が方法や背景を全く理解していない場合がある」などが挙げられます。そんな相手に一から十までを説明し、しっかりとこちらの意図を理解させるのは、実はテクニックや経験を要することなのです。

まずは自身の経験から振り返り、指示出しの経験、とくに成功体験があるかを思い返してみましょう。もしそうした経験がないのなら、改めて指示の出し方を学んでいくべきです。

良い指示を出すための6つの条件

指示の出し方を学ぶのであれば、良い指示とはどういうものなのかを理解していく必要があります。ここでは、良い指示の出し方の条件について解説していきます。

目的・意図を伝える

良い指示の出し方の最初の条件として、業務の目的や意図を伝えることが挙げられます。

誰しも一度は「この作業は何のためにやっているのだろう」と疑問に感じ、モチベーションが低下した経験があるのではないでしょうか。目的や意図がわからない指示は、それだけでやる気を奪ってしまいます。

指示を出す際は「言わなくてもわかるだろう」と決めつけず、業務の目的や意図を共有しましょう。また、ゴールが明確であれば、業務の途中で迷うことがあっても方向性を見失うことはなくなるため、大きな失敗を防ぎやすくなります。

定量的な目標や基準を用意する

指示を出す際には、できるだけ定量的な目標や基準を用意しましょう。

「次の会議の資料を良い感じにまとめておいて」といった抽象的な言い回しで済ませてしまうのは、典型的な悪い指示です。何をもって良い感じとするかは個人によって異なりますし、どれくらいの量を、いつまでに作成すればいいかも伝わりません。

その点、指示に数字を盛り込むことで、共通認識が生まれて伝わりやすさが大きく向上します。どんな指示にも付け加えることができるのは「いつまでに(期限)」「どれくらい(量)」です。

「来週の火曜日までに、次の会議の資料をA4用紙2枚以内でまとめておいて」と言い換えれば、指示の内容もだいぶ具体的になります。また、定量的な目標・基準があれば、進捗状況を把握しやすくなるというメリットもあります。

相手の経験やスキルを考慮する

良い指示出しの条件として欠かせないのが、相手の経験やスキルを考慮することです。指示(業務)の達成可能性まで考えて、無理難題を押しつけないようにすることが的確な指示出しへとつながります。

ただ、達成可能性を考慮するあまり簡単な指示ばかり出していると、部下の成長につながらないだけでなく、「仕事ができないと侮られている」と勘違いされて関係性が悪化する恐れもあります。

部下の経験値によって期限を調整したり、育成も兼ねて少しレベルの高い業務を任せてみたりと、相手によって指示の内容をカスタマイズすることがポイントです。

キャリア観を踏まえて適材適所に

「相手の経験やスキルを考慮する」とも密接に関わりますが、指示出しの際は部下のキャリア観を踏まえて、適材適所の配置になるよう心がけましょう。

近年は働き方が多様化し、誰しもが同じ場所を目指す時代ではなくなっています。「プライベートを重視したい」「成果を上げてお金を稼ぎたい」といった、それぞれのキャリア観に合わせて指示を出すと、部下のモチベーションも上がって生産性が向上します。

なお、適材適所の配置については「人員配置とは 最適化のステップと考え方」で詳しく解説しています。

関連記事:「人員配置とは 最適化のステップと考え方」

口頭指示と文書指示を使い分ける

指示の出し方が上手い人は、口頭指示と文書指示を意識して使い分けています。

口頭指示は「その場で伝えられる」「相手の反応を確認できる」といったメリットがある一方、指示内容が複雑になるほど思い違いや記憶漏れが起きやすくなります。また記録に残らないため、責任・問題の所在が曖昧になることもトラブルにつながりがちです。

対して文書指示は「何度も繰り返し確認できる」「記録に残る」「図表などを用いることで複雑な行程も指示しやすい」といったメリットがありますが、「相手が指示にしっかりと目を通したかわからない」「文書を作るのにも手間と時間がかかる」といったデメリットがあります。

口頭指示、文書指示の特徴を活かして併用することで、的確な指示が実現するのです。

聞き直しを受け入れる姿勢を見せる

指示を出す際には、聞き直しを受け入れる姿勢を見せることが大切です。一度言ったことを確認されるのはストレスに感じるかもしれませんが、そこはひとまず「自身の説明に不備があった」と受け入れましょう。相手が萎縮してしまい、確認できないまま失敗するほうが大きなリスクとなるからです。

とくに上司と部下の関係性が構築できていないうちは「聞き直すことで評価が落ちるのでは、怒られるのでは」と考えてしまい、聞き直すにも勇気が必要となります。指示を出す際は「わからないことはいつでも確認してほしい」と言い添えることを習慣化するとよいでしょう。

指示を出す際にやってはいけないこと

良い指示の条件と合わせて、指示を出す際にやってはいけないことを知っておくことも大切です。

一度にたくさんの指示を出す

指示出しの際にやってはいけないことの代表として「一度にたくさんの指示を出す」が挙げられます。実はそもそも人間の脳の容量的に、一度にたくさんの指示を出しても記憶できないのです。

ミズーリ大学教授のネルソン・コーワンの研究によれば、人間の情報を整理する際の短期記憶は、3~5つほどしか容量がないとされます。これは「マジカルナンバー4」と呼ばれ、プリンストン大学教授のジョージ・ミラーが1956年に提唱した「マジカルナンバー7」がもとになっています。

つまり、部下にとって未知の情報を伝えるときは、多くとも4つまでに止めて指示を出す必要があるというわけです。

指示を投げっぱなしにする

指示を投げっぱなしにしていると、業務の遅延や失敗につながります。とくに口頭指示だけの場合、「指示内容を忘れている」「内容を勘違いしている」といった可能性もあるので注意しましょう。

また、適度なタイミングで部下の進捗を確認することは、遅延や失敗を防ぐだけでなく、部下のスキルを把握するうえでも役立ちます。

定量化した指示出しを身につけるなら「ビジネス数学研修」

良い指示を出すための条件でも解説しましたが、指示や提案のなかに数字・データを用いることで抽象的な表現が減り、共通認識が得られやすくなります。

しかし残念ながら、すべてのビジネスパーソンがうまく定量化を行えるわけではありません。例えば「A4用紙2枚以内」と聞いても、具体的にその量をイメージできる人とできない人がいます。いわゆる「数字に弱い人」は、総じて数字からイメージすることが苦手です。

こうした数字を把握する力や、数字を用いて表現する力が「数字力」であり、これらを学ぶための研修が「ビジネス数学研修」なのです。

「ビジネス数学研修」というとテクニカルスキルが連想されがちですが、弊社オルデナール・コンサルティングでは「数字を用いたコミュニケーション」を身につけることに重きを置いています。

研修プログラムは日々のビジネスシーンを想定して作成していますので、実践的な「数字力」が身につき、自然と数字を活用できるビジネスパーソンへと成長できます。 「部下に的確な指示を出せない」「社内コミュニケーションの質を上げたい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修プログラムをご検討ください。

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