ビジネス数学でニュースを斬る!③:新型コロナウィルスに関する仮説

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このブログを書いているのは2020年3月2日。現時点で新型コロナウィルスによる社会不安は増すばかりです。

弊社でも、公益財団法人 日本数学検定協会との共催にて毎月実施している「公開セミナー」の3月開催を中止としました。

 

様々な情報が錯綜する今こそデータを活用し自ら論理的に物事を捉えることが必要ではないでしょうか?

ただその一方で「未知なるウィルス」といった見えない恐怖に不安感が増幅するのが人間です。

その点も踏まえた上でビジネス数学を活用し現状の気になる点から仮説を立ててみました。

 

前提として、ビジネス数学は「数字から現状を把握」し「数字を根拠に仮説を立て」「仮説を検証し実行する」ことを重要視しています。

 

仮説は正しいかどうかは分かりません。しかし分からないなりに数字を根拠に自分の頭で考えることが重要です。

 

 

1.現状把握
2020年3月2日(月)日本時間AM7時時点のデータによると全世界における感染者数:86,193名、死亡者数:2,966名、致死率:3.4%となります。

過去に猛威を振るったSARSの致死率:約9.6%、MERS:約35%と比較すると、現時点の新型コロナウィルスの致死率は低いと言えます。

国別に見ると日本の致死率は2.4%と全体に比較するとやや低いことが分かります。また韓国の致死率は0.5%と全体と比較してもかなり低いことが分かります。

 

日本中国韓国その他合計
感染者数25479,2513,7362,95286,193
死亡者数62,835181072,966
致死率2.4%3.6%0.5%3.6%3.4%

 

 

2.仮説立て(なぜ日本や韓国の致死率は他国と比較して低いのか?)
日本の致死率が低い理由の1つとして医療提供体制の違いが考えられます。現時点で医療崩壊は起きていないので世界的にも優秀と言われる日本の医療関係者の努力の結果とも考えられます。

それ以上に注目すべきは韓国の致死率が極端に低いこと。どの様な理由が考えられるでしょうか?

仮説の1つとして感染者数の多さ=検査数の多さが考えられるのではないでしょうか?この点を深堀します。

 

報道によると韓国では「ドライブスルー検査」なるものがあり、車で検査所に乗り入れると30分程度で誰でも検査が受けられるとのこと。

そのため、日本と比較すると1日当たりの検査数が多く結果感染者数も拡大しています。一方で死亡者数はそこまで増えていません。

 

ここで考えられる仮説は「今後死亡者数が急激に拡大する」「そもそも致死率がそれ程高くない」など。

 

前者は最悪の状況…世界的なパンデミックまっしぐらです。この可能性も勿論ありますが、ここでは「そもそも致死率がそれ程高くない」ことについて更に深堀します。

 

「発熱したのに検査できない!」「希望者は全員検査すべきだ!」といった声が様々なメディア・SNS等で見受けられます。

この点の善し悪しは別の機会に書きますが、この様な声に従った対応を行っているのが韓国だと考えられます。

その結果何が起きたか?韓国の感染者数は拡大したものの致死率は他国と比較して極端に低い結果がデータで示されました。

 

ここから考えられる仮説として「感染者数を正確に把握すると実は致死率は想定以上に低いのではないか?」となります。

「日本でもすでに数万人の感染者がいるのではないか」と言った発言をされる医療関係者の方も多くいます。根拠はないですが私もそう思います。

コロナウィルスはそもそも風邪の一種なので客観的に考えるとすでに多くの方が感染しているのではないでしょうか?

 

ここで重要なのが「それでも死亡者数は6名」の事実です。

 

仮に日本の感染者数が1万人だとすると致死率2%としても死亡者数200名。しかし現状は6名。と考えると致死率が低くないとこの考えは成り立ちません。

逆に日本よりも検査数を増やした(=感染者数が拡大した)韓国で致死率が低いことはこの考えで説明できます。

 

仮説をまとめると「新型コロナウィルスの致死率は現在の想定より相当低いのではないか?」となります。

 

 

3.今後どうすべきか?
今週早々より日本でも医療機関の判断で新型コロナウィルス検査を行うとの発表がなされました。この結果何が起こるのか?

恐らく感染者数が拡大すると思われます。感染者数が一気に増えると多くの方は不安になるでしょう。パニックを起こす人も出ると思われます。

 

ただここで冷静に考えるべきです。検査数が増えれば感染者数も増えると考えるのが自然です。特に当初は体調が悪い人が優先して検査を受けることになるので尚更。

今後感染者数がこれまでの伸び以上に拡大した場合、合わせて重症化率や致死率の変化にも注目しましょう。

感染者数の伸びと反比例して重症化率や致死率が減少するのであればこの仮説が正しい可能性が高まります。

 

重要なことは新型コロナウィルスに感染しないことではなく重症化しないことそして死に至らないことです。

感染者が増えても比例して死亡者数が増えない限りこれまで以上に過度な心配をする必要はないのではないでしょうか?

 

 

4.そうは言っても…
仮に致死率が0.5%だったとしても、自分または家族や周囲の人が0.5%になることは絶対に避けたいですよね。なので個人でできることは行うべきです。今の状況で個人でできることは限られています。

 

・新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が公表した感染しやすい場所に極力近づかないこと。

 

そして何よりも、、、

 

手洗い、うがい、よく食べてよく寝ることです。これしかできません。

 

今置かれている状況を悲観しすぎると実体経済に甚大な影響を及ぼします。実体経済が冷え込むと経営が成り立たない企業が増加します。

その結果はもしかすると新型コロナウィルス感染による致死率以上の死者を出すかもしれません。。

 

楽観的になれとは言いませんが冷静に自身で考え判断することが求められているのはないでしょうか?

 

※各種データはブログ作成時点に収集したものです。

※このブログ作成に要した時間は約2時間です。