視座を高めるとは 視座を高める方法や視点・視野との違いを解説

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ビジネスにおいて「視座を高める」とは、自分のいま置かれている役職や状況よりも上の立場で物事を見るという意味です。似た言葉に視点・視野がありますが、その違いはものを見る際に「自分の立場を変えるか」にあります。

視座を高めるための方法としては「ロールモデルの設定」「異なるコミュニティへの参加」「バックキャスティング」などが挙げられます。

今回は視座を高めるとはどんな意味かを解説したうえで、視点・視野との違いや視座を高めるメリット、視座を高めるための具体的な方法についてお伝えしていきます。

視座を高めるとは

視座を辞書でひくと「物事を見る姿勢や立場」「個人が置かれた状況・条件から社会を見る視点」といった意味があります。

転じてビジネスにおいて「視座を高める」と言うときは、自分のいま置かれている役職や状況よりも上の立場で物事を見るという意味となります。

例えば、一社員として報告書を作成する際、課長の立場まで視座を高めることで「いま課長は○○にまで手が回っていないから、この情報を求めているはずだ」と、指定された内容以上の仕事を行うことができます。

視点・視野と視座の違い

視座に似た言葉として、視点と視野が挙げられます。これらの違いを理解し、意識して使い分けることができれば、思考力の向上につながります。物事を多角的に捉えられるようになるからです。

まず視点は「視線の向けられるところ」という意味があります。「売上だけでなく働きやすさについても考えよう」といった場合、視点を変えたといえるでしょう。

つまり、視点は自分の立場はそのままに、視線の対象を変える場合に用いられるわけです。ただ厳密に辞書で調べると、視点にも「物事を見たり考えたりする際の立場」という意味があり、視座と同じ意味合いで用いられることもあります。

次に視野は「物事を考えたり判断したりする範囲」という意味があります。「国内の動きだけでなく、海外の動きも確認しよう」といった場合、視野を広げたといえるでしょう。

つまり視野も視点と同様、自分の立場はそのままに、視線を向ける範囲を広げる場合に用いられるのです。

視座と視点・視野の大きな違いは「自分の立場を変えるか」にあるわけです。

視座を高めるメリット

視座を高めることにより「生産性の向上」「周囲からの信頼獲得」「企画・提案の成功率向上」「リスクマネジメント」といったメリットが得られます。それぞれ解説していきましょう。

生産性の向上

視座を高めることで生産性の向上、わかりやすくいえば効率的かつ効果的な仕事ができるようになり、働きやすくなります。

例えば資料作成を命じられた際、視座を高めて上司の意図や希望をくみ取ることができれば、指示以上の成果物を仕上げることができます。差し戻しが減り、二度手間になることも少なくなるでしょう。

また、業務の前後の工程や全体像に意識が回れば、与えられた仕事の優先順位やどれくらいのリソースを割けばいいかなども掴みやすくなります。「いま営業が手一杯なので、慌てて作ることはない」「部署の売上を左右するプロジェクトなので、一生懸命やる必要がある」など、仕事の力の入れどころがわかるわけです。

周囲からの信頼獲得

視座を高めることで、周囲からの信頼獲得につながります。「視座を高めることができる=相手の立場で考えることができる」だからです。

逆に視座が低い人は場当たり的で、自分の立場でしか物事を考えていません。自分中心で物事を考える人に対して「この人に仕事を任せよう」とはなかなか思えないですよね。

「視座を高める」というと難しく聞こえるかもしれませんが「自分が上司・先輩の立場だったら、何をしてもらったら嬉しいだろう」と考えることも十分に視座を高めることのひとつなのです。

企画・提案の成功率向上

視座を高めることで、企画・提案の成功率が向上していきます。

実際に企画・提案の際、「コストに見合わない」「人手が足りない」などの理由で却下されてしまった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。これはまさに部署全体のリソースや利益率などに目を向けておらず、視座を高められていない典型といえます。

企画・提案は、ターゲティングの精度や内容の良し悪しだけで決まるのではありません。視座を高めてコスト・リソースといった組織全体にかかる負担を意識することで、初めて企画・提案の内容にまで目を向けてもらえるのです。

リスクマネジメント

組織全体で見ると、社員各々が視座を高めることがリスクマネジメントとなり、組織の安定性を高めます。

現場の人材が視座を高めて業務にあたることができれば、いち早くトラブルに対応し、リスクを最小限に抑えることができます。例えば、現場の仕事だけなく、原油価格高騰のニュースをいち早くチェックしていれば「廃棄ロスを抑える」「工期の最適化」などの現場単位で行える対策にすぐ着手できるでしょう。

視座を高めるための方法

視座を高めるためには、どのようなことを心がければいいのでしょうか。フレームワークなどを含めて、実践的な方法について解説していきます。

ロールモデルを設定する

視座を高めるためには、まずロールモデルを設定してみましょう。ロールモデルとは、行動やキャリア形成などのお手本となる人物のことです。

いざ視座を高めようとしても、いきなり管理職や経営層がどのように考えているかをイメージするのは難しいと思います。普段の交流がなく、実際の働きぶりを見ていなければなおさらです。

