仕事ができる人とは多くの場合、「同僚や上司、顧客から信頼を得ている人」を指し、「行動力」や「コミュニケーション能力」、「課題発見力」といった共通する特徴があります。
今回は、仕事ができる人の特徴や、仕事ができる人になるための方法について解説していきます。
仕事ができる人とは
仕事ができる人の定義は、職種やポジションによって求められるものが異なるため、明確に定めることはできません。ただ、共通点を挙げるのならば、仕事ができる人とは「同僚や上司、顧客から信頼を得ている人」といえるでしょう。
仕事ができる人を目指すのであれば、ビジネスにおいて何をすれば信頼を勝ち取れるかについて考えていくことが早道となります。

仕事ができる人に共通する10の特徴
仕事ができる人は、どのような共通点があるのでしょうか。10の特徴から解説していきます。
主体性とスピード感のある行動力
仕事ができる人に共通する特徴として、高い行動力が挙げられます。これは単にアクティブさを示すだけではなく、仕事のなかで率先して役割や課題を探し、積極的に行動できる「自律型人材」を指します。
近年のビジネスシーンでは著しい環境変化が続いており、人手不足を背景に一人あたりの生産性向上が求められています。こうした状況下で「仕事ができる人」として活躍するためには、主体性とスピード感を兼ね備えた行動力が必要となるわけです。
計画力
仕事ができる人には共通して、効率的に行動できる計画力があります。ゴールを明確に見定めて、そこから逆算して必要なタスクと時間を割り出し、アクションを起こす力があるのです。
また、仕事の性質をよく理解している人であれば、計画がスムーズに進む仕事の順序まで意識して、スケジュールを立てることができます。
闇雲に行動してしまうと、優先度の低い業務から着手したり、二度手間が生じたりといった無駄が生じます。納期・約束を守るための計画力は、周囲からの信頼を勝ち取るために必要不可欠なスキルといえるでしょう。
コミュニケーション能力
仕事ができる人は、高いコミュニケーション能力を有しています。自身の意見・希望を押し通したいときも、コミュニケーション能力が高い人ならば相手に不快感を与えず、信頼関係を構築したうえで目的を遂行します。また、取引先や部下の意図を正確に汲むという場面でも、やはりコミュニケーションの高さが求められます。
なかには一人で黙々と成果を上げ続ける人もいますが、会社という組織のなかでは周囲とのコミュニケーションを怠る人に信頼の目は向けられません。仕事上の成果と同時に「仕事ができる人」という評価を得たいのであれば、やはりコミュニケーション能力は不可欠といえるでしょう。
課題発見力・解決力を持つ
仕事ができる人は、取り組んでいる仕事や周囲の環境に潜んでいる課題・改善点を見つけだし、それを解決する術を持っています。これは「あら探し」のような後ろ向きな意味ではなく、効率化や満足度の向上を目的とした主体的な取り組みを指します。
多くの人が見落とすような問題点を発見したり、顧客自身も気付いていなかった要望を提案したりすることで、自ずと周囲の評価・信頼感も高まっていくでしょう。
抽象的なことを言語化できる
仕事ができる人は概念的・抽象的な問題を言語化し、相手にわかりやすく伝える力を持っています。言語化のスキルを伸ばせば、商談やプレゼンの成功率が上がるだけでなく、内省の質が上がって自身の成長を早めることにもつながります。また、経営層や管理職にとっては、部下にビジョンを共有するために欠かせないスキルでもあります。
言語化は語彙が豊富であれば成り立つのではなく、相手の反応をイメージする力や、相手にとってわかりやすくなるように情報を加工する表現力も必要となります。そのため、言語化のスキルを高めるのは一筋縄ではいきませんが、そのぶん様々なビジネスシーンでの成果につながるでしょう。
なお、言語化力については「言語化力とは 言語化力を伸ばすメリットと鍛え方を解説」で詳しく解説しています。
身だしなみが整っている
仕事ができる人の多くは、身だしなみにも気を配っています。もちろん、身だしなみに気を回す暇もないほど、仕事に打ち込んでいる人もいるでしょう。
しかしビジネスシーンでは、身だしなみと仕事ができるかを関連づける人が多いのが現実です。実際、経営層と人事責任者を対象としたある調査によれば、「見た目・身だしなみの第一印象が良い人は実際に『仕事ができる人』だと思いますか」という質問に対し、8割以上が「思う」と回答しています(「とても思う(20.9%)」、「やや思う(61.6%)」)。
参考:株式会社プラスエイト「成功するビジネスマンに関する調査」
身だしなみが相手に与える影響を理解している人は、セルフマネジメントの重要さに気付いていると言い換えることができます。自分自身と身の回りの清潔感を意識できれば、自然と周囲からの信頼感も高まってくるでしょう。
レスポンスが早い
レスポンスの早い相手に対して「仕事ができる人だ」と感じた経験はないでしょうか。実際、レスポンスが早ければそれだけ仕事も早く進むため、信頼感や好感の獲得につながります。
とくに近年はメールだけでなくチャットツールの導入も進んでいるため、レスポンスを後回しにしていると、すぐにメッセージが山積みになって重要な連絡も埋もれてしまいます。
それに加えてテレワーク環境下では、レスポンスがないと「仕事をサボっているのでは」と不信感を招きかねません。働き方やビジネス環境が急速に変化するなかで、レスポンスの早さは信頼を勝ち取るためにますます重要な要素になってきています。
調査力・データ活用力
仕事ができる人は調査力があり、情報・データの収集に余念がありません。仕事に直接的に影響するものだけでなく、広く自身に関わりがありそうな事柄についてアンテナを張っています。
また、入手した情報・データの扱い方によって、仕事ができる人とできない人のあいだには大きな差が生じます。仕事ができる人は情報・データを額面通りに受け取るのではなく、精査や解釈を行ったうえで自分なりの仮説を立てて、仕事に落とし込んできます。情報やデータを根拠にアクションを起こすことで、評価・信用を得る機会も増えていくでしょう。
なお、ビジネスシーンでのデータの活かし方については「ビジネスにおけるデータ活用とは」でも詳しく解説しています。
人に頼ることができる
仕事ができる人がすべての仕事を自分で片づけているかといえば、実はそうではありません。誰しも不得意な分野はありますし、なにより時間は有限です。ときには人に頼ることこそ、仕事を成功させる秘訣なのです。
人に頼るためには人脈を広げておくだけでなく、日頃から周囲の状況をよく観察しておき、その人の得意・不得意や現在の忙しさなどを把握しておく必要があります。適切な人・タイミングに頼らないと、成果につながらないだけでなく、相手にも負担をかけてしまうからです。
そしてなにより普段から率先して周囲の手助けをしておき、信頼関係を築いておくことが大切です。
学習意欲が高い
学習意欲が高いことは、仕事ができる人を象徴する特徴といえるでしょう。成果を上げても慢心せず、インプットを欠かさないことで新たな成果へとつながっていきます。
学習と一口に言っても、検索やAIで簡単に知識が手に入る時代だからこそ、その方法が重要になります。例えば「手に入れた情報を自分なりの意見に変換する」「知識を自分の業務や計画に組み込んでみる」など、知識を自分のものにする取り組みが大切になってきます。
とくに近年は技術革新によって、ビジネスシーンで求められるスキルは日々変化しています。学習意欲の高さは、ますます重要な要素となるでしょう。

