優秀な人ほど辞めてしまう原因とその対策

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「優秀な人ほど辞めてしまう」という問題に悩む経営者・管理職は多いと思います。

その原因としては「仕事にやりがいがない」「成長の限界を感じた」「成果が評価されない」などが挙げられ、組織には「透明性・公平性のある評価制度」「多様なキャリアパス・柔軟な勤務態勢」などの整備が求められます。

今回は、優秀な人が辞めてしまう原因や辞める前兆を確認したうえで、優秀な人が辞めない組織作りについて解説していきます。

優秀な人が辞める原因

経営者や管理職の「あるある」の悩みとして、優秀な人ほど辞めてしまうという問題があります。優秀な人材の退職は、売上低迷どころか事業の存続にまで影響を与えることも少なくありません。

なぜ優秀な人は辞めてしまうのでしょうか。まずは主要な原因について見ていきましょう。

仕事にやりがいがない

優秀な人に限らず社員が辞めてしまう原因としてまず挙げられるのが、仕事のやりがいです。

実際にパーソルビジネスプロセスデザイン「退職理由の本音に関する実態調査」によれば、「仕事にやりがいを感じない」が55.1%でトップとなっています。

参考:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社

「<退職理由の本音に関する実態調査 2025> 退職理由の本音と、企業に伝えた退職理由の間に見られる違いが明らかに」

何にやりがいを感じるかは人によって異なるため、優秀な人材が「仕事に何を求めているか」を探っていくことが求められるでしょう。

成長の限界を感じた

優秀な人ほど自身の成長機会を重要視しているため、自社内での成長に限界を感じると離職を検討する原因となります。これも上のパーソルビジネスプロセスデザインの調査では「自己成長が感じられない(55.1%)」で3位に挙がっています。

「業務がルーティン化・マンネリ化している」「保守的な組織風土でチャレンジできない」といった環境だと成長実感が得られず、モチベーションが低下してしまうわけです。この点は上の「仕事にやりがいがない」とも共通する部分があるといえます。

なお、成長実感については「成長実感の重要性 成長実感を得るために必要な取り組みとは」でも詳しく解説しています。

ビジョンの不一致

優秀な人が辞めてしまう原因のなかでも溝を埋めにくいのがビジョンの不一致です。具体的には「現場での仕事を突き詰めていきたいのに、管理職に昇進させられる」「ワークライフバランスの価値観が合わない」などが挙げられます。

実際に上のパーソルグループの調査においても「キャリアの選択肢が少ない」が54.7%で2位、「仕事の進め方が合わない」が52.7%で4位タイに挙がっており、ビジョンの不一致は強い退職原因となることがわかります。

ただ、この問題を解決するためには組織風土や人事制度を抜本的に改革する必要があるため、解決が難しい課題といえるでしょう。

なお、組織風土の改革については「組織風土とは 構成要素や改革の手順を解説」でも詳しく解説しています。

仕事・成果が評価されない

優秀な人が辞める代表的な原因として、仕事・成果が評価されないことが挙げられます。給与や待遇に対する不満と言い換えてもよいでしょう。

「大きな成果を上げているのに周囲と待遇が変わらない」「上司の主観のせいで公平な評価が受けられない」といった状況に置かれていると会社への不満が溜まっていき、仕事のやりがいも薄れていきます。

なお、こうした評価や待遇に関する比較は社員間だけでなく、同業他社間でも行われます。例えば「同じ業務内容なのにA社よりも福利厚生が整っていない」といった差を感じてしまうと、やはり転職を検討する原因となります。

組織の将来性への不安

近年、離職の原因として多くなっているのが組織の将来性への不安です。パーソルビジネスプロセスデザインの調査でも「会社の将来性への不安(52.7%)」で4位タイに挙がっています。

その理由は、AIによる技術革新や国際紛争によるサプライチェーンへの打撃などによって、ビジネスシーンが大きく揺れていること。そんななかで「市場シェアが減少している」「経営戦略や事業のビジョンに納得できない」などに直面することで、転職を検討するきっかけとなるわけです。

また、日々の仕事のなかで「部署間の連携が取れていない」「意志決定が遅い」といった不満が溜まっていくと、やがて組織の将来性への不安につながってきます。

他社からのオファー

優秀な人が辞める外部要因であり、退職の決定打となるのが他社からのオファーです。

よほど魅力的な内容でない限り、他社からのオファーが届いただけで転職を決意することはありません。しかし、ここまで挙げてきた原因のいずれかが該当した状態で他社からのオファーが届くと、離職の決定打となり得ます。

ここ10年ほどでスカウトを始めとした「攻めの採用方式」が急速に広まっており、とくに優秀な人材のもとにはいくつものスカウト・オファーが届きます。企業としてはこれを止める手段はないため、ここまで解説してきた原因が生じないようにすることが唯一の対策となります。