そこで求められるのが、理想となるロールモデルです。「○○先輩ならこの場面でこう動くはずだ」とイメージしやすくなり、自然と視座が高まっていきます。部長などの役職で考えるのではなく、具体的に目標となる人物を設定することがポイントです。

異なるコミュニティに参加する

視座を高めるための意識付けとして重要なのが、異なるコミュニティに参加することです。

ビジネススクールやセミナー、社外サークルなどの形は問いません。普段は関わりのない業種や役職の人たちと交流を持つことで、新たな考え方やアプローチに触れることができ、新たな視座・視点の獲得につながります。

書籍・動画で学ぶ

「異なるコミュニティに参加する」よりも手軽な方法として、書籍・動画で学ぶことも効果的です。書籍や動画を通じて、ロールモデルを探すのもよいでしょう。

書籍や動画であれば、異なる国や時代を生きた、近場のコミュニティでは出会えないような視座を持つ人の言葉にも触れることができます。

視座を高めたいのであれば、書籍・動画で学ぶ取り組みは習慣として継続することが大切です。

なぜなぜ分析

視座を高めるためのフレームワークとして、なぜなぜ分析が挙げられます。

なぜなぜ分析はトヨタ生産方式で実践される思考法で、発生した問題に対して「なぜ」を5回繰り返すことで根本的な原因にたどり着き、解決のためのアクションが明確になるという方法です。

視座が低い人ほど、目の前の課題に対して自分の視座の範疇だけで考え、対症療法で対応しようとします。しかし、根本的な原因を解決しない限り、問題は再発する恐れがあります。

そこで「なぜ」を繰り返すことで、自然と視座や視点を変えて考えるようになり、問題を深堀りする習慣が身につくわけです。

ただし、なぜなぜ分析は「個人への責任追及に使ってはいけない」「掘り下げていくなかで脱線しやすい」などの注意点もあるため、慎重に活用しましょう。

バックキャスティング

視座を高めるためのフレームワークとして、バックキャスティングという方法があります。

バックキャスティングでは、まず将来のありたい姿(目標)を設定し、それを実現するための道筋を現在の姿から考えていきます。もとはシナリオ作成の手法であり、近年は経営戦略を考える際にも活用されています。

視座が低い人は往々にして、目の前の課題や与えられた仕事しか見ていません。その点でバックキャスティングを用いれば、まず理想像を設定したうえで、そこへ到達するための道筋を模索していくので、自然と今よりも高い視座を出発点として思考できるわけです。

視座を高めるとはビジネスの「数字」を理解すること

ビジネスにおいて視座を高めるとは、ビジネスにまつわる「数字」を理解することと言っても過言ではありません。部門やチームを預かる立場になるということは、部(チーム)の予算や売上、目標達成率といった数字を管理することだからです。

さらに経営層になれば、財務諸表の数字から会社の経営状態を読み解く力も求められます。

しかし、ほとんどのビジネスパーソンは、組織の成果や成長に関わる「数字」にほとんど関心を持っていません。弊社では研修を始める際に「自社の去年1年分の売上と営業利益を答えられますか」と質問しているのですが、この質問で挙手される方は全体の10~20%程度しかいないのが実情です。

では、数字に関心を持ち、視座を高めて仕事をするためにはどうすればいいのか。それを学ぶのが「ビジネス数学」なのです。

例えば、下の表は弊社の「ビジネス数学研修」で出題している課題で「この5店舗のなかから優秀店をひとつ選び、報奨金を与えるとします。あなたはどの店舗を選びますか」というものです。

視座を「報奨金を出す立場」にまで高めて、実際にビジネスで起こりうるシチュエーションで考えてみる課題となっています。

上の表から優秀店を選ぶ際には、以下のような評価基準が考えられます。

・売上が一番高い店舗

・従業員が効率的に働いている店舗

・店舗面積で効率的に売り上げている店舗

単純に「最も売上高の良い店舗」で選ぶと、従業員数や総床面積で劣っている店舗が不利になりそうですよね。とはいえ現実には、都心の一等地のように総床面積や従業員数で劣っていても高い売上を上げる店舗もあります。

どの評価基準にも正当性があり、選択する基準によって結果(選ぶ店舗)が変わってしまう……このようにビジネスでは数字やデータをもとにしてロジカルに考えても、明確な優劣が付かないシチュエーションが多々あるわけです。

では、納得感のある選定をするためには、何が必要なのでしょうか。その答えが弊社の研修でお伝えしている「数字やデータから素早くポイントを見つけだし、相手にわかりやすく伝える力ーー数字力」です。

弊社の研修プログラムは、受講者のレベルや役職に合わせて「入門編」から「実践編」の4段階をご用意しておりますので、「より高い職位での数字を学びたい」「昇進が決まっているけれど、昔から数学が苦手で……」といったそれぞれ課題に合わせてステップアップしていくことができます。 弊社の「ビジネス数学研修」について「もっと詳しく知りたい!」と思っていただけましたら、お気軽に以下のリンクからお問い合わせください。