できる営業マンとは「組織の利益を最大化するための活動ができる人」のことです。その特徴としては「目標達成に向けた強い意志」「目標から逆算ができる」「対応が早い」「データに基づいた行動ができる」などが挙げられます。
今回は「できる営業マン」の定義や営業職の役割を踏まえたうえで、できる営業に共通する9つの特徴について解説していきます。
できる営業マンとは
営業職として働く人であれば、多くの方が「できる営業マン」を目指していると思います。また経営者や管理職であれば、一人でも多く「できる営業マン」を増やしたいと考えているのではないでしょうか。
しかし、そもそも「できる営業」とはどのような存在なのかを説明できるでしょうか。業種や営業スタイルによっても異なりますし、なかなか言語化しにくい問いですよね。
この記事では「できる営業マン」を「組織の利益を最大化するための活動ができる人」と定義し、話を進めていきたいと思います。まずは、この定義の根拠について解説していきましょう。
営業職の役割
「できる営業マン」を「組織の利益を最大化するための活動ができる人」と定義しましたが、その根拠は営業職の役割にあります。
一口に営業職といっても「ルート営業」や「ソリューション営業」など様々な形態があり、業務内容もそれぞれ異なります。しかし、いずれの場合でも共通するのは「組織の利益を最大化するための活動をすること」にあるといえるでしょう。営業の役割というと単に「物・サービスを売ること」と思いがちですが、それだけでは言葉足らずなのです。
では、営業職として組織の利益を最大化するためにはどのような能力が必要なのかというと「顧客との関係性を構築して製品・サービスを販売し、継続的に利益をもたらす力」が理想形といえるでしょう。
なお、営業に求められる能力については「営業力とは 強化の方法や営業力がある人の特徴を解説」でも詳しく解説しています。
できる営業マンに共通する9つの特徴
「組織の利益の最大化」や「顧客との関係性の構築」の方法は一つではありません。つまり「できる営業」のスタイルも正解があるわけではなく、様々な能力や習慣などによって構成されています。
ここではそんな様々な能力・習慣のなかでも、多くの「できる営業マン」のあいだで共通する特徴について解説していきます。
目標達成に向けた強い意志
できる営業は皆、目標達成に向けた強い意志を持っています。これは営業として行うあらゆるアクションの土台となる要素です。
例えば、架電(テレアポ)はあまり好まれる業務とはいえませんが、アポイント獲得のためには量をこなす必要があります。他にも手間を惜しまず資料を作成したり、勉強嫌いでも業界研究を行ったりと、できる営業になるためには目標を達成するためならば躊躇わずに行動できる強い意志が必要となります。
目標から逆算ができる
できる営業には、目標から逆算して日々のアクションを導き出す能力があります。
課せられたノルマに対して必要な商談数を割り出し、その商談を設けるためにどのくらいのアポイントが必要か……といった具合に、目標から逆算して今やるべきことの具体化を行うわけです。
根拠もなくスケジュールを組み立てていると無駄な行動が増え、努力が成果に結びつきにくくなります。いくら目標達成に向けた強い意志を持っていても、闇雲に行動していてはできる営業にはなれないわけです。
対応が早い
できる営業は対応が早いという共通点を持っています。営業職に限ったことではありませんが、返事の早い人に対しては好感を持ちますよね。逆に、返事が遅い人に対して「次からは連絡するのをやめよう」と感じた経験も一度はあるのではないでしょうか。このように、対応の早さは信頼感につながるわけです。
もちろん、これは準備もなしに行動しろという意味ではありません。問い合わせがあったときに、すぐにお礼と期日を伝えるといった「即レス」の心構えを徹底することがポイントとなります。
準備を怠らない
できる営業は準備を怠りません。準備の精度で提案・商談の成功率は大きく変化するからです。
「対面してからが本番」という人もいますが、実際の商談で核心を引き出すためには、前提として業界の常識や顧客の状況などを理解しておく必要があります。
業界研究・企業研究からは顧客が直面している課題が読み取れますし、ロールプレイングを行なっておけば想定される質問に回答を用意することができます。積み重ねた準備こそが本番の成功率を上げていくのです。
傾聴力と共感力
傾聴力と共感力も「できる営業」に欠かせないスキルです。営業の役割として「顧客の課題や悩みを解決すること」が挙げられますが、課題や悩みの原因が顕在化しているとは限りません。
例えば、顧客が「売上低迷」という課題を抱えていたとして、その原因は「競合の躍進」「市場の変化」など様々考えられます。何が原因となって売上低下につながっているのかを見抜くためには、上辺だけで話を聞くのではなく、核心に迫るための高い傾聴力と共感力が必要になるわけです。
