売上予測とは 計算方法や実施するメリットを解説

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売上予測とは、各種のデータをもとにして将来の売上を予測する取り組みです。売上予測を行うことで「適正在庫の実現」「資金繰りの安定」「投資の最適化」などのメリットがあります。

基本の計算方法は「前年の売上×成長率」とシンプルですが、実際には売上データだけではなく、様々なデータを活用して予測精度を高めていくことが求められます。

今回は売上予測について、計算方法や必要なデータ、実施するメリット、精度を上げるためのポイントなどを解説していきます。

売上予測とは

売上予測とは、各種のデータをもとにして将来の売上を予測する取り組みです。活用するのは過去の売上データだけではなく、社会情勢や市場の動向なども含まれます。

売上予測は財務管理や人員リソース確保などに活用されるほか、上場企業では投資家に対する説明義務もあります。

売上予測の計算方法

売上予測の計算方法として最もシンプルな方法が、過去の実績に基づく計算です。計算式は以下のように表されます。

売上予測=前年の売上(または過去数年の売上平均)×(1+成長率)

例えば、前々年の売上が100万円で、前年の売上が150万円の場合、成長率は50%と導き出すことができます。これを上の計算式に当てはめると、以下のようになります。

150万円×150%=225万円

もちろん、この計算式は月単位の売上予測にも当てはめることもできますが、月ごとの売上の変動が大きい事業の場合は年単位で計算するのがおすすめです。

なお、これはあくまでも最も単純な計算式であり、実際には下で解説する様々なデータを考慮して計算し、予測精度を高める必要があります。

売上予測に必要なデータ

売上予測を行うためには、できるだけ多くの客観的なデータを集める必要があります。データが多角的になるほど、予測の精度も向上していくからです。

以下、売上予測を行う際に集めておきたいデータの例をご紹介します。

〈売上予測に必要なデータの例〉

・商品、期間、顧客別の売上高

・見込み客や案件数

・商品、サービス別のコンバージョン率

・リードタイム

・サービスの平均契約期間

・解約率

事業形態によってデータの重要度は異なるので、自社にとって必要なデータを収集・分析しましょう。

売上予測と売上目標の違い

売上予測と売上目標は混同して扱われる場合がありますが、両者は明確に区別して扱わなければいけません。

そもそも売上目標とは、一定期間のなかで達成を目指す売上値のことです。売上目標も上で挙げた「売上予測に必要なデータ」をもとに算出されるものではありますが、組織・従業員の成長などを加味した希望的観測も含まれます。

つまり、売上予測を行ったうえで、期待値を付与したものが売上目標といってもよいでしょう。その点で売上予測は「現実的に達成する数値」として設定するものなので、客観的に公平な数値を導き出さなければいけません。

売上予測を行う意味やメリット

売上予測を行うことで「適正在庫の実現」「資金繰りの安定」「投資の最適化」「売上目標の設定」などの役に立ちます。それぞれ解説していきましょう。

適正な在庫・人員リソースの実現

売上予測は適正な在庫・人員リソースの実現に欠かせません。売上予測が正確であるほど、実際のニーズと想定した在庫・人的リソースの乖離が少なく済むからです。

精度の高い売上予測によって「必要以上の在庫を抱えない」「人手不足で商機を逃さない」などが実現できれば、非常に健全な経営につながります。

資金繰りの安定

売上予測を行うことで、資金繰りの安定につながります。逆にいえば、売上が予測より大幅に下回ると経営破綻を招く恐れがあるわけです。

ビジネスを推進するためには、人件費や家賃、仕入・外注費など、いくつもの支出が必要となります。これらは売上から確保されるものですが、その売上の予測が甘いと支出が超過し、資金が枯渇して経営状態の悪化を招きます。

売上予測の精度を高めて資金繰りのリスクへの対策を講じておくことで、経営の安定へとつながるのです。

事業のための投資の最適化

各種予算を最適化するためにも売上予測が必要となります。上の解説のとおり、ビジネスを行うためには様々な支出が発生しますが、そのなかには人材育成や広告宣伝といった事業のための投資も含まれます。

