物の見方とは 見方を変える7つの方法を解説

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物の見方は「主観」であり、悪い意味では「固定観念」と言われることもあります。物の見方を変えることで成功につながることも多く、その方法は大きく7つに分けられ「視点を変える」「時間軸を変える」「入手先を変える」などが挙げられます。 今回は物の見方について、バイアスの影響や物の見方を変える方法などを解説していきます。

物の見方とは

物の見方とは「主観」であり、それ自体がひとつの個性ともいえます。ただ、悪い意味では「固定観念」と言われることもあり、ときには物の見方を変えることも大切です。

ビジネスにおいても、物の見方を変えることで成功につながることは多々あり、優秀なビジネスパーソンほど柔軟な物の見方を身につけています。部下を持つ方なら、一度は「物の見方を変えてみよう」と指導した経験があるのではないでしょうか。

つまり、物の見方は個性として尊重することも大切な一方で、ときには180度切り替えることも必要となるわけです。

物の見方とバイアス

物の見方に深く関わる作用として、バイアスが挙げられます。バイアスは「先入観・偏見」「傾向の偏り」といった意味で、人間が意志決定を行う際に少なからず生じてしまうものです。

バイアスのなかでも一般的によく知られているのが、正常性バイアスでしょう。災害時などに「自分だけは大丈夫」と感じてしまうのが正常性バイアスの典型で、これは異常な場面に直面した際に心理的な安定を保つために表れます。

バイアスは過去の経験などを参考にしつつ、迅速かつローコストで判断する脳の作用であり、それ自体は決して悪いものではありません。しかし、正常性バイアスの例のように、物の見方を意識して変えないと、ミスやトラブルの原因にもなります。

なお、バイアスについては「ビジネスにおけるバイアスの種類とその対策」でも詳しく解説しています。

関連記事:「ビジネスにおけるバイアスの種類とその対策」

物の見方の変える7つの方法

物の見方の変え方は、大きく分けて7つあります。それぞれ見ていきましょう。

視点を変える

物の見方を変える際の代表例ともいえるのが、「視点を変える」です。悩みや課題について、「彼は私の言葉を聞いてどう思っただろう」「消費者の立場ならどう見えるだろう」と自分以外の誰かの視点になってみることで、新たな気づきが得られます。

受け止め方を変える

受け止め方を変えてみることも、物の見方を変える定番といえるでしょう。

受け止め方を変えることがよく推奨されるのが「失敗」です。失敗をそのまま受け止めて落ち込むのではなく、「これで次のトライでの成功確率が上がる」「成長の機会になった」とポジティブに受け止めることで、物の見方が180度変化します。

時間軸を変える

物の見方を変える方法として、時間軸を変えることも一般的な手法です。誰しも無意識に時間軸を変えているのが、探し物をするときでしょう。財布や携帯電話が見あたらないとき、「さっきまで手に持っていたけど、手を洗っているときに脇に置いたから……トイレかな」と、過去の行動を遡っているはずです。

このように、目の前の光景からではなかなか正解にたどり着けないことも、時間軸を変えることで簡単に正解にたどり着ける場合があります。

行動を変える

物の見方を変えるためには、いつもの行動を少し変えてみることも効果的です。帰り道を変えて知らない店を見つけたり、近道を見つけたりと、行動を変えて発見を得たという経験は誰しも一度はあるでしょう。

ビジネスにおいても同様で、今まで当たり前に用いてきた方法論やツールを変えてみることで、新たな発見が得られる可能性があります。

入手先を変える

物の見方を変えるためには、情報の入手先を変えることも大切です。情報が氾濫する現在ですが、多くの人は情報の入手先が偏っています。SNSの情報だけを信じる人や、ワイドショーの情報を鵜呑みにする人ばかりが問題視されますが、「自分は偏らずに情報を入手している」と断言できる人がどれほどいるでしょうか。

情報の入手先を変えるだけで、ぱっと新たな物の見方を獲得できる場合があります。情報化社会に生きる我々にとって、「入手先を変える」が最も大切な心がけといえるかもしれません。

前提を変える

物の見方の変え方として最も難しいのが、前提を変えることでしょう。「常識を疑う」と言い換えることもできます。

爆発的なヒット商品も、最初は「そんなものが売れるはずがない」と思われていたものが少なくありません。前提を変えることには、イノベーションを起こす可能性が秘められているわけです。

