アクションラーニングとは 進め方と効果を解説

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アクションラーニングとは、チームで現実の課題に取り組み、解決策を議論・考案するなかで能力を向上させる学習法です。リーダーの育成や実践的なスキルの取得など様々な効果が得られることから、実践的な人材育成の方法として関心が高まっています。

今回は、アクションラーニングの概要や効果、進め方について解説していきます。

アクションラーニングとは

アクションラーニングとは、研修や学習の場において、チームで現実の課題に取り組み、解決策を議論・考案するなかで能力を向上させる学習法です。

チームでのディスカッションから、解決策の考案・実行、振り返り(リフレクション)と一連の実践的な取り組みを経験することで、ビジネスパーソンとして求められる様々な能力を伸ばしていくことができます。

また、アクションラーニングの特筆すべき点として、組織が抱えている現実の問題をテーマに取り上げることが挙げられます。これにより、問題意識の共有や課題解決力の強化が期待されます。

アクションラーニングの6つの構成要素

アクションラーニングを効果的な取り組みとするためには、6つの構成要素を満たしているかが重要になります。ここでは、それぞれの要素について解説していきます。

問題(課題・テーマ)

まず重要になるのが、アクションラーニングで扱う課題・テーマです。一般的には、組織(社内)において重要性の高い問題をテーマに設定します。なお、チームのなかで必ず一人は、その問題にある程度精通しているメンバーを含めておきましょう。

研修としてアクションラーニングを導入する場合は、あらかじめ社内の問題をいくつかまとめておき、受講者たちが選定できるようにしておけば、スムーズに研修を進行できるでしょう。

チーム(人数)

アクションラーニングでチームを組む際は、3~8名程度で構成するのが適切といわれています。人数が多いほど視点や意見は多様化しますが、そのぶんまとめるのが難しくなります。

社内の問題解決を目的としてアクションラーニングを実施するのであれば、様々な部署または背景を持つメンバーを集めて、課題に対するアプローチを多角的にするとよいでしょう。

質問とリフレクション

アクションラーニングにおけるディスカッションは、質問を軸として進行します。メンバーが感じている疑問や考えは、質問によって言語化させることが基本となります。

また、リフレクション(振り返り)の機会を定期的に設けて、議論の方向性に誤りがないか確認しましょう。合わせて、課題に対する認識をアップデートしていくことも大切です。

問題解決に向けた行動

アクションラーニングは議論にとどまらず、問題解決に向けて実際に行動することまでが含まれます。

なお、ここでの「行動」は必ずしも成功につながらなくても問題ありません。失敗に終わったとしても、そこから学びを見つけて「質問とリフレクション」に立ち戻ってブラッシュアップを行いましょう。

また、メンバーの行動が阻害されないよう、それぞれに権限を持たせておくことも大切です。

コミットメント

アクションラーニングに参加するメンバーには、あらかじめ取り組みの目的・目標を周知しておき、その行動に責任を持つことが求められます。

アクションラーニングの目的が業務改善か人材育成(研修)かによってコミットメントの重みは異なりますが、いずれにしても問題解決へ向けた積極的な参画が必要となります。

アクションラーニングコーチ

アクションラーニングのスムーズな進行には、「アクションラーニングコーチ」の存在が不可欠です。

アクションラーニングコーチは、話し合いが円滑に進むよう質問を促したり、時間管理を担ったりと、全体のサポート役を担います。ディスカッションには参加せず、俯瞰して議論の方向性を修正する役割となるため、とくにファシリテーションスキルが求められます。

なお、ファシリテーションスキルの意味や取得方法については「ファシリテーション研修の目的と内容」で詳しく解説しております。

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コーチの選び方については、メンバーのなかから持ち回りで選定する場合と、外部講師が務める場合があります。

アクションラーニングで得られる効果・メリット

アクションラーニングを導入することで、具体的にどのような効果・メリットが得られるのか解説します。

リーダーの育成

アクションラーニングの主要な目的として、リーダーの育成が挙げられます。

実際にチームを組んで問題解決に挑むことから、実践的にリーダーとしての役割を学びながら、コミュニケーション能力やジョブアサインメントスキルを鍛えることができます。

また、アクションラーニングを通じて多様な価値観に触れること自体も、リーダーとして様々な部下を牽引する際に役立つ経験となります。

様々なスキルの取得

アクションラーニングはチームで行う実践的な学習法であることから、様々なスキル・経験値を伸ばすことができます。

具体的には、以下のようなスキルが挙げられます。

・コミュニケーション能力

・問題解決力

・傾聴力

・協調性

・ファシリテーションスキル

問題解決につながる

アクションラーニングは研修における学習法ではありますが、現実の課題を扱うことから、経営課題等の解決につながることがあります。

とくに若手人材の柔軟な発想から、斬新な解決案が生まれるケースも少なくありません。

チームビルディング研修につながる

アクションラーニングは、チームビルディング研修としても効果があります。

チームビルディング研修は、メンバー全員が当事者意識を持ち、共通の目標に向かって行動できるチームを作るための研修です。これはまさにアクションラーニングの取り組みと合致する部分であり、組織作りを目的に実施しても高い効果が期待されるでしょう。