フィードバックと改善の習慣
できる営業の多くは、フィードバックと改善を習慣付けています。とくに失敗の経験から改善点を見つけだし、どうすれば成果に結びついたかを徹底的に考えることが大切です。
フィードバックは上司に限らず、ときには営業に同行した同僚・部下からも意見をもらう貪欲さが求められます。また、顧客の反応や言葉もフィードバックと受け止めて、営業トークや資料などをブラッシュアップする材料として活かしていきましょう。
アフターフォローを忘れない
営業の種類や組織体制にもよりますが、アフターフォローを忘れないこともできる営業マンの特徴のひとつです。
アフターフォローは顧客のためだけに行うものではなく、営業にとってもリピートや紹介といった新たな成約に結びつく可能性のある取り組みなので、疎かにしてはいけません。
営業にとってのゴールは成約ですが、「売ったら終わり」という意識では組織に継続的な利益をもたらすことはできないでしょう。顧客からすれば、購入したあとが本番であると肝に銘じる必要があります。
数字に捕らわれない
「目標達成に向けた強い意志」と相反するように思えるかもしれませんが、数字に捕らわれないことも「できる営業」の特徴のひとつです。数字が全てという考え方は、顧客志向と相反する行動を招きやすいからです。
前述のとおり、組織の利益を最大化するためのアプローチはひとつではなく、「顧客の課題解決」や「顧客満足度の向上」は営業活動のなかでも非常に重要な目標となります。その一方で、数字を追いすぎると顧客の満足度を二の次にして、営業活動の効率化などが優先される恐れがあります。
もちろん、「数字主義」の営業スタイルで成功する人もいるでしょう。しかし「顧客を大切にしたい」という思いがあるのなら、数字に振り回されない営業活動を貫くことも大切です。
なお、「営業は数字が全て」という価値観がもたらす影響については「営業は数字が全てなのか この価値観がもたらす影響を解説」で詳しく解説しています。
データに基づいた行動ができる
すでに「できる営業」の多くが取り入れていますが、今後ますますデータに基づいた行動が重要になるでしょう。
いま市場は、グローバル化や技術革新によって目まぐるしく変化しています。その一方で、働き方改革などによって労働時間は厳しく制限され、母数を増やして確率を上げる体力・根性勝負の営業活動が通用しなくなっています。
こうした環境下で営業活動を成功させるためには、データに基づいた合理的な行動が求められます。具体的には、顧客の行動データに基づいたアクションや、営業データを見直すことによる行動改善など、様々な活用例が挙げられます。
ここまで解説した、目標からの逆算やフィードバック、アフターフォローなどにも深く関わる取り組みであり、今後最も重要視される「できる営業」の特徴となるでしょう。

できる営業を目指すなら「ビジネス数学研修」
「データに基づいた行動ができる」で解説したとおり、これからのできる営業にはデータ活用が求められます。
ただ、コミュニケーション能力などを武器に活躍される方のなかには「データや難しい計算には苦手意識がある」という方も少なくありません。とはいえ、営業職は数字と深く関わる職種ですから、さらなるレベルアップを目指すのであれば数字やデータに対する苦手意識を克服する必要があります。
そんな「できる営業」を目指す方におすすめしたいのが、弊社の「ビジネス数学研修」です。弊社の研修では数字やデータの扱い方を「入門編」から「実践編」の4段階で学んでいき、受講者のレベルに合わせてデータリテラシーを育んでいきます。
例えば「入門編」では、下のような企業別売上高のグラフから「読み取れる事実・仮説を10個以上を挙げる」という課題に取り組みます。営業職にとっては、動向分析にそのまま活用できる課題となっています。

この取り組みの狙いは「現状把握」「仮説立案」「検証・実行」のプロセスを学ぶことにあり、数学の問題のような「正解」はありません。このように、正解のないビジネスシーンで役立つ、数字・データを根拠としたアクションプランの立て方を学んでいくのが「ビジネス数学研修」なのです。
もちろん、弊社の研修は営業職だけを対象にしているわけではなく、「数字を活用した、誤解を生まないコミュニケーション」や「データを根拠とした意思決定」など、それぞれ階層にあった計9種類のプログラムをご提供しております。
また弊社では、ビジネスパーソンの継続的な学習を支援する場として、オンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」を運営しておりますので、個人でも気軽に「ビジネス数学」について学ぶことができます。 「できる営業職として活躍したい」「全社的にデータを根拠とした提案力を根付かせたい」といった課題にお悩みであれば、ぜひ弊社の研修・オンラインサロンの活用をご検討ください。
