仕事の早さは持って生まれた才能ではなく、「100点の正解に捕らわれない」「自律型で仕事に取り組む」といった心構えや行動によって差が生まれます。「仕事が早い人になりたい」と思うのであれば、仕事が早い人の特徴や習慣を模倣するのが一番です。
今回は、仕事が早い人に共通する特徴と、それらを身につけるための習慣について解説していきます。
「仕事が早い=作業が早い」ではない
「仕事が早い」は、単に作業の早さを意味するわけではありません。
確かに同じ作業をしても、経験やノウハウによって作業の早さには差が生じます。ただ近年は、様々なツールが導入されて時短化が進んでおり、よほど熟練度に差がない限りは業務の処理にそこまで大差がつくわけではないでしょう。しかし現実として、ビジネスシーンでは仕事が早い・遅いの差は明確に生じます。
では、業務処理が仕事の早さを分ける決定的要因でないのなら、なにが仕事の早さを分けるのでしょうか。その答えは、仕事に対する心構えや日々の行動にあります。
以下、仕事が早い人に共通する特徴を確認していき、実際にそれらを取り入れて「仕事が早い人」を目指していきましょう。

仕事が早い人に共通する9つの特徴
同じくらいの仕事量であっても、なぜか人よりも早く仕事を終える人がいます。実際に同僚や取引先と仕事をするなかで、「この人は仕事が早いな」と感じた経験が一度はあるのではないでしょうか。
実は仕事の早さは持って生まれた才能ではなく、その行動や心構えに特徴があるのです。以下、仕事が早い人に共通する特徴を確認していきましょう。
100点の正解に捕らわれない
仕事が早い人は、100点の正解に捕らわれないという特徴を持っています。「仕事は完璧にこなすべきではないのか」と思う方も多いかもしれませんが、ビジネスでは100点が存在するとは限りません。学校教育のように、この答えを出せば満点をもらえるという「正解」があるわけではないのです。
しかし仕事が遅い人は往々にして、存在するかもわからない正解を目指して、必要以上に時間を費やしてしまう傾向があります。もちろん、経理のように正確な仕事を求められる職種もありますが、ビジネスにおいてはざっくりと素早く答えを導き出すべき場面も多いのです。
仕事の優先順位の付け方が上手い
仕事が早い人の特徴として、仕事の優先順位の付け方が上手いことが挙げられます。
ほとんどのビジネスパーソンは、仕事の優先順位を重要度や緊急度、難易度で決めていると思います。これらは決して間違っているわけではありません。
ただ、仕事が早い人はこれらの判断基準に加えて、タスクを多角的に見ています。例えば、ビジネスでは「Bの問題を先に処理したほうが、Aの業務が早く片づく」ということがよくありますよね。
このように、一つの尺度だけで仕事の優先順位を決めるのではなく、様々な角度からタスクを検討することで仕事が早く終わるのです。
ゴールを見据えて計画できる
「仕事の優先順位の付け方が上手い」と密接に関わる特徴として、ゴールを見据えて計画できることが挙げられます。仕事を構造的に捉えることができると言い換えてもよいでしょう。
最初にゴールを見据えることで、どのようなタスクが必要となり、それぞれの作業にどれだけの時間をかけられるかが明確になります。これによって見落としや無駄な作業が減り、より早く仕事を進められるようになるわけです。
周囲の状況に気を配っている
「仕事の優先順位の付け方が上手い」とも関連する特徴ですが、仕事が早い人は周囲の状況に気を配っています。
例えば、上長の承認が必要な業務に取り組む際に、上長が離席していたら仕事を止めざるを得ません。仕事が早い人はこうした状況をすぐに察知し、業務の優先順位を組み立てることができます。
組織のなかで仕事をしている以上、周囲の状況が自分の仕事の進行にも影響を与えます。ですから、広い視野を持って仕事に取り組むことがスムーズな進行の秘訣となるのです。
人に頼るのが上手い
仕事が早い人の意外な特徴として、人に頼るのが上手いことが挙げられます。
人には向き・不向きがありますから、適材適所で周囲に頼ることでより早く仕事を進めることができます。さらに、人に任せているあいだに別のタスクを進めれば、業務効率はさらに上がるでしょう。
これは「周囲の状況に気を配っている」と深く関わる特徴で、チーム内の得手・不得手を見極めたり、手が空いている人を見つけたりできないと実践できません。
人に頼ることに抵抗感を持つ人も多いですが、マネジメントにも通じる力ですから積極的に取り入れていくことが求められます。
常に新しい方法を模索している
仕事が早い人の多くは、常に新しい方法を模索しています。新しい方法論や効率化につながるツールなど、業務短縮についてアンテナを張り、実際にそれらを試しているわけです。
向上心を持って既存の方法論などに疑問を向けて、それらを解決するための新しい技術やツールを貪欲に取り入れることで仕事のスピードアップへとつながっていくのです。
自律型で仕事に取り組む
仕事が早い人は、総じて自律型で仕事に取り組んでいます。与えられた仕事でも「自分事」として取り組むことで全体の進行や周囲の状況などにも気を配ることができ、次に起こることも先読みしやすくなります。
また、指示を受ける前に先読みで準備を整えておけば、そのぶん初動が早くなり、仕事が早く終わります。
要点を見つけるのが上手い
仕事が早い人は、総じて物事の要点を見つけるのが上手い傾向があります。報告や資料などからぱっと要点を見つけて最適解のアクションを起こすことで、仕事を早く片づけてしまうのです。
この特徴は問題発見力にも関係しており、仕事の遅延につながりそうな問題を事前に処理するといった対応も可能となります。このような点からも、仕事のスピードアップに深く関わる特徴といえるでしょう。
気持ちの切り替えが早い
仕事が早い人は、気持ちの切り替えが早いという特徴があります。予期せぬトラブルで計画が破綻したり、ケアレスミスで大きな失敗をしたりすれば、誰しも気分が落ち込んで集中力が低下します。こうした状態を引きずると、どうしても仕事が遅くなるものです。
ですから仕事が早い人は落ち込む時間をできるだけ短くし、ミスやトラブルを改善点として捉え直してリカバリーを心がけます。長い目で見ると、ミスやトラブルを経験したことで、逆に仕事が早くなっていることも珍しくありません。