仕事ができる人になるための方法
仕事ができる人になるためには、具体的にどのようなことを心がければよいのでしょうか。ここでは、重要な4つの取り組みについて解説していきます。
当事者意識を持つ
仕事ができる人になるためには、仕事に対して当事者意識を持つことが必要となります。「命令された仕事」「誰かがやるだろう」といった意識のままでは、主体性のある積極的な行動ができません。
自分は組織からどのような役割を求められているかについて考え、仕事の意義をしっかりと理解しておきましょう。そうした当事者意識を持てば、自然と早いレスポンスや学習意欲の向上などへと結びついていくでしょう。
身近なロールモデルを設定する
ロールモデルとは行動や考え方の模範となる人という意味で、ロールモデルの設定は人材育成の手法としても重要視されています。
前述のとおり「仕事ができる人」は業界やポジションによって異なるため、ロールモデルは社内において実際に成果を上げている人物を選ぶことが大切です。その働きぶりや思考法を模倣すれば、同様の成果を生み出せる可能性が高まるわけです。
まずは身近なロールモデルを設定し、その働きぶりを模倣しながら自分なりの方法論を構築していきましょう。
物事を論理的に考える癖をつける
価値観の多様化や目まぐるしい技術革新などによって、現在は「VUCAの時代」と呼ばれています。不確実性が高く、将来の予想が難しい環境下で「仕事ができる人」として活躍するためには、物事を論理的に考えることが大切になります。
論理的な思考で物事を体系的にまとめて、筋道を立てて考えていけば、複雑な問題であっても素早くポイントを見つけだすことができます。計画からアクションに至る流れも早くなりますし、コミュニケーション能力の質も向上するでしょう。
物事の優先順位を見極める
長時間労働が是正され、業務効率化が求められる昨今において、物事の優先順位の見極めがとりわけ重要になっています。緊急性や負担の重さ、属人性などを考慮したうえで、どの仕事に優先して取り組むかを考える必要があるわけです。
さらに職位が上がれば、「部下に任せる・指示する」「アウトソーシング」といった選択肢も増えます。日頃から様々な判断材料を考慮し、最適な選択について考えることを習慣化することが大切です。

「ビジネス数学」で仕事ができる人になろう!
「調査力・データ活用力」で「仕事ができる人は情報・データを額面通りに受け取るのではなく、精査や解釈を行う」と解説しましたが、たまに会議などで資料を見た途端に「この数字はどういうこと?」と間違いを指摘する人がいますよね。そんな人には思わず「この人は仕事ができるな」と感じるのではないでしょうか。

上の表は弊社の「ビジネス数学研修」で実際に使用している課題ですが、「これを一瞬で読み取れるの?」と戸惑う方が多いと思います。
実は仕事ができる人は、こうしたデータを一つひとつ細かく見ているわけではなく、素早くざっくりとポイントを掴んでいます。とくに商談のように顧客とのキャッチボールが重要な場面で、一つひとつ数字を見ていたのでは話が弾みませんよね。
では、どうすれば素早く・ざっくり数字を読めるようになるのか。弊社の研修では、以下の4つのステップに分けて学んでいきます。

この4ステップでおわかりいただけると思いますが、仕事ができる人は特別な技能や才能でデータを読み解いているわけではありません。データの読み方・使い方を理解し、慣れてしまえば、誰にでもできることなのです。そしてこの4ステップに慣れていけば、自然と「物事を論理的に考える癖」も身につきます。弊社の研修に少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。
なお、弊社は企業向け研修だけでなく、オンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」を運営しておりますので、個人でも気軽に「ビジネス数学」について学ぶことができます。

サロンでは時事ネタなどをテーマとして、楽しみながら数字の使い方が学べる環境を整えています。また、サロンの参加者はみな「数字に強くなりたい」「仕事ができる人になりたい」という共通の目的を持っていますので、「学習意欲はあるけど、なかなか勉強を続けることができない」という方でも励まし合いながら学習を続けられますよ。
弊社の研修やオンラインサロンについて「もっと詳しく知りたい!」と思っていただけましたら、ぜひお気軽に以下のリンクからお問い合わせください。
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