プレゼンテーションに苦手意識を感じる原因とその克服方法

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プレゼンテーションを苦手だと感じる原因は、大きく「経験不足」と「準備不足」に分けられます。これらを解消するためには、プレゼンの目的を明確にしたうえで、フレームワークや定量データを活用していくことが効果的です。

今回は、プレゼンテーションに苦手意識を持ってしまう原因を解説したうえで、プレゼンへの苦手意識を解消するための具体的な方法をお伝えしていきます。

プレゼンテーションに苦手意識を持ってしまう原因

プレゼンテーションに対する苦手意識の原因は、「経験不足」と「準備不足」に集約されます。「話している途中で、頭が真っ白になってしまうかも」「質疑応答にうまく対応できるだろうか」といった不安も、この2つの「不足」から生まれています。

経験不足

ほとんどの人は経験のないことに対して苦手意識を感じてしまうものであり、プレゼンに対する不安も経験不足が大きな原因となります。

学校生活などを通じて、誰しも一度は「人前で話す・発表する」といった経験を積んでいるはずです。しかし、その発表(説明)の成否によって「勝ち負けが決まる」「大きな利害が生じる」という体験をしている人は、意外と少ないと思います。プレゼンは多くの人が経験した「発表」とは、似て非なるものなのです。

そのため、いざプレゼンに臨む機会が訪れると未体験の緊張感や不安感、プレッシャーに襲われ、苦手意識を感じてしまうわけです。

準備不足

もう一つプレゼンに苦手意識を感じてしまう原因として、準備不足が挙げられます。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があるとおり、しっかりと準備が済んでいれば腹をくくれるものですが、プレゼンに対しては準備不足に陥ってしまう場合が少なくありません。

その理由は、ビジネスパーソンの多くがプレゼンの経験や資料作成のスキルに欠けていることにあります。そもそもプレゼンについて学ぶ機会も少ないため、資料作成などの準備にも時間がかかってしまい、資料が完成したあとも「準備した内容は正しいだろうか」「わかりやすい構成になっているだろうか」と、様々な不安を感じてしまうわけです。

つまり、スキル不足によって準備の「量」を担保できない上、経験不足から「質」の面でも自信が持てないため、苦手意識が根付いてしまうのです。

人前に立つのが怖い

プレゼンへの苦手意識につながる2つの「不足」について解説しましたが、そもそも人前に立つのが怖いという根本的な原因も押さえておく必要があるでしょう。

これについては、「ストレッチをして体の緊張をほぐす」「猫背にならないよう、視線を遠くに向けることで姿勢を整える」といった身体的なアプローチで、体の状態から整えていくことが大切です。

プレゼンテーションへの苦手意識を克服する方法

ここからは、弊社の研修プログラム「数的センス向上トレーニング:応用編」の内容をもとにして、具体的にプレゼンテーションへの苦手意識を克服する方法をお伝えしていきます。

目的を明確にする

プレゼンテーションへの苦手意識を解消するためには、まずプレゼンの目的を明確にしましょう。

プレゼンの究極的な目的は「相手の立場に立ち、要望を認識し、相手が知りたい情報を伝えて、相手の行動を促すこと」にあります。このステップで意識してほしいのは、相手が求めていることは何かを正確に掴むことです。

「相手は何を知りたいのか、そのために自分は何をすればいいのか」が明確になれば、プレゼンの道筋が大きくずれてしまう恐れはなくなります。自身の要望や意見を一方的に伝えるだけでは、プレゼンといえないのです。

手法(フレームワーク)を身に付ける

プレゼンに苦手意識や不安を感じてしまう原因として「経験不足」を挙げましたが、これを補ってくれるのがフレームワークです。フレームワークとは、目標達成や課題解決に活用できる考え方やツールのことで、様々な研究のなかでモデル化されたものです。

フレームワークに沿ってプレゼンを行うことで、構成が論理的になり、資料作成もスムーズになります。具体的な手法については、下の「プレゼンテーションの代表的なフレームワーク」で紹介していきます。