こうした投資にどれだけの予算を割くことができるかは、やはり売上予測の結果に左右される部分があります。つまり売上予測の正確性は、組織としての成長にも影響するわけです。

現実的な売上目標の設定

正確な売上予測を行うことで、売上目標も現実的に達成可能な数値を設定できるようになります。

「売上予測と売上目標の違い」で解説したとおり、売上目標は売上予測の結果をもとにして設定されます。土台となる売上予測が不正確だと、そのうえに期待値が加算されることで現実から乖離した目標となってしまいます。

こうした非現実的な売上目標は従業員のモチベーションの低下につながるため、売上予測の正確性が求められるわけです。

売上予測の精度を高めるためのポイント

最後に、売上予測の精度を高めるためのポイントをお伝えしていきます。

客観的なデータを用いる

売上予測を行う際の原則は、客観的なデータを用いることです。売上予測を狂わせる最大の原因は主観的な意識であり、売上目標と混同して期待を込めてしまう事例は少なくありません。

売上予測を導き出す際は、実際の売上や平均単価、市場の成長率といった客観的なデータだけ用いることを徹底しましょう。

組織全体でルールを統一する

売上予測に関する対応は、組織全体でルールを統一しましょう。例えば、部署によって「この案件は必ず成功させる」といった根性論で受注確度を設定していては、売上予測の精度が落ちてしまいます。

同様に、ある部署ではツールAを活用しているのに、別の部署ではツールBを用いているといった対応の違いも、予測の精度を落とす原因となります。

こうした問題を防ぐためには、組織全体で共通のフォーマットを用意するなど、ばらつきを防ぐ取り組みが求められます。

複数パターンの予測を用意する

売上予測は「低調時」や「好調時」など、複数パターンを用意しておくと安心です。

売上予測はどれだけ精度を高めても、予期せぬ外部要因によって大きく予測が外れてしまう場合があります。とくに近年は国際紛争やAIによる技術革新などの影響によって、市場に予期せぬ変動が立て続けにもたらされています。

とくに何らかのアクシデントに見舞われてしまったときに備えて、リスクヘッジとして低調時の売上予測を準備しておくことが大切です。

予測と実績の差を検証する

売上予測の精度を高めるために欠かせないのが、予測と実績の差を検証することです。

売上予測は外部要因からも大きく影響を受けるため、完璧な予測を立てることはできません。しかしそこで諦めるのではなく、予測の精度を上げるために実際の売上と予測値の差がなぜ生じたのか分析していくことが大切です。

この検証作業を続けることで知見が溜まり、予測の精度も確実に向上していくでしょう。

ツールの活用

売上予測の精度を高めるためには、SFAツール(営業支援システム)を活用することも必要となります。

近年はAIを搭載し、人間の主観的な意識を排した予測を行ってくれるツールも登場しています。とくにデータが蓄積するほどExcelなどによる手動の売上予測は負担が重くなるため、人的リソースも鑑みて導入を検討するとよいでしょう。

売上予測の精度を上げたいのなら「ビジネス数学研修」

売上予測を行う際には、社内の様々なデータを収集する必要があります。しかし、社内にデータ活用の意識が根付いておらず、思うように現場からデータを回収できないといった問題に直面する企業は少なくありません。

また、客観的なデータを集めるのも、意外と難しいものです。全社的にデータに対する理解が深まっていないと、主観の入り込んだデータが作成されてしまうからです。売上予測においては、とくにリードタイムなどは各人の理想が含まれやすいので注意しましょう。

このようなデータ分析以前の段階で課題感を持つ経営者さん・担当者さんは多いと思いますが、意外とこの課題を解決するのは難しいものです。世間の研修機関が提供するカリキュラムはデータサイエンティストなどの専門職を目指すものばかりが目立ち、「数字やデータに対する意識」から学ぶことができる研修は少ないからです。

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