とはいえ、固定観念を覆すことは容易ではなく、ゼロベースで検討し直すことで余計な金銭的・時間的コストも発生します。様々な面で影響が大きい方法といえるでしょう。

環境を変える

物の見方を変えるというと、その対象を自分の考えや視点だけに限定しがちです。しかしときには自分ではなく、環境を変えてしまうことも必要となります。

ビジネスにおいて最も身近な例は、転職でしょう。新しい職場に移り、自分の価値が再発見されたという例は少なくありません。また、皮肉な例ですが、芸術家の作品が没後しばらく経ち、周囲の価値観が変わってから評価されるというのもよくある話です。

「前提を変える」と同様に必要となるコストも大きいですが、抜本的な変化も期待できる方法です。

「ビジネス数学研修」を通じて変わる物の見方

弊社の「ビジネス数学研修」はテクニカルスキルを伸ばす研修と思われがちですが、実はビジネスにおける物の見方を伝授する研修でもあります。ここでは「ビジネス数学」を通じて、どのように物の見方が変わるのかをお伝えしていきます。

学校での物の見方をビジネスでの物の見方に変える

「ビジネス数学研修」の最も重要なテーマとして、学校で身につけた物の見方をビジネスにおける物の見方に変えることが挙げられます。

学校の数学で出される課題には必ず「正解」があり、その「正解」を導き出すことで評価が得られます。しかし、ビジネスで売上表のグラフを数学の課題のように解こうとしても、「正解」はありませんよね。それどころか、表やグラフから導き出せる答えはいくつもあります。

このように、学校での物の見方が抜けていない人は、ビジネスシーンでも数字やデータを目の前にすると、つい「正解」を求めてしまう傾向があります。例えば、「昨年の売り上げデータと、スタッフの営業成績のデータから、来月の○支店の売り上げを予測してください」と指示を出されると、数学の問題のように「正解」を出そうとする人がいます。

確かに数学の課題のような指示ではありますが、現実では「正解」を出すことはできません。未来を正確に予測することは、どんなに高度なAIでもできないからです。ですから、ビジネスでは100点満点の答えを追い求めるのではなく、ざっくりと素早く答えを導き出すことが求められます。これがビジネスにおける物の見方なのです。

数字の受け止め方を変える

「ビジネス数学研修」では、数字の見方を変える訓練も取り入れています。例えば、同僚から「今月の営業成績は先月比で50%も上がったので、調子がよかった」と言われたとしましょう。普通に受け取れば、すごい成果だと思うはずです。しかし、物の見方を変えてみると「他の人はどうだったのだろう」と疑問が浮かびます。

仮に、他の社員全員が先月比で80%上がっていたとしたら、同僚は相対的に成績の伸びが悪いことになります。このように、数字は「比較」してみることで見え方が変わります。数字の罠に引っかかりにくくなるためには、受け止め方を変える習慣づけが欠かせません。

四則演算で物の見方が広がる

数字とデータほど、見方によって得られる情報に差がつくものはありません。ただ、そのせいで「数字が並んでいると、頭が真っ白になる」「データのどこを見ればいいかわからない」という方も少なくありません。

「ビジネス数学研修」では、こうした数字やデータに苦手意識を持つ方に「四則演算ができれば大丈夫」とお伝えしてます。「データ=難しい」は思い込みであり、物の見方がわかっていないだけなのです。

例えば「前年比で売上が20%も減少してしまった原因を分析せよ」と指示を受けたとしましょう。多くの人は「分析なんてやったことないよ」と、戸惑うと思います。

しかし実際に行うことは、売上データを「商品別・エリア別」などに並べて、どの項目で売上が減少したのかを確認するだけです。この一連の作業は、数学どころか算数さえできれば充分に実行できます。あとは、その売上が減少した部分について、原因を調査していけば分析は完了です。

つまり、数字やデータが苦手な人は、物の見方自体がわかっていないのです。数字やデータに慣れれば、「『時間軸』を変えてみよう」「『入手先』を変えてみよう」と次々とアイディアが浮かぶようになります。

「ビジネス数学研修」は実務につながる社員研修

ここまでお伝えしたとおり、弊社ではビジネスで求められる物の見方やデータの見方など、実務に直結したビジネス力を磨く人材育成プログラムをご提供しております。

さらに「ビジネス数学研修」では、わかりやすい報告資料の作り方や、データを根拠とした意思決定のやり方など、具体的なビジネスシーンを想定した演習を繰り返していきます。

研修プログラムは受講者のレベルに合わせて「入門編」から「実践編」の4段階をご用意しておりますので、「数字やデータは昔から苦手!」という方でも安心してステップアップできます。 「物の見方を変える方法を身につけて、イノベーションを促進したい」「データをビジネスに活用できる人材を増やしたい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修をご活用ください。

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