ビジネス数学でニュースを斬る!④実績と計画

#伝え方#数字苦手!#管理職向け#経営者向け#若手向け

新型コロナの影響が日々拡大し、世の中では「after コロナ」ではなく「with コロナ」を考えなければ…といった声も多く聞かれます。

たしかにこれまでと同じ世の中に戻ることは難しいと考えられますが時間は止まってくれません。この環境の中でどの様な対応が必要なのかが求められています。

 

その様な状況において3月決算企業の業績開示が順に行われてきました。その中でも注目されたのがトヨタの決算発表ではないでしょうか?

 

トヨタは今期大幅営業減益も黒字確保、ホンダは未定-コロナ影響

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-12/Q9ZJBDT0G1L401?srnd=cojp-v2

 

「トヨタが大幅営業減益!」多くのメディアがこの様に取り上げています。2021年3月期営業利益は前年比約80%減少を見込んでいます。

 

世界のトヨタでも利益が大幅に減少するのか…と悲観的になりがちですが、まずは冷静にデータを確認しましょう。

今回トヨタが発表した数字は2020年3月期(2019年4月~2020年3月)業績「実績」と2021年3月期(2020年4月~2021年3月)業績「計画」です。

 

「大幅営業減益」「利益80%減」はいつを指しているのでしょうか?利益が大きく減少したのは実績でしょうか計画でしょうか?

 

「昨年対比80%減!」と数字で示されると驚きますよね。世の中は大丈夫なのか?世界恐慌がやってくるのではないか?と不安になるでしょう。ただ冷静に数字を捉えましょう。

 

トヨタ営業利益大幅減益はあくまでも「計画」です。2020年3月期営業利益「実績」は約2.4兆円となり昨年とほぼ同額であることが「事実」です。

 

もちろん今期はコロナウイルスの影響もあり厳しい年になると思います。営業利益は大幅に減少するでしょう。でもその数字は「計画」です。

新型コロナウイルスの影響から2021年3月期決算計画を策定することは非常に難しいことから多くの企業は同計画を公表していません。

その中でトヨタは計画を開示し、大幅減益であっても黒字を確保する意思表示を行ったことは高く評価できるのではないでしょうか?

 

数字の力は強いので示された際のインパクトが大きいです。だからこそビジネスパーソンには数字を冷静に把握する力が求められます。