売上低迷の原因と必要な対策

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売上低迷の原因は内的原因と外的原因に分けられます。主な内的原因として「新規顧客へのアプローチ不足」「客単価の低下」などが挙げられ、一方で外的原因としては「競合他社の躍進」「流行の終わり」などが挙げられます。

売上低迷の対策の基本は現状分析にあり、データに基づいて適切な施策を講じていくことが求められます。

今回は売上低迷の原因や必要な対策、活用すべきフレームワークなどについて解説していきます。

売上低迷の内的原因

売上低迷の原因は、自社内部に起因する内的原因と外的原因に分けられます。まずは、主な内的原因について解説していきます。

新規顧客へのアプローチ不足

売上低迷の内的原因として、新規顧客へのアプローチ不足が挙げられます。

既存顧客に対して手厚いサービスを行なっても、すべての顧客が永続的に自社を選んでくれるわけではありません。新しい顧客が流入してこないと、やがて事業は先細りになってしまいます。

既存顧客の口コミ等で新規顧客を獲得できる場合もありますが、売上を維持・向上させるためには積極的に潜在顧客や見込み顧客を獲得する施策が求められます。

リピートの減少・顧客離れ

売上低迷の主たる原因のひとつが、リピートの減少・顧客離れです。業態にもよりますが、既存顧客が継続して購入・利用してくれないと顕著に売上が低下していきます。

とくに顧客が「商品の品質が下がった」「サービスの魅力が落ちた」といったことを感じると、リピート率は低下していきます。またこれは外的原因も絡みますが、近年では人件費や原材料高騰などによる値上げも、既存顧客の足を遠のかせる原因となっています。

客単価の低下

顧客離れと比べて見落とされやすいのが、客単価の低下です。「安価な商品・サービスが選ばれる」「一度の買い物の購入量が減る」など、顧客一人あたりの単価が減少することで売上も低下していきます。

客単価が下がる原因は、品ぞろえの問題や営業・販売部の戦略ミス、顧客獲得のためのセールなど様々です。また、これは外的原因になりますが、不況などによる買い控えも大きな影響を及ぼすため、客単価低下の原因は詳しく分析する必要があるでしょう。

従業員のパフォーマンス低下

内的原因として必ず確認すべきなのが、従業員のパフォーマンスの低下です。従業員の働きぶりが悪くなれば生産性が低下し、売上低迷に直結します。

従業員のパフォーマンスが低下する原因は長時間労働やモチベーションの低下、スキルの陳腐化など様々であり、原因に応じた改善策を取る必要があります。

売上低迷の外的原因

売上低迷は自社に落ち度はなくとも、外的な原因によっても引き起こされます。ここでは、主な外的原因について解説していきます。

競合他社の躍進

売上低迷の外的原因として、競合他社の躍進が挙げられます。競合他社が業績を上げることで自社のシェアが奪われれば、売上低迷に直結します。当然のことですが、競合の新商品や新規参入などには常に気を配る必要があります。

また、シェアを奪うのは必ずしも同業種の企業とは限らないという点に注意しましょう。例えば、以前まで全国各地で見かけた古本チェーン店は、オンラインショッピングを始めとして、オークションサイトやフリマアプリの台頭によって大きく店舗数を減らしました。

別の業態が顧客ニーズを満たしてしまい、市場シェアを奪われてしまうケースは多々あります。常にマーケットの状態を確認・分析することが大切です。

流行の終わり

流行の終わりは、顕著な売上低迷を招く原因となります。流行のまま定番になることはきわめて稀であり、消費者の関心は次のトレンドへと移っていきます。

とくに近年は市場の移り変わりが激しく流行の寿命もどんどん短くなっており、なかでもSNS由来の商品・サービスはあっという間に旬が過ぎてしまいます。

大切なのは流行によって得た売上を元手にして、流行に左右されない商品・サービスを確立したり、次の流行に乗ったりするなど、早期から次を見据えておくことです。

社会的変動

社会的変動は、壊滅的な売上低迷を招く恐れがある外的原因です。近年でも新型コロナウイルスによるロックダウンや、ウクライナ戦争による小麦・原油価格の高騰など、サプライチェーンに多大な影響を及ぼす出来事が頻発しています。

ほかにも法改正や技術革新、貿易関税なども売上に大きな影響を及ぼす社会的変動に数えられます。こうした問題は事前に予測できるものではないため、日頃から企業体力を高めつつ、緊急時に迅速な意思決定を下せるような体制を構築しておくことが求められます。

売上低迷の原因を分析するのに役立つフレームワーク

売上低迷の原因を分析しようと思っても、ほとんどの方は何から手をつければいいのかわからないのではないでしょうか。そんなときは、フレームワークを活用しましょう。ここでは売上低迷の原因を分析するのに役立つフレームワークについて解説していきます。

PEST分析

PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境をマクロな視点から分析するフレームワークです。PESTは政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字で、こうした自社の力ではコントロールできない外部要因を分析することで、主に経営戦略やマーケティング戦略の策定時に役立ちます。

