営業の属人化とは 原因や解消方法を解説

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営業の属人化とは、営業活動のノウハウなどが組織ではなく個人に依存してしまうこと。その原因としては「手の内を明かしたくない心理」「評価制度の問題」「業務過多」などが挙げられます。

属人化は様々なリスク・問題を招くため、「評価制度の見直し」や「営業プロセスの標準化」といった解消のための取り組みを推進していきましょう。

今回は営業の属人化について、属人化の原因や生じるリスク、解消の方法などについて解説していきます。

営業の属人化とは

営業の属人化とは、営業活動のノウハウや業務管理などが組織ではなく個人に依存してしまうことです。そもそも属人化とは「業務の管理が組織ではなく個人に属してしまうこと」という意味であり、これが営業活動で起きている状態を指すわけです。

営業職は業務内容や評価制度の関係上、属人化しやすい部分があります。以前までは属人化していても終身雇用制度があったため大きな問題にはなりませんでしたが、人材の流動化が進んだ現在においては看過できないリスクが生じるため、抜本的な対策が求められています。

営業活動が属人化してしまう原因

営業活動が属人化してしまう原因として「手の内を明かしたくない心理」「評価制度の問題」「業務過多」「情報共有の仕組みが整っていない」などが挙げられます。それぞれ解説していきましょう。

手の内を明かしたくない心理

営業が属人化してしまう原因として、社員の「手の内を明かしたくない」という心理が挙げられます。

営業は競争が激しい部署であるため、評価制度によっては「自分で編み出したノウハウや有益な情報は秘密にしたい」と考えます。情報を共有すれば他の社員に対する優位性が失われ、収入の減少などにつながるからです。

また反対に、自分のミスや問題を周囲に明かしたくないという心理が働く場合もあります。わざわざ自分の醜態を晒す意味がないからです。

いずれにせよ「ノウハウや情報を共有するメリットがない」と感じる場合、属人化が加速してしまうわけです。

評価制度の問題

「手の内を明かしたくない」と密接に関わる属人化の組織側の原因として、評価制度の問題が挙げられます。その代表が相対評価です。

相対評価とは、他者との比較によって評価を定める手法のこと。あらかじめ「Aランク5名、Bランク10名、Cランク20名」といった具合にランク設定を行い、成果等に応じてそれぞれのランクへ振り分けていくというのが一般的なやり方です。

限られた椅子を社員同士で奪い合うわけですから、強い競争意識が芽生えて仕事に打ち込む一方、助け合いの精神が失われて属人化が加速するデメリットがあります。

また、ノルマ設定が厳しい場合なども「同僚や部下に教えるよりも自分の営業活動を優先しよう」といった意識が働き、やはり属人化が進む原因となります。

業務過多

業務過多が生じている場合、属人化が起きやすくなります。「抱えている顧客の数が多い」「外回りが多く、なかなかオフィスに戻れない」など、情報共有が二の次になってしまうような状況をイメージするとわかりやすいでしょう。

評価制度に問題がなく、積極的にノウハウや情報を共有したいと考えていても、業務過多が生じていると属人化が生じやすくなってしまうのです。

情報共有の仕組みが整っていない

情報共有の仕組みが整っていないことも、属人化を招く大きな原因となります。ノウハウや情報共有をするにも「フォーマットがない」「共有した情報を集約するツールがない」といった状態では、営業活動の合間を縫ってノウハウや情報を共有しようと思いません。

「定例の報告会で情報を体系化する」「出先でも簡単に報告できるツールを導入する」などの仕組みがないと、属人化が進行してしまうでしょう。

営業の属人化によって生じるリスク・問題

営業の属人化は「ノウハウが蓄積されない」「組織として統一の対応ができない」「引き継ぎが難しくなる」といった様々なリスク・問題を招きます。それぞれ解説していきましょう。

ノウハウが蓄積されない

営業の属人化によって生じる最たるリスクは、組織としてノウハウが蓄積されないことにあります。

例えば、営業活動では顧客や状況によって、様々な問題が起こります。成功事例だけでなく失敗談も改善策を検討するための重要な情報となりますが、属人化しているとこうした情報が共有されずに埋もれてしまいます。