社内のコミュニケーションの活性化

アクションラーニングの副次的な効果として、社内のコミュニケーションの活性化が挙げられます。部署の垣根を越えてチームを組み、ディスカッションを行うアクションラーニングは、普段交流を持たない他部署との連携を深めるチャンスとなります。

実際に社内の問題解決を達成すれば通常の研修以上の一体感が得られるため、より強い結びつきが形成されることが期待されます。

アクションラーニングの進め方

最後に、実際にアクションラーニングを実施する際の進め方について解説していきます。

チーム作成

まずはアクションラーニングに参加する人員でチームを作成します。同時に、アクションラーニングコーチの選出を含めて、ディスカッションにおけるそれぞれの役回りを確認しておきましょう。

問題・テーマ設定

次に、問題・テーマを設定しましょう。この段階でチーム内で問題の性質や緊急性などをすり合わせておき、共通認識を持つことが大切です。

なお、問題解決のためにアクションラーニングを行う場合は、先にテーマとなる問題を設定したうえで適任者をメンバーとして選定するため、チーム作成と問題・テーマ設定の順序が逆になる場合もあります。

セッション開始

問題・テーマをチーム内で共有できたら、セッション開始です。メンバーそれぞれに質問を投げかけ、問題に対する認識を深めたり、視点を変えて考えてみたりと、課題解決につながるようなセッションを心がけましょう。

なお、質問は「問題の原因について掘り下げるもの」「環境要因について」「仮説の提案」など、できるだけ視点を変えて回答できるよう趣向を凝らすと効果的です。

またセッション中はアクションラーニングコーチが進行を調整し、「メンバー間で認識の相違が生まれていないか」「発言が極端に少ないメンバーはいないか」などに気を配ることが大切です。

問題の再定義と行動計画の策定

セッションの成果を踏まえて、必要に応じて問題の再定義を行いましょう。問題の本質を見極めることで、課題の再定義が必要になる場合は少なくありません。また、問題の原因を掘り下げることで、先に解決すべき別の問題が見つかることもあります。

その後、メンバーそれぞれの役割を明確にして、問題解決に向けた行動計画を策定していきます。

リフレクション(振り返り)

最後に、リフレクション(振り返り)を行います。メンバーの質問や行動を評価したり、セッション中の反省点を挙げたりと、アクションラーニングコーチを中心として取り組みを振り返っていきます。

まとめ

リーダーの育成や社内の問題解決、チームビルディングと様々な効果が期待されるアクションラーニング。

しかし、実際に導入してみると「質問を主体として進行するのが難しい」「問題の原因を掘り下げると犯人探しになる」といった問題も起きがちです。

そのため、6つの構成要素をしっかりと満たし、メンバーのコミットメントを徹底させるといった準備が大切になります。とくにアクションラーニングコーチの役割は重要であるため、最初は外部講師にコーチを任せることも検討すべきでしょう。

アクションラーニングと「ビジネス数学研修」

アクションラーニングでは、誤解なく意見を伝えて、メンバーに共通認識を持たせるための「表現力」が重要になります。このとき重要となるのが「数字」です。数字は誤解なく事実を伝える最良の手段であり、共通認識にもズレが生じません。

例えば「○○プロジェクトの人手が足りない」という課題をアクションラーニングのテーマとして設定するとしましょう。ただこのままでは、「どの程度足りないのか」「いつまでに人員補充すべきなのか」がわからず、対策の立てようがありません。

これを数字を用いて表現すると「4月1日までに○○プロジェクトに参画する人員を□人確保しなければならない」と、問題点が具体的かつ誤解なく伝えられるようになります。

弊社オルデナール・コンサルティングがご提供する「ビジネス数学研修」は、こうしたビジネスシーンに直結する「数字を用いたコミュニケーション」が身につく研修となっております。また研修プログラムは、現実に即した課題を取り上げて、演習方式で解決策を考えていくものになっておりますので、実践的に能力を伸ばすことができます。

問題解決力や提案力、コミュニケーション力を一つの研修で伸ばしたいとご検討中でしたら、ぜひ弊社の「ビジネス数学研修」をご活用ください。

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