数字に強い人とは 特徴と数字に強くなるためのコツ

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数字に強い人の特徴として、数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力が挙げられます。

「数字が苦手」という人は、よく「自分は文系だから」と言いますが、実は「理系」・「高学歴」=数字に強い人とは限らないのです。

今回は、数字に強い人の特徴を解説したうえで、数字に強い人になるためのコツをお伝えしていきたいと思います。

「数字に強い人」の特徴

経営者や教育担当者にお会いすると、多くの方が自社の社員に対して「数字に強い人材になってほしい」と課題を感じています。

しかし「数字に強い人とは、具体的にどのような人ですか?」と質問をすると、意外と明確な答えを持っている方は少数です。人材育成の目標として据えるのであれば、これをしっかりと言語化しなければいけません。

弊社では、数字に強い人を「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力を持つ人」と考えています。

学生生活を振り返ってみても、数学の成績が良い人に対して「数字に強い」とは感じなかったはずです。実は「数字に強い」と感じる部分は「成績」でも「理系の学歴」でもなく、もっと身近な瞬間にあります。

例えば、会議中にびっしりと数字で埋められた資料が配られたとしましょう。多くの人は「見るのも嫌」「どこから見ればいいの?」と忌避感を覚えますが、すぐに「ここは、どうしてこうなっているの?」と疑問や間違いを指摘できる人がいます。

まさにこれが「数字やデータから素早くポイントを見つけだす力」であり、多くの人が「この人、数字に強いな」と感じる瞬間なのです。

「数字に強い人」になるためのコツ

「数字に強い人」を目指すとなると、高度で専門的なトレーニングが必要と思われるかもしれません。しかし、日常での身近な「コツ」からでも「数字に強い人」へ近づけます。

ビジネスでの数字と学校での数字の違いを知る

ビジネスにおける「数字に強い人」を育成するためには、ビジネスで扱う数字と、学校で扱う数字の違いを把握しておく必要があります。

学校で学んできた算数・数学には必ず答えがあり、その答えを導き出すことで評価が得られました。その習慣が抜けていない人は、数字やデータで課題を提示されると、どうしても唯一の答えを求めがちです。

しかし、ビジネスには答えがあるとは限らず、逆に正解が複数の場合もあります。

例えば「昨年同月の売り上げデータと、スタッフの営業成績のデータはあるから、来月の○支店の売り上げを予測しておいて」と指示を出されると、数学の問題のように「正解」を追い求めてしまう人は少なくありません。

しかし、この指示を100%正確に達成するのは不可能です。スタッフのあいだで感染症が流行ってしまうかもしれませんし、ある商品がバズって売り上げが急増するかもしれません。未来を正確に予測することはできないのです。

そのためビジネスシーンでは、ざっくりと素早く答えを導き出すことが優先されます。上の指示も、与えられたデータと不確定要素から、ざっくりと予測を立てれば良いのです。

このように、まずは「ビジネスにおける数字・データの見方」を理解しておくことで、数字に強い人になるための下地ができあがります。

数字への苦手意識を払拭する

「数字に強い人」を目指すためには、「数字が苦手」という先入観を払拭することが重要になります。

「数字が苦手」という人の多くは、知識やスキルが足りないわけではありません。上の「売り上げの予測」で正解を追い求めてしまう人のように、数字やデータの扱いに慣れていないだけなのです。

ですから、まずは数字の捉え方や扱い方を学び、「自分は数字に弱い・苦手」という思いこみを消していくことが大切です。

日頃から数字を使う癖をつける

「数字に強い人」になるためには、日頃から数字と慣れ親しむことが大切です。なかでも今すぐ始められる習慣としておすすめなのが、会話のなかで数字を用いることです。

例えば「今月の営業成績はすごく調子がよかったです」を「今月の営業成績は先月比で50%も上がったので、調子がよかったです」と言い換えてみましょう。「すごく」だと曖昧で、どの程度の成果を上げたのかが伝わりませんが、「先月比で50%増」といえば明確に成果の度合いが伝わります。

ほかにも「この資料の整理をなるべく早くやっておいて」という指示を「この資料の整理を明日の15時までにやっておいて」と言い換えれば、部下との認識のズレがなくなり、仕事の遅れが生じにくくなります。

このように、会話のなかで意識して数字を使うことですれ違いを減らせるので、コミュニケーションが円滑になるでしょう。

数字に疑問を持つ習慣

日頃から数字を使う癖を身につけたら、数字に疑問を持つ習慣も取り入れてみましょう。

上に挙げた例では、「営業成績が先月比で50%上がった」は本当に調子がよかったのかが疑問点として浮かび上がります。

仮に、他の社員全員が「先月比で80%上がった」としたら、相対的に「先月比で50%の上昇」では成績の伸びが悪いことになります。「むしろ、調子が悪かったのでは?」と考えられるわけです。

このように、数字を比較をすることで実態が浮かび上がることがあるため、疑問を持つ習慣を身につけることが大切なのです。これが「数字やデータから素早くポイントを見つける」ことへとつながってきます。

数字(データ)から仮説を立てる

日頃から数字を用いて疑問も持てるようになってきたら、数字(データ)から仮説を立てる練習をしてみましょう。

注意していただきたいのは、上のスライドのように表から事実を羅列するだけでは仮説とは言えないということです。ビジネスでは一歩踏み込んで、数字を根拠として自分で物事を考えることが求められます。

例えば上のスライドのように、表の数字(事実)からは以下のような仮説が立てられます。

・A社はほぼ独占状態にあるが、シェア率で見ると若干減少しているため他社の買収を検討しているかもしれない

・業界のD社のみが業績不振であるため、撤退の可能性もある

仮説が「正解」である必要はありません。ここで先ほど解説した、「ビジネスには答えがあるとは限らず、正解が複数の場合もある」に戻ってくるわけです。

データや数字から仮説を立てて、アクションプランとしてわかりやすく人に伝えられれば、「数字に強い人」へぐっと近づくでしょう。

まとめ

数字に強い人の特徴は、「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力」に集約されます。

この特徴からもわかるように、実は「数字に強い人」を目指すのに高度で専門的なトレーニングは必要ないのです。

まずはビジネスでの数字と学校での数字の違いを知り、数字への苦手意識を打ち消しましょう。その上で「日頃から数字を使う癖」「数字に疑問を持つ習慣」を身につければ、自ずと「数字に強い人」へと成長していくでしょう。

「数字に強い人」を育成するなら「ビジネス数学研修」

ここまで「数字に強い人」の特徴や、「数字に強い人」になるためのコツをお伝えしてきましたが、これらは弊社の「ビジネス数学研修」の一端に過ぎません。「ビジネス数学研修」と聞くとテクニカルスキルを連想される方も多いですが、実は実務に直結したビジネス力を磨く、人材育成プログラムなのです。

実際の研修では、仮説の検証方法や、わかりやすい報告資料の作り方など、より具体的なビジネスシーンを想定して演習を繰り返していきます。

また、研修プログラムは受講者のレベルに合わせて「入門編」から「実践編」の4段階でご用意しておりますので、数字に苦手意識を持つ方でも安心してステップアップできます。 「数字に強い人材を育成したい」という課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の「ビジネス数学研修」をご検討ください。

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