なぜ「挨拶するのが怖い」のか その原因と対策を考える
私のような40代のビジネスパーソンからすると「時代は変わったな」と感じる記事がありました。
「『挨拶するのが怖い』リモート化で悩める若手社員を救う“一言”とは」(2022年6月10日「biz SPA!フレッシュ」)
https://bizspa.jp/post-613199/
私も昔ながらの体育会系のノリで大きな声で挨拶するのは苦手ですから、挨拶するのが「苦手」と感じる方がいることは理解できます。
今回は「なぜ恐怖心で挨拶ができなくなるのか」について、その原因と対策を考えていきたいと思います。
挨拶が怖く感じる原因
まずは、挨拶に対して恐怖心を感じる原因について考えてみましょう。
無視されるのではないかという恐怖
挨拶が怖く感じる原因として、無視されるのではないかという恐怖心を挙げる方が多いですね。挨拶が返ってこないと嫌な気持ちになりますし、繊細な人のなかには「嫌われているのかな」と一日中引きずってしまう人もいるでしょう。
こうした「挨拶をしたらネガティブな気持ちになるかも」という警戒心は、やがて挨拶自体への恐怖心に変わってしまうわけです。
相手のことを深読みしてしまう
相手の状況や気持ちを深読みしてしまう人ほど、挨拶に対して恐怖心を感じやすい傾向があると思います。
実際、挨拶をする前に相手の状況を確認することは大切です。挨拶をすることで、集中して作業をしている人の気を削いだり、重要な会話を遮ってしまったりすることもあるからです。
ただ、そうやって相手の状況や気持ちを深読みし過ぎると、挨拶に対するハードルが上がってしまい、プレッシャーがだんだんと恐怖心に変わってしまいます。
心と体が疲れている
挨拶が怖く感じる原因としてぜひ目を向けてほしいのが、心と体の状態です。心と体が疲れていると、普段は当たり前にできていることが突然できなくなることがあります。
とくに、もともと人付き合いが苦手で義務感で挨拶をしていた人ほど、心と体が疲れていると挨拶が苦痛となり、それが恐怖感に変わっていってしまいます。

怖くて挨拶ができない人が心がけるべきこと
挨拶が怖く感じる原因を整理したうえで、具体的にどのようなことを心がければよいか考えていきましょう。
自己嫌悪をしない
怖くて挨拶ができない人ほど、実は「挨拶は大切」だと理解しています。だからこそ、挨拶ができなかったときは自分に対してがっかりしてしまい、「なんでこんなこともできないのだろう」と自己嫌悪に陥りがちです。
しかし、自己嫌悪に陥ると余計に挨拶に対してハードルが上がってしまい、次の挨拶の機会がプレッシャーとなってより恐怖心を感じてしまいます。まずは挨拶に対するハードルを下げて「まあ会釈はしたし、いいか」と、気楽に考えるように意識しましょう。
習慣化する
暇なときにスマホを取り出すように、何も考えず反射的に挨拶できるようになることが、恐怖心を消し去る最も効果的な方法です。
挨拶が怖いと感じている人は「それができないから困っている」と思うかもしれません。そんな人は「相手が誰か」「挨拶の言葉はどうするか」などを意識せず、機械的に「お疲れさまです」と発することから始めてみましょう。ビジネスシーンや近所で作業をしている人などであれば、大抵の場面は「お疲れさまです」で問題はありません。
相手から挨拶が返ってくるかは考えず、ただ人がいるから反射的に「お疲れさまです」と言う……くらいの気持ちで取り組み始めてみましょう。

挨拶は必要・不要?
挨拶に対して苦手意識や恐怖心を持っていると、話が「挨拶の必要・不要論」に発展することがあります。私も大きな声で挨拶するのは苦手ですが、挨拶が不要だとは思っていません。人間は気持ちで仕事している部分がありますから、多くの人が「挨拶が返ってこないと嫌な気持ちになる」のであれば、やはり挨拶はするべきでしょう。
挨拶の必要・不要については、以前お世話になった経営者さんのお話が心に残っています。その方が挨拶ができない社員に対し、挨拶をするよう指導したところ「私は挨拶をするために入社したのではありません」と言われたそうです。それに対して、その経営者さんは「そうだね。だけど仕事ができて挨拶もできるなら、もっといいよね!」と返したそうです。
部下を持つ方や人材育成に関わる方は、頭ごなしに「とにかく挨拶をしなさい!」と指導するのではなく、挨拶した方が自分にとってもプラスであることを伝えてあげることが大切です。