求心力とは 求心力のある人の特徴や高め方を解説

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求心力とは、他人を引きつけて「この人と共に行動しよう」と思わせる力です。遠心力の高まり(人材を会社に繋ぎ止めておく力が弱まった)により、リーダーに求心力を求める動きが高まっています。

求心力のある人の特徴としては「一貫性がある」「行動力がある」「安定したメンタル」などが挙げられます。

今回はビジネスにおける求心力と遠心力、求心力のある人の特徴や求心力を高めるスキルについて解説していきます。

求心力とは

求心力とは、他人を引きつけて「この人と共に行動しよう」と思わせる力のことです。

もともと物理学において「円運動をしている物体が受ける、円の中心に向かって働く慣性力」を意味する言葉であり、そこから転じて「周囲を引きつける力」として一般的に用いられるようになりました。

ビジネスシーンにおいてはリーダーの要件としてよく挙げられますが、何が求心力を生むのかまで考えられているケースは稀です。「求心力のある人とはどのような人物か」を言語化しておかないと、この要件を満たすことはできないでしょう。

ビジネスにおける遠心力の高まり

リーダーの要件として求心力が重要視されるようになったのは、ビジネスにおいて遠心力が高まったからだと言われています。遠心力とは「円運動をしている物体が受ける、円の中心から遠ざかろうとする慣性力」のことで、水の入ったバケツをぐるぐる回しても水が溢れない実験でも有名です。

ビジネスにおいては、終身雇用制度の崩壊、人材の流動化、人生100年時代などを背景として「人材を会社に繋ぎ止めておく力が弱まった=外に向かっていってしまう」という意味合いで、遠心力という言葉が用いられています。

つまり、ひとつの組織でキャリアを終えることが当たり前ではなくなったため、リーダーの求心力で人材を繋ぎ止めることがより重要になったわけです。

求心力のある人の特徴

「求心力を高めたい」「求心力のある人を次のリーダーにしたい」と考えるなら、求心力のある人の特徴を理解する必要があります。

一貫性がある

求心力のある人は一貫性があります。明確な目標やビジョンを持っていると言い換えてもいいでしょう。

「言動がコロコロと変わる人」「どこに向かっているのかがわからない人」に付いていきたいと思う人はいませんよね。明確な目標を掲げ、真っ直ぐと達成に向けて進んでいくことで初めて共感や賛同が得られるわけです。

ただもちろん、ビジネスでは最初の取り組みで成功できるとは限りません。そこで大切なのが一貫性であり、手段やロードマップが変わっても進む方向は一貫していることが求心力へとつながっていきます。

行動力がある

求心力を形成する重要な要素として、行動力が挙げられます。山本五十六の名言でもまず「やってみせ」が挙がるように、自らの行動で示すことが大切です。

逆に、口だけで行動に移さない人はだんだんと信頼を失っていきます。求心力を高めていくためには、言葉だけでなく行動で示すことが求められるのです。

責任感がある

求心力のある人は共通して責任感があります。これは単に「最後まで仕事をやりぬく」だけでなく、社会的責任を含みます。誠実さと言い換えてもよいでしょう。

「利益を優先して、顧客の不利益になるような仕事はしない」「目上の人だけでなく部下との約束も守る」といった責任感を示すことで、自然と周囲の人も「この人に付いていこう」と考えるようになるでしょう。

自己開示をする

求心力を構成する意外な特徴として、自己開示をすることが挙げられます。

自己開示をしない人に対しては「何を考えているかわからない」「私のことが嫌いなのかな」といったネガティブな感情を持ちやすくなります。底が見えないことは駆け引きなどで利点となる一方、部下や同僚を引きつけるという点ではマイナスに作用してしまうわけです。

また、人には「返報性の原理」という、相手から何かを受け取ったときにお返しをしなければいけないと感じる心理的傾向があります。自己開示をすることで相手も「腹を割って話そう」という心理になり、心の距離が近づきやすくなるでしょう。

周囲をよく見ている

求心力を持っている人は、周囲をよく見ています。タスクが重なって忙しそうな人を手助けしたり、陰で努力している人に気付いたりと、周囲の変化にいち早く気付きます。

こうした観察眼を持っている人に対して「この人は自分のことをよく見てくれている」と、信頼感を持った経験が一度はあるのではないでしょうか。これを誰に対してもできる人こそ、求心力のある人なのです。

