データ分析スキルとは 具体例や高めるメリットを解説

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データ分析スキルとは、数字やデータを整理・加工し、ビジネスにおいて有益な情報へと昇華する能力です。データサイエンティストのような専門職に求められるスキルと考えられがちですが、データ分析スキルを高めることによって「意志決定の根拠が明確になる」「問題点の可視化」といったメリットが得られるため、実は広くビジネスシーンで求められる能力といえます。

今回は、「データ分析スキルとはなにか、どのようなスキルを指すのか」について解説したうえで、データ分析スキルによって得られるメリットや、スキルを高める際のポイントをお伝えしていきます。

データ分析スキルとは

データ分析スキルとは、数字やデータを整理・加工し、ビジネスにおいて有益な情報へと昇華させる能力のことです。

一般的にデータ分析に関するスキルというと、統計学やプログラミングといった高度な専門的知識を想像する方が多いでしょう。もちろん、それらも重要なデータ分析スキルではあるのですが、実際には思考力やコミュニケーション力といったビジネスパーソンの基礎とも言える能力も重要視されます。

データ分析スキルはデータサイエンティストだけのものではない

「データ分析スキルはデータサイエンティストのような専門家だけが身につければいい」と考える方がいますが、上の解説のとおり、データ分析スキルは今を生きるビジネスパーソンであれば広く求められる能力といえます。

実際、データサイエンティストが担う仕事は高度で専門的ではありますが、その目的は「ビジネスにおいて有益な情報を作り出すこと」にあり、我々の日々の仕事とつながっているのです。

「データサイエンティストとは、高度に情報化された社会において、日々複雑化及び増大化(ビッグデータ化)するデータを、利用者の利用目的に応じて情報を収集・分析する技術を有し、ビジネスにおいて実行可能な情報を作ることができる者をいう」

引用:一般社団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト協会とは 定款」

すべての人がデータサイエンティストを目指す必要はありません。しかし、今後のビジネスシーンでの活躍を目指すのであれば、データ活用人材(データの収集・分析から、データを用いた仮説立案・意志決定を行うことができる人材)として役割を果たせる水準のスキルが求められるでしょう。

なお、データ活用人材については「データ活用人材とは データサイエンティストとの違いや育成に必要なこと」で詳しく解説しています。

関連記事:「データ活用人材とは データサイエンティストとの違いや育成に必要なこと」

データ分析に必要となるスキル

データ分析を行う際に求められる具体的な知識・スキルについて解説していきます。

論理的思考力

データ分析スキルの土台になるのが、論理的思考力です。現状の課題を洗い出し、どのデータを活用して問題解決へつなげていくかを検討するためには、高い論理的思考力が求められます。

この一連のプロセスを徹底できないと、目的との親和性が低いデータを活用してしまったり、データを分析すること自体が目的となってしまったりします。

データ分析は、あくまでもビジネスにおける問題解決の手段です。極端なことを言えば、目標達成のためにデータ分析以上の方法があるなら、そちらを選択する論理的な考え方が求められるのです。

コミュニケーション力

データ分析とは無縁に思えるかもしれませんが、コミュニケーション力は重要なデータ分析スキルのひとつです。どんなに優れたデータ分析を実施したとしても、その結果を組織内に伝達し、意志決定に活かすことができなければ意味がないからです。

データ分析の結果を実際に活用するのは、データの専門家がいない現場や取引先という場合がほとんどです。そのためデータ分析者には、分析結果の有用性をわかりやすく伝えるコミュニケーション力が不可欠となるわけです。

表現力

表現力は、コミュニケーション力とセットで求められるデータ分析スキルです。

現状では、まだ多くのビジネスパーソンがデータに対して苦手意識を持ち、データを読み取る力も人によって差があります。そのため、データ分析人材には、データを誰の目にも読み取りやすいかたちに加工する表現力が求められるのです。

具体的には、細かく数字が並ぶ表をわかりやすいグラフにすることや、複雑な状況を整理してプレゼンすることなどが挙げられます。

統計学やプログラミング等のテクニカルスキル

当然ながら、データ分析を担うためには統計学やプログラミング等のテクニカルスキルが必要となります。

データを分析するためには分析・集計の手法を学んでおく必要がありますし、膨大なデータを効率よく処理するためにはプログラミングのスキルが欠かせません。また職務によっては、データ分析の結果をサービス・商品の提供に活かすために、マーケティングの知識も求められるでしょう。

