数字に弱い人の特徴 数字が苦手になる原因と克服の3ステップ

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細かい数字が並ぶ資料が出てくると目をそむけてしまったり、データから的はずれな情報を読み取っていたりと、数字の弱さに悩むビジネスパーソンは思いのほか多いものです。

こうした弱点は「数字からイメージする力が弱い」「思考停止に陥る」といった、数字に弱い人ならではの特徴から表れます。しかし不安に思うことはありません。これらの改善に特殊な訓練は必要ないからです。

今回は、数字に弱い人が生まれる原因や数字に弱い人の特徴を解説したうえで、数字に強くなるための3ステップをお伝えします。

数字に弱い人が生まれる原因

前提として、数字に弱い人は共通して「数字に対する苦手意識」を持っています。社会人になったあとも「数字=難しい」という考えが頭から離れていないのです。まずは「数字に弱い人=知識やスキルが足りない人」ではないことをぜひ知っておいてください。

実際に弊社が実施する「ビジネス数学研修」では、最初に「学生時代に数学が苦手だった人はいますか」と質問しますが、なんと「Yes」と答える人は全体の60%~80%に上ります。過半数のビジネスパーソンは、学生時代の数学への苦手意識を現在も引きずっているのです。

確かに学校数学は難しく、中学校の因数分解や高校の微分積分などで挫折した方も多いでしょう。このような経験から「数字=難しい」となり、その苦手意識を解消する機会を得られないまま社会人として過ごす人がほとんどなのです。

数字に弱い人に表れる3つの特徴

数字に弱い人には「正確な数字にこだわる」「数字からイメージする力が弱い」「思考停止に陥る」といった特徴が表れます。それぞれ解説していきましょう。

正確な数字にこだわる

数字に弱い人には、正確な数字にこだわるという特徴があります。「正確な数字にこだわるのは、むしろ長所ではないか」と思うかもしれません。しかしそれは、学校数学における価値観です。

確かに学校数学では、正確な数字が求められました。数学のテストで答えを1でも間違えたら不正解となります。「数学には正確性が求められる」という考え方は、こうした経験から生まれます。

一方で、ビジネスシーンには100%の正解を求められない場面が多々あります。例えば、上司に「新ツールの導入で、生産性が5~10%向上すると想定されます」と報告し、「1%の誤差なく報告しろ」と怒られることはないはずです。むしろ、生産性の向上について細かく計算して報告が遅れることのほうが問題になります。

もちろん、シチュエーションによっては正確な数字を求められる場合もありますが、日常的なビジネスシーンでは、ざっくりと数字を扱うほうが良い場面が多いのです。

数字からイメージする力が弱い

数字に弱い人は、総じて数字からイメージする力が弱いといえるでしょう。言い換えると、数字を額面通りに受け取ったり、印象の強さに惑わされたりする傾向があります。

例えば、同僚から「営業成績が先月比150%だった」と聞いたら、「すごい成果だ」と素直に受け取ってしまわないでしょうか。

しかし、仮に他の社員全員が「先月比200%だった」としたら、相対的に「先月比150%」は成績の伸びが悪いことになります。このように、数字は比較することで実態が浮かび上がることもあるため、常にイメージを広げて受け止めることが大切なのです。

思考停止に陥る

数字に弱い人は、細かな数字が並ぶ表を見ると思考停止に陥りがちです。

上のような表を見ると、思考停止に陥って数字から逃げたくなる方は多いのではないでしょうか。その原因は、対処方法がわからないことにあります。

学校数学であれば、こうした表の読解問題が出ても「この公式を使えばいい」と対処方法を教えてもらえました。しかしビジネスにおいては、公式や読み解き方を指示してもらえるとは限りません。

結果的に、どこから手をつければいいのかわからず、思考停止に陥ってしまうわけです。

数字に弱いままでいるデメリット

社会人として生きていく以上、数字に弱いままでいると必ず困る場面が訪れます。

まず、ビジネスシーンでは業界・職種を問わず、数字を活用する場面が必ず訪れます。なかには「自分は営業だから、コミュニケーション力と根性があれば大丈夫」なんて方もいますが、むしろ営業こそ数字と密接に付き合う職種といえます。

売上目標という数値が課され、仕事の結果が「訪問数」や「成約率」といった数字で浮かび上がってしまうからです。

クリエイター職など数字との関わりが少ない職種でも、立場が上になることで進行管理や人事評価などを担うことになり、数字を扱う場面が増えてきます。ビジネスと数字は切っても切れない関係なのです。

数字に強くなるための3ステップ

最後に、ビジネスで「数字に強い人」になるための3ステップをご紹介します。なお、そもそも数字に強い人とはなんなのかについては「数字に強い人とは その特徴と数字に強くなるためのコツ」でも解説しています。

関連記事:「数字に強い人とは 特徴と数字に強くなるためのコツ」

思い込みを解消して苦手意識を払拭する

まずは「数字=難しい」という思いこみを払拭しましょう。先ほども少し触れましたが、ビジネスで扱う数字は、専門職でない限り「1」の間違いで不正解となることはありません。高度な数学の知識も必要なく、算数(四則演算)ができれば十分です。

数字が苦手な多くのビジネスパーソンは、まずはこれらの事実を理解して「数字=難しい」という思い込みを解消し、苦手意識を払拭することから始めましょう。

ビジネスで必要な数字の使い方を知る

具体的に、ビジネスシーンで必要となる数字の使い方をイメージしてみましょう。ここでは、上司から「前年と比べて売上が20%も減少した原因を分析せよ」と指示されたとします。

分析と聞くと「難しい」と感じてしまうかもしれません。しかし実際に行うことは、売上データを「商品別・エリア別・業種別」などに並べて、どの項目で売上が減少したのかを確認し、その原因を探っていくだけです。この一連の作業は、算数の知識さえあれば十分に実行できます。

このように対処方法さえわかってしまえば、数字に対する苦手意識はだいぶ薄れてくるはずです。

数字を使い続ける

数字に強い人は、どのような仕事においても積極的に数字を活用します。数字を使うと仕事が捗ることを理解しているからです。その結果、数字の扱い方に慣れて、数字に強い人はさらに力を付けていきます。

一方、数字に弱い人は数字から逃げる傾向があるので、いつまでも数字に慣れることがありません。

数字に弱い人は、まず日々の会話から数字を使い始めてみましょう。例えば「今日は良い仕事ができました」を「今日はここ一週間で最も売上が多く、前日の○倍でした」と表現するだけで、聞き手はどれほど良い仕事だったのかを正確に理解できます。

このように数字を使い続けて慣れることが、数字に強い人になる一番の方法なのです。

数字に強くなるための「数的センス向上トレーニング」

数字に強くなるためには、苦手意識を払拭しつつ、数字に慣れるためのトレーニングが必要となります。

弊社が企画運営する「数的センス向上トレーニング」研修は、受講者のレベルに合わせて4段階のコースをご用意しています。「入門編」では、数字に対する苦手意識を克服することを目的におき、簡単で分かりやすい数字力強化を目指しています。

研修では、実際のビジネスシーンを想定したデータの読み取り方や、わかりやすい報告資料の作り方など、実務に直結するプログラムで演習を繰り返していきます。社内で「数字が苦手」との声を多く聞かれる企業の皆様にぜひお試しいただきたい研修です。

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