新人に対してこうした情報を提供できないと同じ失敗を繰り返すことになり、成長効率も生産性も上がっていきません。人材育成が滞ることで組織としての成長も鈍化してしまうでしょう。

組織として統一の対応ができない

営業の属人化は、組織として統一の対応ができないという問題を招きます。担当者によって対応にばらつきが生じてしまうからです。

自身の成績を上げるために担当者がそれぞれ独自の対応をしていると、顧客から「○社と対応が異なる」といったクレームが寄せられ、ブランドイメージを落としかねません。

また、ハイパフォーマーに依存している状況が常態化すると、そのハイパフォーマーが離職した際に組織力を大きく損なうことになるため、実は大きな潜在的リスクを抱えた状態なのです。

引き継ぎが難しくなる

営業活動が属人化することで、業務の引き継ぎが難しくなります。例えば、顧客情報を共有せずに担当者ごとに管理していると、急な休職や離職の際に顧客への対応が遅れてしまいます。

担当者が代わるごとに同じ内容のヒアリングをしていては、顧客からの信頼が損なわれます。結果的に、契約の打ち切り等の機会損失を招いてしまうでしょう。

マネジメントが困難になる

営業活動の属人化は、マネジメントが困難になるという問題にもつながります。

例えば、社員がそれぞれ独自の順序・アプローチで仕事を進めていると、部署全体での進捗管理が比較しにくくなります。また、フィードバックを行うにも、それぞれ手法が異なっていると適切なアドバイスを送ることが難しくなります。

こうした状況は組織的な業務効率化や人材育成を阻害するため、長期的に見ると組織力の低下を招く原因となります。

営業の属人化を解消するための方法

最後に、営業の属人化を解消するためには、どのような取り組みが必要なのかを解説していきます。

評価制度の見直し

営業の属人化を解消するためにまず取り組むべきなのが、評価制度の見直しです。前述の相対評価のように、個人の成果ばかりを評価する仕組みだと競争意識が過剰に高まり、ノウハウや情報を秘匿しようとする心理が働いて属人化が進んでしまうからです。

具体的には、チームワークを促すためにチーム単位での評価を導入したり、業務に対する姿勢などを評価する「プロセス評価」を導入したりすることが求められます。

チームワークやプロセスを評価する仕組みが整うことで、属人化の組織風土も少しずつ改善していくでしょう。

営業プロセスの標準化

属人化を解消するためには、営業プロセスの標準化が欠かせません。標準化とは、誰もが同じ成果を出せるように業務の手順を最適化して、ルールを設けることです。

具体的には、社内のハイパフォーマーの営業プロセスを洗い出して標準化する必要があります。例えば、商談前に行う準備として「何を、いつまでに、どれくらい」準備するかなどを可視化して共有することで、営業部全体のパフォーマンスを底上げすることができます。

もちろん、人それぞれ自分に合った手法があるでしょうし、そもそもハイパフォーマーにノウハウ共有の意志がなければ標準化は進みません。「評価制度の見直し」を実施したうえで、ノウハウ共有に対するメリットを与えることが大切です。

共有すべき情報を定める

属人化を解消するためには、共有すべき情報を定めることも大切です。

「ノウハウや情報を共有せよ」と号令を出しても、いちいち起きたことに対してすべて報告を求めるわけにもいきません。ですから「トラブルが発生した際の原因とその対応について」や「顧客からの要望とその進捗状況」など、組織全体で共有すべき事柄を明確に定めておく必要があるのです。

合わせて、情報共有のフォーマットや報告・アップロード先を整備しておくことも忘れてはいけません。

データ活用が営業の属人化を防ぐ

営業の属人化を防ぐ非常に効果的な取り組みとして、データ活用が挙げられます。営業データを一元的に管理して営業活動時の根拠とすることで、誰でも公平かつ説得力のある意思決定を行えるようになり、担当者が不在のときでもスムーズな対応が実現できるからです。

ただ、営業職として活躍される方のなかでも「データには苦手意識がある」「データの見方がわからない」という方は意外と多いのが現実です。とはいえ、顧客のニーズが急速かつ多様に変化する現在のビジネスシーンにおいては、プロセスの標準化にもデータ活用は欠かせません。

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