仕事が早い人が意識する習慣
「仕事が早い人の特徴」を自分のものにするためには、どのような習慣を取り入れればよいのか解説していきます。
目的を明確にしたうえで準備を整える
仕事が早い人を目指すのであれば、目的を明確にしたうえで準備を整える習慣が必要です。
仕事を早くするために「まずやってみる」を習慣付けようとする人がいますが、これは必ずしも正しいとはいえません。例えば、プレゼン資料を作成する際、行き当たりばったりでスライド作りを進めても、却って時間がかかってしまうものです。
この場合、まずはプレゼンで最も伝えたいことを明確にして、必要なデータや情報などを収集したうえで作成に取りかかるほうがスムーズに作業が進みます。回り道のように思えるかもしれませんが、丁寧に土台を整えるほうが結果的に仕事が早く終わる場合も多く、クオリティの向上も期待できます。
タスクを細分化する
仕事を早くしたいのであれば、事前の準備でタスクを細分化する習慣を取り入れて柔軟性を高めましょう。
細分化によってなぜ柔軟性が高まるのかについては「建物の模型の制作」を例に考えてみます。仮にあなたがタスクを細分化せず、粘土ひとつで模型を作っていた場合、作成の途中で「二階部分のデザインと大きさを変更してくれ」と指示が入ったら一からのやり直しを余儀なくされますよね。
一方で、パーツ毎に組み立てる制作方法ならどうでしょうか。これなら二階部分を差し替えるだけで対応できますから、負担はかなり軽くなります。
タスクを細分化すると、やるべきことが増えたように感じるので仕事が遅くなるように思うかもしれません。しかし実際には仕事の柔軟性が増して、不測の事態にも対応しやすくなるわけです。
身近な仕事が早い人を真似る
仕事が早い人になるためには、身近な仕事が早い人を真似ることが大切です。
上で紹介した「仕事が早い人に共通する特徴」は、あくまでもビジネスシーンで広く共通する特徴です。実際は「○○部長に話を通すと早い」「稟議に時間がかかるから最初に取り組んだほうがいい」など、会社によって仕事を早く進めるためのローカルルールが必ず存在します。
ですから身近な仕事が早い人の仕事ぶりを真似たり、直接アドバイスをもらったりすることが一番の早道となるわけです。
報連相を徹底する
仕事を早くするためには、報連相を徹底することも大切です。これも一見すると、連絡の手間が増えて仕事が滞るように思えるかもしれません。しかし報連相をまめに行うことで、改善点やミスを早期に発見できるようになり、結果的に業務がスムーズに進みます。
例えば、クライアントから仕様変更の連絡があったにも関わらず、それを制作チームに伝え忘れていた担当者がいたとします。このとき、まめに相談・確認を行っていれば「そういえば、仕様変更の連絡が来ていた」と思い出すフックになるわけです。
このように、報連相は結果的に手戻りのリスクを解消し、仕事が早く終わることにつながります。なお、報連相については「報連相の重要性 やり方や定着させるための基本を解説」でも詳しく解説しています。
オン・オフを分ける
仕事の早さと逆行するように思えるかもしれませんが、オン・オフを分けることも仕事が早い人が意識して取り入れている習慣です。
人間の集中力は、そう長続きするものではありません。業務計画を立てる際もしっかりと休憩の時間を組み込んでおくことで、結果的に効率的な作業を行うことができます。また、オン・オフを分けることは「気持ちの切り替えが早い」を実現するうえでも欠かせません。