これらの知識・スキルは一つひとつが奥深く専門的であるため、よほど高度な専門人材でない限り、そのすべてに精通している必要はありません。

データ分析スキルを高めることで得られるメリット

データ分析スキルを高めることにより、「意志決定の根拠が明確になる」「問題点の可視化」「ビジネスチャンスの発見」といったメリットが得られます。それぞれ解説していきましょう。

意志決定の根拠が明確になる

データ分析スキルを高めることで、意志決定時の根拠が明確になります。

VUCA時代と呼ばれる現在、ビジネス環境は目まぐるしく変化しており、個人の勘や経験に頼る意志決定では、すぐに壁にぶつかってしまいます。そのため、データ分析によって市場のニーズや自社の課題などを正確に捉え、データを根拠にした確度の高い施策を考案することが求められるわけです。

問題点の可視化

データ分析を行うことで、今まで認知できていなかった問題やその兆候を可視化することができます。

これは長期的なデータをグラフ化した際などに顕在化しやすく、まだ担当者が実感していないような問題の兆候なども浮き彫りにすることができます。リスクマネジメントの観点からも重要な取り組みといえるでしょう。

新たなビジネスチャンスの発見

データ分析は課題解決だけでなく、新たなビジネスチャンスの発見にもつながります。

社内のデータを分析することで、今まで見えていなかった顧客の傾向やサービス改良のポイントが浮かび上がることも少なくありません。とくに部門の垣根を越えてデータの相関や因果関係を見つけることで、大きな変革を起こすことも夢ではありません。

データ分析スキルを高める2つのポイント

最後に、データ分析スキルを高めるためのポイントをお伝えしていきます。

数字・データに対する苦手意識を解消する

データ分析スキルを高めるためにまず取り組むべきなのは、数字・データに対する苦手意識の解消です。

データ分析スキルを高めるために、データ分析(活用)研修に臨む企業・個人は非常に多いですが、これは必ずしも正しいとは言えません。ビジネスパーソンの多くは数字やデータに慣れておらず、「そもそも学生時代から数学が苦手だった」という方も少なくないからです。

こうした方々がいきなり統計学やプログラミングを学ぼうとしても、ほとんどの方は挫折してしまいます。そのため、段階的にデータに慣れ親しみ、数字やデータに対する苦手意識を解消することから始めてみるのがポイントとなります。

全社的にデータ活用の文化を浸透させる

社員のデータ分析スキルを高めるためには、全社的にデータ活用の文化を浸透させることが絶対的な条件となります。

せっかくデータ分析を実施しても分析結果を活かす風土がなければ、誰も継続してスキルを伸ばそうとは思わないでしょう。

また、データは蓄積させることでその効果を高めるので、全社的にデータを収集・共有する意識が求められます。ポジションを問わず、データを意識決定や課題解決に活かしていく姿勢を持つことが重要になるわけです。

データ分析スキルを身につけたいなら「ビジネス数学研修」 「データ分析スキルを高める2つのポイント」でも解説したとおり、データ分析スキルを高めたいのであれば、まずは数字やデータに対する苦手意識を解消することがポイントになります。

しかし残念ながら、研修会社などの育成機関が提供するカリキュラムは、専門職の育成を目指すものがほとんどです。どの企業でもデータ活用人材が不足しているのは、初心者を引き上げる手段・施設がないことも無関係ではないでしょう。

そんななかで弊社は「数字に苦手意識を持つビジネスパーソン」を対象とした、「ビジネス数学研修」を提供しています。研修プログラムは「入門編」から「実践編」の4段階をご用意しておりますので、受講者のレベルに合った数字やデータの扱い方を学んでいくことができます。

また弊社では、数字力を「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力」と定義し、データ分析スキルのなかでもコミュニケーション力や表現力を重視しています。そのため、「非技術職を中心にデータ活用の文化を根付かせたい」といった課題を抱える企業様からも好評な研修となっております。

「社内のデータ分析スキルが伸びない」「意思決定や課題解決にデータを活かす文化を根付かせたい」といった課題にお悩みでしたら、ぜひ弊社の研修をご検討ください。

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