新入社員離職率推移:人材育成ニュース記事考察.14
企業の人材育成等に関する最新ニュース記事をピックアップする、「人材育成ニュース記事考察」をお届けいたします。
新規学卒就職者の離職状況(平成 29 年3月卒業者の状況)
(2020年10月30日 厚生労働省プレスリリースより)
https://www.mhlw.go.jp/content/11652000/000689481.pdf
今年も多くの企業で新卒社員が入社されたのではないでしょうか?新社会人として新しい環境での活躍が
期待されます。一方で新卒社員の離職率が話題になることがよくあります。「3年で3割辞める!」
などと聞いたことがある人もいると思います。
では実際のところどうなのか?
今回は厚生労働省が発表しているデータを見ながらポイントをまとめてみます。
・直近の3年以内離職率は3割以上
・ここ10年ほど変化はほとんどない
・ここ20年ほどでは減少傾向にある
データを見ると、最近の若者はすぐ辞める、対応が難しい、などと思われがちですが、離職率の傾向は
過去から大きく変わってはいません。さらに言えば2000年代初頭からは減少傾向にあります。
このデータから言えることは「今も昔もすぐ辞める若者は一定数いる」ことです。昔は今よりも労働者数が
多かったので離職人数はさらに多かったでしょう。
最近の若者は離職率が高い→打たれ弱い→対応が難しい、この様に捉えて必要以上に新卒社員の
受け入れを難しく考える人が多くいますが、まずはデータを正しく捉えて自分なりに傾向を把握しましょう。
世の中には意図的に危機感を煽ることで注目を集めたり、自社サービスを提供しようとする会社が
まだまだたくさんあります。そのため相手から提示されたデータを鵜呑みにするのではなく
自身で考えることが重要です。
3年で3割辞める!→対応が難しいな…ではなく
3年で3割辞める!→過去はどうだったのか?…と自ら考える癖を付けましょう。
これは決して難しい話しではありません。四則演算を用いることで誰もが簡単に気付けることです。
データや数字を上手く活用し数字に強いビジネスパーソンを目指しましょう!