ファクトフルネスとは データに基づく習慣の身につけ方を解説

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ファクトフルネスとは、事実やデータに基づき、先入観を排して物事を捉える取り組みです。もとは医師・公衆衛生学者のハンス・ロスリングによる造語で、著書の『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』は日本でもミリオンセラーとなりました。

ハンスによれば、分断本能やネガティブ本能といった「10の思い込み」が我々の物事の捉え方を曇らせるとし、ファクトフルネスの重要性を説いています。

今回は、ファクトフルネスの概要とデータに基づく習慣の身につけ方をお伝えします。

ファクトフルネスとは

ファクトフルネスとは、事実やデータに基づき、先入観を排して物事を捉える取り組みです。ファクトフルネスは、医師・公衆衛生学者のハンス・ロスリングによる造語で、著書の『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』は世界的ベストセラーとなっています。とくに日本は世界各国と比べても売り上げが多く、ミリオンセラーとなりました。

13問のクイズ

ファクトフルネスがどのような概念かは『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』で挙げられた「13問のクイズ」を見るとよくわかります。例えば、本書内では以下のようなクイズが出されています。

「世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して予防接種を受けている子どもはどれくらいいるでしょう」

A:20%

B:50%

C:80%

日本国内ならば間違いなくCの80%よりも上だと思う一方、ニュースなどでワクチンを受けられない紛争地域の子どもたちが印象付いており、「B」を選ぶ人が多いのではないでしょうか。しかし、正解は「C」だそうです。

こうした13問のクイズを世界各国の1万2000人に回答してもらったところ、正答率はたったの16.6%だったそうです。私たち人間がいかに印象や思い込みで物事を捉えているかがわかる数字ですね。こうした物事の捉え方から脱却するために必要なのがファクトフルネスというわけです。

人が抱えている10の思いこみ

ハンス・ロスリングによれば、10の思い込みが我々の物事の捉え方を曇らせているといいます。それぞれ解説していきましょう。

分断本能

分断本能は「世界は分断されている」という思い込みです。上に挙げた予防接種のクイズで言えば、「先進国と発展途上国のあいだには埋まらない溝(格差)がある」という思い込みが判断を誤らせます。

しかし実際にデータにあたると、先進国と発展途上国の格差は縮まっていることが明らかとなっています。とくに海外の情報はドラマチックに誇張されることが多く、その印象が思い込みを形成してしまうのです。

ネガティブ本能

ネガティブ本能は「世界は年々悪い状態になっている」という思い込みです。「13のクイズ」では「この20年間で極度の貧困状態にある人の割合はどう変化したか」という問いが出されています。

今も世界各国で起きている紛争などから何となく増えている印象を持つかもしれませんが、実際はおよそ半分にまで減少しているそうです。

身近な例では、交通事故死者数も人々の印象に反して、実際は減少しているというデータがあります。人々が持つ印象とデータのあいだで、とくに乖離の大きい思い込みといえるでしょう。

直線本能

直線本能は「グラフはそのまま直線的に推移する」という思い込みです。これは「世界の人口は増え続ける」という思い込みが引き合いに出されており、人口減に直面する日本においても「発展途上国を中心として、今後も世界の人口は増え続ける」という印象を持つ人が多いのではないでしょうか。

しかし実際は、世界の人口増加率は低調になっており、近年は生涯出生率も低下傾向にあるとデータで示されています。

恐怖本能

恐怖本能は「必要以上に物事を危険視する」という傾向です。

例えば病気の治療で、本来は適切に治療すれば十分に成果が期待できるものに対し、過度に恐怖感を抱いて民間療法で莫大な出費を払ってしまう人は後を絶ちません。エビデンスというデータよりも思い込みで行動してしまう典型例といえるでしょう。

過大視本能

過大視本能は「目の前の数字だけで判断してしまう」という傾向です。例えば、別の会社に務める友人Aが「月間売り上げ1000万円を達成した」と言っていたら「すごい成果だ」と思うことでしょう。

しかし、その会社の月間売り上げの平均が1500万円だった場合、友人Aの成果は平均以下ということになります。このように、我々は往々にして目の前の数字のインパクトに捕らわれ、その数字の本当の意味を見誤る傾向があります。