定量データを活用する

「説得力のあるプレゼンになるだろうか」「わかりやすい資料になっているだろうか」といった不安を感じているのなら、定量データを活用しましょう。

目的や場面によっても数字やデータの活用方法は異なりますが、まずデータ活用のアプローチとして、「トップダウン思考」「ボトムアップ思考」のどちらでスタートするかを見定めましょう。トップダウン思考とボトムアップ思考の特徴は、以下のとおりになります。

トップダウン思考:伝えたいことは明確なので、説得力を上げるために数字やデータから根拠を探す

ボトムアップ思考:伝えたいことが不明確なので、手元にあるデータや数字から何が言えるのかを考える

同じデータを活用する場合でも、トップダウン思考とボトムアップ思考では以下のように読み取り方が異なります。

無理に堂々とした立ち振る舞いをしない

プレゼンへの苦手意識を解消する心構え面のポイントとして、「無理に堂々とした立ち振舞いをしない」が挙げられます。

プレゼン指導ではよく「TED」などの海外のプレゼンを参考にして、自信に満ちた話し方を推奨されます。しかし、日本人を相手にプレゼンをするのであれば、この振る舞いはさほどプラスには働きません。日本人の気質的に、偉そうな印象を与えてしまうからです。

自分の引き出しにない態度・振る舞いでペースを乱してしまうくらいなら、少したどたどしいくらいでも一生懸命にプレゼンするほうが印象は良くなります。

プレゼンテーションの代表的なフレームワーク

最後に、プレゼンテーションの代表的なフレームワークのなかから「SDS法」と「PREP法」をご紹介します。

SDS法

SDS法は、要点→詳細→要点という構成でプレゼンを行う手法です。SDSはSummary(話の要点・結論)、Detail(詳細)、Summary(話の要点・結論)の頭文字で構成されています。

最初に「要点」を伝えてテーマを明確にし、その要点を具体的にするかたちで「詳細」を説明して、最後に再び「要点」でまとめることで、内容が聞き手の記憶に残りやすくなります。そのため、SDS法は短時間のプレゼンに向いており、自己紹介や商品の売り込みなどに活用されます。

PREP法

PREP法は、結論→その理由→具体例→結論という構成でプレゼンを行う手法です。PREPはPoint(結論)、Reason(理由)、Example(例)、Point(結論)の頭文字で構成されています。

基本的にはSDS法と同じ構成となり、SDS法の「Details(詳細)」の部分を「Reason(理由)」と「Example(例)」に細分化することで、より丁寧で説得力のある構成となります。SDS法よりも時間的余裕のあるシチュエーションで選ばれ、論文や採用面接など幅広く活用される手法です。

プレゼンテーションへの苦手意識を克服したいなら「数字力」を高めよう

今回はプレゼンテーションへの苦手意識の解消方法を、弊社の「ビジネス数学研修」のプログラムをもとにして解説しました。

弊社では数字力を「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力」と定義しており、プレゼンは数字力が試される最たる例と考えています。例えば、プレゼン資料を作成する際に「棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフ……どれがベストだろう」と悩んだ経験はないでしょうか。こうした悩みを解消するために、弊社の研修では「表(データ)からグラフへの変換」を課題として出題しています。

この課題のポイントは「なぜそのグラフを選んだのか」を突き詰めて考えることにあり、データに最適なグラフを選び出す訓練を積んでいきます。多くのプレゼンテーション研修に「グラフ作成のためのExcelスキル」がプログラムに組み込まれていますが、ただ作成手順を覚えるだけではわかりやすいプレゼン資料は作れません。

グラフごとの特徴を理解し、そのデータに対して最適なグラフを選択できる力を磨く必要があるのです。

ほかにも研修では、プレゼンにおける効果的なデータ活用や、フレームワークの選定方法などをお伝えしています。「昔から数字やデータに苦手意識がある」という方でも、各々のレベルに合わせた研修プランをご用意しておりますので、安心してステップアップしていくことができます。

また、個人で「プレゼンや数字力について学びたい!」という方には、弊社が運営するオンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」をおすすめしております。「ビジネス数学研修」やオンラインサロンに少しでも興味をお持ちいただけましたら、お気軽に以下よりお問い合わせください。

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