優秀な人が辞める前兆

離職は唐突に起こるものではなく、多くの場合は何らかの前兆があります。社員が発するサインを見落とさないように気を配りましょう。

仕事への意欲が低下する

優秀な人が辞める前兆としてまず挙げられるのが、仕事への意欲の低下です。

意欲の低下といっても遅刻・欠席といった露骨なものではなく、以下のような兆候が挙げられます。

・会議での発言が減る

・新プロジェクトや長期プロジェクトに消極的になる

・定時での帰宅が増える

もともとが優秀な分、意欲が低下してもそこそこの成果を上げてしまうため、こうした細かなサインを見落とさないよう注意しましょう。

コミュニケーションが減る

退職の意欲が固まり始めると、コミュニケーションが減少します。「上司への報連相が最低限になる」「同僚との雑談が少なくなる」など、周囲との関わり自体が減っていくのです。

周囲との関係を深める意欲が低下するということは「今後も組織にいるつもりはない」という気持ちの表れだからです。

有給休暇の取得が増える・身の回りの整理

優秀な人が本格的に転職活動に取り組み始めると、有給休暇の取得が増えたり、身の回りの整理を始めたりといった行動が表れます。

これは「有給休暇を取ることに遠慮がなくなった(周囲に気を遣う必要がなくなった)」という気持ちの表れであり、転職エージェントとの打ち合わせや面談・面接などに当てられている場合もあります。

その後、デスクの私物を持ち帰るといった身の回りの整理が始まったら、もう引き留めることはできないと思ったほうがいいでしょう。

優秀な人が辞めない組織作りに必要な対策

優秀な人が辞めない組織を作るためには、どのような対策が求められるのか解説していきます。

明確なビジョンを打ち出す

優秀な人が辞めない組織にするためには、まず経営層が明確なビジョンを打ち出すことが求められます。

組織の戦略や方向性に疑問を感じてしまうようでは、社員も目の前の業務に集中できず、やりがいも得られません。また、経営層や管理職の判断が二転三転する場合も、組織全体への不信感につながります。

現状の課題や市場の状況に基づいた納得感のある目標を掲げて、それをしっかりと社員に周知する必要があるのです。

透明性・公平性のある評価制度

優秀な人が辞めない組織作りには、透明性・公平性のある評価制度が欠かせません。具体的には、以下のようなポイントが挙げられます。

・主観で左右されない定量的な基準を設ける

・達成基準と達成に対する評価を明示する

・プロセスなどの定性的な要素も評価する

簡単にいえば、社員が評価に納得できる環境を作ることが求められるわけです。優秀な人の貢献度が評価と待遇にしっかりと結びつく制度を構築しましょう。

なお、納得感については「ビジネスにおける納得感の意味とメリット」で詳しく解説しています。

多様なキャリアパス・柔軟な勤務態勢

優秀な人が辞めない組織では、多様なキャリアパスと柔軟な勤務態勢を提示できる体制が整っています。

例えば、現場にこだわるプロフェッショナルタイプに対し、管理職以外の役職のキャリアパスを提示できれば離職リスクは大きく低減されるでしょう。

また「育児や介護で現在の仕事量を維持できない」という社員が産休・介護休暇や週休3日、リモートワークなどの働き方を選べれば、安心して就業し続けることができます。

とくに近年においては「自分に合った働き方ができる」という体制が給与よりも重視される傾向にあるため、積極的に改革を進めていきましょう。

なお、キャリアパスについては「キャリアパス制度とは メリットや導入の流れを解説」で詳しく解説しています。

公平で納得感のある評価に必要な「数字力」

優秀な人が辞めない組織を作るためには、公平で納得感のある評価制度を構築する必要があります。

例えば「顧客からの信頼を獲得している」という評価を公平に行うためには、何をもって「信頼を獲得している」と評価するかに基準を設けなければいけません。人によって「信頼を獲得している」の捉え方が異なるからです。

この場合は「クレーム発生率○%」といった具合に、評価者(上司)によって解釈の幅が生じないような定量的な設計が求められるでしょう。

しかし、ビジネスパーソンのなかには数字の活用に対して苦手意識を持つ方も少なくありません。とくに数字を扱うのが苦手な人ほど「正確な数字」にこだわり過ぎてしまい、評価が非現実的なものになっていくといった失敗を犯しがちです。

では、こうしたビジネスシーンで求められる数字力をどのように伸ばしていけばいいのかと疑問に思う方も多いと思います。そこでおすすめしたいのが「ビジネスシーンで役立つ数字力」を磨くことを目標とした、弊社オルデナール・コンサルティングの「ビジネス数学研修」です。

弊社の研修プログラムでは、受講者のレベルや役職に合わせて4段階のコースをご用意しておりますので、数字に対して苦手意識を持つ方でも安心してステップアップできます。

研修では実際のビジネスシーンを想定したデータの読み取り方や、わかりやすい報告資料の作り方など、実務に直結するプログラムで演習を繰り返していきます。 「社員が納得する評価項目を設定したい」「他部署間でも公平性を感じる評価基準を設定したい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修プログラムをご検討ください。