パターン化本能

パターン化本能は「1つの事例で全体を捉えてしまう」という傾向です。例えば近年の外国人問題は、限られた事例から「治安が悪化した」といった情報が拡散されています。

しかし、外国人人口と外国人の刑法犯検挙人数のデータを見てみると、外国人人口は増加している一方で検挙数は減っており、拡散される情報とは正反対の事実を示しています。SNSの普及によって、とくに注意しなければいけない思い込みとなっています。

宿命本能

宿命本能は「あらゆることは運命で決まっている」という思い込みです。「人生は生まれた地域や時代などで決まるlという思い込み、といったほうがわかりやすいかもしません。

近年も「親ガチャ」が2021年の「新語・流行語大賞」に選出されたように、現代を象徴する傾向のひとつといえるでしょう。同時に、宿命本能は思考停止や進歩の停滞を招きます。「○○地区の学生は昔から素行が悪いから不採用でいい」などの偏見につながり、大きなチャンスを逃す原因となります。

単純化本能

単純化本能は「真実は一つと考え、原因を単純に捉えてしまう」という傾向です。

例えば、昨今の物価高の原因はウクライナ戦争によるエネルギー・食糧の高騰だけでなく、コロナ禍に対する金融政策や賃上げ機運(人件費の高騰)など様々な要素が絡み合っています。

「この問題が起きたのは○○が原因だ」と思い込んでいると、いつまでも根本的解決に至りません。データをもとにして、あらゆる可能性を探る姿勢が求められるわけです。

犯人捜し本能

犯人捜し本能は「特定の人物を犯人として責めることで問題は解決する」という思い込みです。

何かしらの問題が起きたときに、特定の人物が犯人としてやり玉に挙げられることは少なくありません。しかし、目を向けなければいけないのは「安全確認がルール化されてない」「業務過多による疲弊」など、その人物が問題を起こすまでに辿ったプロセスです。

犯人捜し本能に捕らわれていると表層的な部分しか汲み取れず、問題の再発を招くことになるでしょう。

焦り本能

焦り本能は「すぐに対応しないといけない」という思い込みです。近年でもたびたび発生しているお米やトイレットペーパーの買い占め騒ぎは、焦り本能が起因しています。これは何もSNS時代特有の問題ではなく、うわさやデマなどを背景とした金融機関への取り付け騒ぎは100年以上前から発生しています。

こうした問題は、真偽不明の情報で焦ってしまった結果として引き起こされるため、事実やデータをあたる重要性を示す代表例といえるでしょう。

「ビジネス数学研修」でファクトフルネスを身につけよう

ファクトフルネスが大ベストセラーになったのは、多くの人が「データや数字を活用しなければ」と思いつつ、それを実践できていないためでしょう。

実際に、弊社の「ビジネス数学研修」を受講される方の多くが「数字や理系は昔から苦手」「データの読み解き方がわからない」といった悩みを持っています。弊社がこうした方々にまずお伝えしているのは「数字やデータに対して苦手意識を持つ必要はない」ということです。

これは、珍しい食材を料理するのと似ています。その食材に慣れている人ならすぐに調理を開始できますが、見慣れないものに対しては「どう調理すれば食べられる状態にできるのだろう」と手が止まってしまいますよね。データもこれと同じで、どう扱えばいいかがわからないため「できない=苦手」と感じてしまうのです。

ですから弊社の「ビジネス数学研修」では、「どのような場面でデータを活用すれば効果的か」「データのどの部分を見ればいいのか」から解説していきます。例えば、上司から「前年と比べて売上が20%も減少した原因を分析せよ」と指示されたとしましょう。このとき「物価高で消費が冷え込んでるだろう」と、ネガティブ本能で思考を停止しては原因に辿り着けません。

売上データを活用して、「月別・商品別・エリア別・業種別」などの項目で売上が落ちた部分を確認することで、原因の手がかりが掴めるはずです。仮に、特定のエリアで大きく売上が減少していたとしたら、そのエリアのスタッフなどに問い合わせて原因を探っていけばいいでしょう。これがまさしくファクトフルネスの取り組みとなります。

弊社では企業向け研修だけでなく、オンラインサロン「社会人の数字力向上サロン」を運営しておりますので、個人でも気軽に「ビジネス数学」を学ぶことができます。

サロンには「データへの苦手意識を解消したい」「仕事でデータを活用したい」といった悩みを持つ方々が集まっており、時事ニュースで扱われる数字・データなどをテーマに楽しみながら学習できる環境を整えております。 「ファクトフルネスに興味を持ったけど実践できない」「昔から数学やデータに苦手意識があり、解消したい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修プログラムをご活用ください。