なお、PEST分析は短期的な計画策定にそぐわない特徴があるため、抜本的に戦略を見直す際などに活用するとよいでしょう。なお、PEST分析のやり方などについては「PEST分析のやり方をわかりやすく解説 実施の目的やメリットとは」で詳しく解説しています。

3C分析

3C分析は環境分析のためのフレームワークであり、3Cは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字を意味します。これらを分析することで外部環境と内部環境を把握でき、事業の方向性の検討や改善策の立案に役立ちます。

とくに自社の客観的な強み・弱みがわかり、リソースの最適化を進めやすくなることが3C分析のメリットといえるでしょう。なお、3C分析のやり方などについては「3C分析のやり方 実施する目的やメリットを解説」で詳しく解説しています。

ファイブフォース分析(5F分析)

ファイブフォース分析(5F分析)は市場分析のためのフレームワークであり、業界の収益性や状態などを把握することで経営・マーケティング戦略の策定時に役立ちます。

ファイブフォース分析では、業界の収益性や状態を左右する要素として以下の5つの競争要因を挙げています。

・業界内の競合の脅威

・新規参入の脅威

・売り手の交渉力

・買い手の交渉力

・代替品(サービス)の脅威

これらの要因について分析することで、売上低迷の外的原因を把握するのに役立つでしょう。なお、ファイブフォース分析のやり方などについては「ファイブフォース(5F)分析のやり方や目的をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

売上低迷から脱却するために行うべきこと

最後に、売上低迷から脱却するために必ず行わなければならないことをお伝えします。

現状分析

冒頭で売上低迷の内的原因・外的原因について解説しましたが、まずは自社が陥っている原因を解明するために現状分析が必要となります。

具体的には上で紹介したフレームワークを活用して、売上低迷につながっている原因について候補を挙げていきます。

〈確認・分析すべき主な項目〉

・どの商材の売上が落ちているのか

・いつ頃から売上が落ちてきたか

・顧客の属性によって差はあるか

・従業員や顧客の生の声(定性的情報)

なお、分析時には「原因はひとつとは限らない」という点に注意しましょう。

例えば、いま売上低迷に直面しているのであれば「物価高騰による客単価の低下」に加えて、「流行の終わり」などの影響を同時に受けている可能性が高いでしょう。ビジネスシーンは日々複雑化しており、様々な問題が絡み合って売上低迷を引き起こしています。そのため、仮説を立てて一つずつ解消していくことが大切です。

業務上のムリ・ムダ・ムラを解消する

売上低迷から脱却するためには、業務上のムリ・ムダ・ムラを省くことも大切です。

「ムダな出費を減らす」「ムラを解消して生産性を上げる」など、経営資源を効率的に再分配することで、売上低迷のダメージを軽減することができます。

売上低迷の原因の発見・解消は短時間で達成できるものではないため、まずは目の前のムリ・ムダ・ムラを解消していきましょう。なお、企業活動におけるムリ・ムダ・ムラについては「ムリ・ムダ・ムラとは 発生の原因や『7つのムダ』について解説」で詳しく解説しています。

売上低迷からの脱却に必要なのは「数字力」

売上低迷から脱却するためには、原因の解明に向けて数字やデータを読み解く力が欠かせません。そしてデータは読み解くだけでなく、現状を打破するためのアクションプランへと変換することが何よりも重要となります。

しかし、この「データをもとにした意思決定」を苦手とするビジネスパーソンが意外と多く、いまだに勘や経験則に頼る企業は少なくありません。日本人は職人気質なところがあるせいか、データの収集や処理は得意だけれどアウトプットにつなげられないというケースが多く見られます。

そんなデータ活用の問題に悩む企業様におすすめしたいのが、弊社の「ビジネス数学研修」です。弊社の研修では数字やデータの扱い方を「入門編」から「実践編」の4段階で学んでいき、受講者のレベルに合わせてデータリテラシーを育んでいきます。

例えば「入門編」では、下のような企業別売上高のグラフから「読み取れる事実・仮説を10個以上を挙げる」という課題に取り組みます。これはまさに市場分析の基本で、売上低迷の原因を探る際に欠かせない取り組みとなります。

この課題はデータ分析の基本である「現状把握」「仮説立案」「検証・実行」のプロセスを実践的に学んでいくことにあり、売上低迷の原因の把握と改善策の立案・実行の流れを効率的に身につけることができます。

「データ分析」と聞くと難解な数式や専門的なツールが必要で、データサイエンティストのような人材にしかできないと考える人が多いですが、本当に必要なのは「把握力、分析力、選択力、予測力、表現力」で構成される「数字力」であり、実は算数の四則演算さえできれば十分にデータ分析は実行できるのです。

弊社の「ビジネス数学研修」や「数字力」について、少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。「データをもとにした意思決定について学びたい」「データ活用・データ分析を社内に根付かせたい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修プログラムをご活用ください。