仕事が早い人は「数字力」が高い
ここまで仕事の早い人の特徴と習慣について解説してきましたが、実はこれらの多くには「数字力」が関連しています。
「仕事の早い人の特徴」のひとつとして紹介した「100点の正解に捕らわれない」も、弊社の「ビジネス数学研修」でお伝えしている内容のひとつ。例えば「昨年同月の売上データとスタッフの営業成績から、来月の○支店の売り上げを予測せよ」という指示を受けたとして、あなたは素早くこの課題に対応することができるでしょうか。
この課題に対し、数学の問題のように取り組んで「正解」を追い求めても、未来を正確に予測することは誰にもできません。とくにビジネスでは、100点を追い求めるよりもざっくりと答えを導き出し、素早く課題を処理していくことが求められます。
ほかにも「仕事の優先順位の付け方が上手い」や「要点を見つけるのが上手い」といった特徴も、数字力の「選択力」や「把握力」に関わる部分です。例えば、弊社の研修では「把握力」に関して以下のような課題を出しています。

びっしりと細かい数字が並んでおり、ほとんどの人は「どこから見ればいいかわからない」と感じるのではないでしょうか。実は「仕事が早い人」は、こうしたデータを一つひとつ細かく見ているわけではなく、素早くざっくりとポイントを掴んでいます。
では、どうすればざっくり・素早く数字を読めるのか。弊社の研修では、以下の4つのステップに分けてその方法を学んでいきます。

この4ステップでおわかりいただけると思いますが、仕事が早い人は特別な技能や才能で仕事を進めているわけではなく、セオリーやテクニックを理解しているだけなのです。弊社の研修に少し興味を持っていただけたのではないでしょうか。
「従業員の業務効率を向上させたい」「残業時間削減の取り組みがなかなか上手くいかない」といった課題にお悩みであれば、ぜひ弊社の「ビジネス数学研修」をご検討ください。
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