わかりやすい表現ができる

わかりやすい表現ができることも、求心力のある人の特徴として挙げられます。

ビジネスシーンにはよく、抽象的な精神論を掲げたり、専門用語・ビジネス用語を多用したりする人がいます。こうした表現はディスコミュニケーションを招きやすく、ビジネスにおいてあまり正しい表現とはいえません。

その点で求心力のある人の多くは、誰が聞いてもわかりやすい表現力を身につけています。誤解のない指示や報告ができることは、求心力を生み出すための基本といえるでしょう。

安定したメンタル

安定したメンタルは、求心力のある人の特徴として最も重要な要素かもしれません。

上司・リーダーが日によって態度が異なる人だったり、気分によって対応の差が大きかったりすると、報告・相談がしにくいですよね。いくら能力が高くとも、メンタルが不安定で態度に出る人だと信用を得ることができません。

さらに言うなら、こういったリーダーは周囲のマネジメント以前に自分のマネジメントができていないと言えるでしょう。忙しいときでも、大きなトラブルに見舞われたときでも、常にどっしりと構えている人にこそ求心力が宿ります。

求心力を高めるためのスキル

求心力を高めるためには、具体的にどのようなスキルを学んでいけばよいのかについて解説していきます。

コーチングスキル

コーチングスキルを身につけることによって、部下からの求心力を大きく高めることができます。

コーチングとは、対象者の成長や気力の向上を促しながら、目標達成に向けてサポートを行う手法のこと。その取り組みは「双方向(インタラクティブ)」「個別対応(テーラーメイド)」「現在進行(オンゴーイング)」の3つによって構成され、相手の考え方をくみ取り、自主性を尊重することがポイントとなります。

コーチングは部下のマネジメントの本質といっても過言ではなく、リーダーとして求心力を高めていきたいのであれば、まず学ぶべきスキルといえるでしょう。

傾聴力

傾聴力はコーチングスキルを形成する要素でもあるため、求心力を高めるために欠かせない技術といえるでしょう。

そもそも傾聴力とは、ただ話を聞くだけではなく表情や仕草まで観察し、相手の真意や感情を汲み取るスキルのこと。前述の「周囲をよく見ている」にもつながる力であり、傾聴力を身につけることで部下や同僚からの報告・相談が活発になり、周囲からの信頼感も大きく高まるでしょう。

セルフマネジメント

「安定したメンタル」で解説したとおり、求心力を高めるためにはセルフマネジメントも必要です。

セルフマネジメントとは、目標達成や自己実現のために思考や感情、体調などを管理すること。かのピーター・ドラッカーも「自分を管理できない人が、他人を管理することなどできない」と、セルフマネジメントの重要性に言及しています。

セルフマネジメントの具体的な取り組みとしては「精神論を切り離す」「報酬の設定」「睡眠時間の確保」などが挙げられます。なお、セルフマネジメントのやり方については「セルフマネジメントとは やり方やできない原因について解説」で詳しく解説しています。

求心力の向上にもつながる「ビジネス数学研修」

求心力のある人の特徴として「わかりやすい表現ができる」を挙げましたが、これを実践するためにはコミュニケーションに「数字」を用いることが非常に有効です。

例えば「なるべく早く会議の資料をまとめておいて」という指示は、わかりやすい言葉だけで構成されていますが、具体的にいつまでに資料を作ればいいかがわかりませんよね。こうした抽象的な言い回しは、数字を用いて「20日の15時までに」と表現することで、誰が聞いても誤解のない表現になります。

また、これは「一貫性がある」で解説した明確な目標にも共通することであり、定量的な目標を設定することで共通認識を持ちやすくなります。

実はこうした数字を活用したコミュニケーションは、弊社がご提供する「ビジネス数学研修」で大切にしていることの一部。ビジネス数学というとテクニカルスキルの向上を目指すと思われがちですが、コミュニケーション研修の一環としてもご活用いただいており、日々のビジネスシーンで活きる実践的なスキルを磨く研修となっております。

もちろん研修内容はコミュニケーションだけでなく、数字を用いた意思決定や実務で活きる統計の基本スキル、一般職向けの財務諸表の読み方など、全9種類の研修コンテンツをご用意しております。 「部下が納得する目標を設定したい」「指示や提案で効果的に数字を活用したい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修をご検討ください。